英語+生活+こころ+ゲーム(というより小説・ドラマとか)の話ー。
別に探偵(たんてい)*1さんが卵(たまご)*2片手に推理(すいり)するわけではありません。
ドラマ・小説などで聞く表現「ハードボイルド(hard-boiled)」と、
そして元々の意味に関係する、卵(たまご)の「固ゆで(hard-boiled)」の話です。
探偵さんを添えて。
前置き。
本を読んでいて、ふと「ハードボイルド」という言葉が目に入ったので、その話を。
※
まず「ハードボイルド」という言葉は、日本でも刑事・探偵ドラマなどで時々聞く印象の言葉ですね。
何やら「渋くてカッコいい」とか、「タフな」感じのイメージがありますが。
でも辞書などによれば、これは元々「hard-boiled(ハードボイルド)」、
つまり「卵(たまご)が固(かた)ゆでの」という意味らしいです。
「hard(ハード)」が「固い(かたい)」、「boiled(ボイルド)」が「ゆでた(茹でた)」なので、合わさって「固ゆでの」という感じですね。
今のイメージからすると、ちょっと意外な由来です。
で、Wikipediaによればこの「ハードボイルド」は、いつの間にか言葉の範囲が広がっていったようで。
やがて、あまり恐怖(きょうふ)*3や感情*4に流されないクールな性格や、
あるいは文学の「感情を入れず、事態を書く」、「ハードな内容を淡々(たんたん)と書く」感じのスタイルなどに使われるようになったようですね。
これが今ドラマなどでいう「ハードボイルド」に近い感じですね。
では「ハードボイルド」なキャラはみんな厳しい・冷たい感じなのか?
かというと、そうでもなかったりするようです。
というのも、ハードボイルド小説初期の有名キャラクターに、
「探偵(たんてい)」の「フィリップ・マーロウ(Philip Marlowe)」という人物がいるようなのですが。
Wikipediaによれば、その人物のセリフに、
「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」(『プレイバック』)
…というものがあるようです。カッコいいですね。
(ちなみに「tough(タフ)」は「丈夫な」、「堅い」と言った意味です)
冷静なキャラクターは強い反面、過ぎれば悪役っぽくなってしまったりもします。
でもどこかに優しさ*5があったりすると、ギャップで魅力が増す感じもしますね。
上のセリフはまさにそんな感じがします。
また「冷酷に何でもやる」というだけでなく、譲れない信念を持っていたりするのもいいですね。
それこそ固ゆで(ハードボイルド)の卵のように、「芯(しん)」があって素敵…と言えるかもしれません。
まあ過ぎれば「頑固(がんこ)」とも言われそうですが、それもまた味(あじ)かもしれません。
※
というわけで、「ハードボイルド」は(元は)「固ゆで」の意味であり、
またハードボイルドという語を通じて「卵」と「探偵」は関わりがある…という話でした。
ちなみに「ハードボイルド」の反対語は「soft-boiled(ソフトボイルド)」というらしいです。
「柔らかくゆでた(卵)」みたいな感じですね。
「soft(ソフト)」は「柔らかい」という意味なので、分かりやすいです。
卵の固めと柔らかめ、どちらが好きかは人によるでしょうが。
もし今度、あなたが卵をゆでる時に上手くいかなければ、
「しまった、まだ柔らかいゆで具合(ソフトボイルド)だな…」とか、
「おいおい、固ゆで(ハードボイルド)が過ぎるぜ…」
なんて風に言ってみると、とりあえず「ハードボイルド」っぽい雰囲気にはなるかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
関連用語:「ソフト」*6、「ハード」、「燻製(くんせい)」*7
追記
ちなみに小説『マルドゥック・スクランブル』シリーズには、
卵の色んな状態に関連するキャラクター名が出てきたりします。
それこそ「ボイルド」とか。
◆用語集
・ハードボイルド:
関連用語:「パニック」*8、「dry(ドライ)」*9、「wet(ウェット)」、「忍び笑い(しのびわらい)」*10
関連作品:『装甲騎兵ボトムズ』*11
関連ゲーム:『トーキョーN◎VA』*12
・ソフトボイルド:
やわらかくゆでた状態、軽くゆでた状態。
料理で言うと「温泉卵(おんせんたまご)」や「しゃぶしゃぶ」、「ぶりしゃぶ」などはこちらに入ってくるかもしれない。
関連用語:「生(なま)」*13、「刺身(さしみ)」*14、「お人好し(おひとよし)/softhearted person(ソフトハーテッド・パーソン)」*15
・『マルドゥック・スクランブル』:
元は小説だが、マンガ化・アニメ化もしていたりする。
ちなみにこの物語の前日譚として『マルドゥック・ヴェロシティ』という作品もある。
関連用語:「鼠(ねずみ)」*16、「圧縮(あっしゅく)」*17、「燃焼(ねんしょう)」*18、「scramble(スクランブル)」*19
・『マルドゥック・ヴェロシティ』:
関連用語:「カトル・カール(Quatre-Quarts)/パウンドケーキ」*20
