生活+社会+国語の話ー。
「1皿のお惣菜が、日本の歴史を変えた…!」的な話ではありません。
スーパーなどでも売っている「惣菜(そうざい)」と、
中世日本にあった村の共同体、「惣(そう)/惣村(そうそん)」の話を。
前置き。
昨日は「おかず」*1について書きましたが、
その流れで似た語の「惣菜(そうざい)」が気になったので、調べてみました。
※
まず「惣菜(そうざい)」とは、ご飯と一緒に食べる料理ですね。
Wikipediaによれば、昨日調べた「おかず」と一緒の物らしく、
あとは「総菜(そうざい)」、「副食(ふくしょく)」などと呼ばれたりもするようです。
「お惣菜」の語は現代でもよく聞く印象で、
例えばスーパー等で「お惣菜(おそうざい)コーナー」があったりします。
なので、文字を見る以上にその響きは聞き慣れているかもしれません。
そんな身近な「惣菜」ですが、
ふと「この『惣』の字、どこかで見たことがあるな…」と思いまして。
調べてみたら、学校の日本史で習った「惣(そう)/惣村(そうそん)」というものでした。
この「惣(そう)/惣村(そうそん)」というのは、
Wikipediaによれば、中世日本での百姓(ひゃくしょう)の自治的(じちてき)な組織(そしき)…集まり、みたいな感じらしいです。
また「惣」の由来は「その範囲内に住む惣て(すべて)の構成員により形成されていたこと」らしいので、
ざっくり「お百姓さんがみんな、がっちり協力した村」と言えるかもしれません。
「惣」では村を自分たちで守ったり、年貢(ねんぐ)*2の管理をしてたり、色々やっていたようですね。
そのためか、この「惣」には色々関連用語がありまして。
手元の日本史用語集には、「惣百姓(そうびゃくしょう)」や「惣掟(そうおきて)」などの語が載っていました。
その流れで上記の「惣菜(そうざい)」の語を見ると、
ちょっと「あれ、『惣菜』は日本史に出てたっけ…?」って気分になりそうですね。
惣百姓!惣掟!惣菜!
※
まあ、手元の漢和辞典によれば、
漢字としての「惣」は「すべて」、「おおよそ」という意味があるらしいです。
なので「惣菜」の方は「色んな(おおよその)おかず」という感じかと思われ、
中世の「惣/惣村」と特に関係はなさそうですが。
ですが、学校で習う「惣/惣村」などと、
割と身近な「惣菜」の字が共通しているのは、ちょっと面白いですね。
なので、今度あなたが中世日本について勉強することがあれば。
「惣(そう)/惣村(そうそん)」の「惣」の字から、
おいしい「惣菜(そうざい)」も想像してみると、ちょっと楽しいかも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・惣菜(そうざい):
関連用語:「弁当(べんとう)」*3、「ふりかけ(振り掛け)」*4
*1:「おかず」については 5/10 生+国他:日本(にほん)では「数(かず)」を食べますか? ~食事の「おかず(御数)」と「数」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「年貢(ねんぐ)」については 9/7 音+英他:この「アルバム」は「年貢(ねんぐ)」の一種(いっしゅ)ですか? ~「トリビュート・アルバム」と「tribute(トリビュート)/年貢」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「弁当(べんとう)」については 4/10 生+中他:「弁当(べんとう)」といえば「簡単(かんたん)」ですか? ~「簡便(かんべん)」と「便當」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「ふりかけ(振り掛け)」については 5/3 生+英他:「ふりかけ」に「スプリンクラー」は使いますか? ~「sprinle(スプリンクル)/ふりかける」や「ふりかけ用容器」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。