国語+社会+理科の話ー。
「人間はパーツの集まりに過ぎない…!」的な話ではありません。
「焼き手(やきて)」、「人足(にんそく)」、「人口(じんこう)」など、
体*1の「部位(ぶい)」*2を使って、人を表す言葉についての話です。
思いつきなのでちょっと雑かもですが。
前置き。
今日はひな祭りですが、ちょっと関係ない話を。
昨日の「板前(いたまえ)」の話と、ちょっと似たような話なのですが。
※
今日、お昼のテレビを見ていると、
料理店の話の中で、「焼き手(やきて)」という用語が出てきました。
この場合は、料理店で「(焼き鳥とかを)焼く人」のことですね。
で、今までは自然にそれらの言葉を聞いていましたが、
よく考えてみると「焼き手」という言葉には「人」ではなく「手」…、
つまり体の部位である「手(て)」が使われていますね。
でも意味が表しているのは「人」であり、「手」そのものではない感じです。、
似た言葉で「作り手(つくりて)」という場合も「作る手」ではなく、
「作る人」を指している感じですしね。
このように「体の部位」で人を表すケースは、他にもある気がします。
「人」の代わりに使う場合もあれば、
「人」の字を使っていても、「人口」など部位名で終わる場合もありますね。
例えばパッと思いつくだけでも、
・人足(にんそく)…荷物を運ぶなどする労働者。「人の足(あし)」ではなく、人を指す言葉。
・人口(じんこう)…「人数(にんずう)」と似た意味。「人の口(くち)」ではなく。人の数を指す言葉。
・頭数(あたまかず)…「人数」と似た意味。単純な「頭(あたま)」の数ではなく、人の数を指す言葉。
・人頭税(にんとうぜい)…一人一人にかかる税。「頭」にだけかかる税というわけではない。
…などが当てはまる気がします。
筆者も昔から知っている言葉なので、深く考えずに来ましたが。
日本語を習っている人にとっては、区別はなかなか難しそうですね。
例えば「人口」などを「ひとくち」って読み、「人の口のこと」って思いそうです。
もしそういう方が、
「作り手」も「人足」も「人口」も、部位じゃなくて「人」を指す…と聞いたら、
「日本では『人』は『手』で『足』で『口』ですか…!?」なんて思うかもですね。
※
まあ、上に書いたのは例えや慣用表現であり、
説明が足りないとか間違っている、と言いたいわけではありません。
むしろ(日本の)人が何を重要視しているか、イメージが伝わってくる気がして面白いですね。
(例えば部位で言うと他にも「耳」*3や「爪」などもありますが、それらは上記のようにはあまり使われない気もします)
今回は日本語で考えてみましたが、
英語や外国語にも、似たような表現があるかもですね。
英語の辞書などを調べる時に、「部位」関係なども一緒に調べてみると、
その言語の考え方が見えてきたりして、面白いかも?
まあそんな感じで~。
追記
上では人を指す「~~手」の話をしましたが、
当然「利き手(ききて)」など、普通に「手」を指す言葉もあります。
しかしそれも「聞き手(ききて)」という、人を指す同音異義語があるので、
よく考えると中々ややこしいかもしれませんね。
追記2
ちなみにファンタジーなどでは、部位の数が人と異なる生物も多かったりします。
例えば現代での「頭数(あたまかず)」は「頭が1人1つ」というイメージに基づく気もしますが、
ファンタジーでは3つ首の魔犬「ケルベロス」や、たくさん首のある「ヒドラ/ヒュドラ」という竜もいたりします。
単純な「頭の数」だと「ケルベロスは頭が3つあるから、頭数+3だな!」となりそうですが、
それは現代で言う「頭数(人数)」とは違う意味になりますね。
また逆に、ファンタジー小説などでは人間にない「部位」を使った言葉・ことわざもある気がします。
例えば獣人(じゅうじん)…獣と人間が混ざったような種族では、
「角(つの)」や「牙(きば)」、「尾(お)」を使った言葉もあったりしますね。
そういうのも世界観の「らしさ」が伝わってきて、面白い感じがします。
*1:「体(からだ)」については 7/10 英+体:「体(からだ)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「部位(ぶい)」や「手(て)」については 3/4 体+諸外他:「手(て)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「耳(みみ)」については 7/15 理+諸外他:「耳(みみ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。