*1:「探偵(たんてい)」については 1/27 数学:方程式2/犯人を追い詰めろ! ~数学迷宮入り未遂事件~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「卵(たまご)」については 6/24 英語:ゲーム/「英語サバイバル」食事編 ~ゲーム実況的な感じで~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「恐怖(きょうふ)」については 2/12 学習:楽しいものにつなげるゲーム! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「感情(かんじょう)」については 2/16 英語:感嘆文(かんたんぶん)/感動(かんどう)を伝える方法 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「優しさ」については 5/14 国語:「優しさ」と「優しみ」! ~「さ」と「み」の間~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「ソフト」や「ハード」については 12/5 勉強:苦手なものって色々あるよね~、という話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「燻製(くんせい)」については 10/8 国+生:「勲章(くんしょう)」と「燻製(くんせい)」のあいだ! ~「熏(くん)」についての話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:ハードボイルドとはある意味逆そうな単語、「パニック」については 6/18 英+こころ他:「パニック(Panic)」には「神様(かみさま)」が関わってますか? ~「パニック」と牧神「パーン(Pan)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「ハードボイルド」に近い意味で使われることもあるらしい英語「dry(ドライ)」、またたその逆の「wet(ウェット)」については 8/14 生+英:「ドライ(dry)」の反対語は何ですか? ~「乾燥(かんそう)」と「辛口(からくち)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:なんとなくハードボイルドなイメージもある気もする「忍び笑い(しのびわらい)」については 1/22 国+こころ:「忍び笑い(しのびわらい)」は「忍者(にんじゃ)」の「笑み(えみ)」ですか? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:アニメ『装甲騎兵ボトムズ』については 9/10 ゲーム:【TRPG】『歯車の塔の探空士-スカイノーツ』プレイメモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:TRPGシステム『トーキョーN◎VA』についてはを 9/2 国+英社:「不動産(ふどうさん)」はリアル(real)に動かないですか? ~「real estate」と「immovables」~ - のっぽさんの勉強メモ 参照。
*13:「生(なま)」については 5/24 英語:生水・生肉・生野菜!? ~「生(なま)」の食材~ - のっぽさんの勉強メモを参照。
*14:「刺身(さしみ)」については 5/22 国+生:「刺身(さしみ)」?「切り身」? ~刺身の語源メモ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:英語では「softhearted person(ソフトハーテッド・パーソン)」ともいう「お人好し(おひとよし)」については 12/31 こころ+英他:「お人好し(おひとよし)」は「ソフト」な「ハート」ですか? ~「お人好し/softhearted person(ソフトハーテッド・パーソン)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:「鼠(ねずみ)」については 1/9 理+国:「ネズ(杜松)」は「ネズミ(鼠)」を刺しますか? ~「ネズ」と「ネズミサシ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「圧縮(あっしゅく)」については 1/23 情+生他:「データ」も「布団(ふとん)」も「圧縮(あっしゅく)」できる! ~色んな「圧縮(あっしゅく)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:「燃焼(ねんしょう)」については 12/31 理科:酸素(さんそ)さんの本気! ~酸化(さんか)・燃焼(ねんしょう)・爆発(ばくはつ)!?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:「scramble(スクランブル)」については 7/3 生+英他:「卵(たまご)」は「緊急発進(きんきゅうはっしん)」しますか? ~「スクランブルエッグ」と「scramble(スクランブル)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:フランスでは「カトル・カール(Quatre-Quarts)」ともいうケーキ「パウンドケーキ」については 2/13 英+家:みんな大好き「約0.453 kgケーキ」!? ~「パウンドケーキ」と重さの「ポンド」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。