音楽*1+歴史+理科の話ー。
音*2のメカニズムに関わる話でもあるので、理科ジャンルも。
レコード*3を再生する機械である、
「蓄音機(ちくおんき)」というものについての話です。
前置き。
昨日はブログで音楽を聴く「レコード」について書いたので、
今日はそれを再生する機械である「蓄音機(ちくおんき)」について話を。
上記のように、「蓄音機(ちくおんき)」はレコ-ドを再生する機械です。
「レコードプレーヤー」という呼び名もあります。
外見は、レコードを置いて回すターンテーブルに、大きなスピーカーがついた感じですね。
原理は、回るレコード表面の凹凸(おうとつ)を針で読み取って、その情報を音にして増幅し、スピーカーから流す、という感じです。
なのでレコードを替えれば違う曲が聞けるという感じですね。逆に言えば替えなければ曲はそのままです。
(ここら辺は「CD」*4や「DVD」などと扱い方は似ています)
「蓄音機」は歴史の資料集や昔のドラマなどで出たりもするので、見たことがある方もおられるかもしれません。
で、ここで、ちょっと疑問の確認を。
「蓄(ちく)」という字には、「ためる(溜める、貯める)」という意味があります。
例えば「蓄積(ちくせき)」とは、何かが溜まったり積もったりすることですし、
「貯蓄(ちょちく)」というと、お金とかを貯めたものですね。
で、その流れで言うと、「蓄音機」はおかしくないか?と思いまして。
どちらかというと蓄音機はレコードを再生する物ですし、また「蓄音機」の中自体に音楽が入っているわけでもないですし…。
なぜ「蓄」の字を使っているのか。
と、気になったので調べてみると、答えはありました。
Wikipediaによれば、「蓄音機」の字は本来「音を録音する機械」を指すらしいです。
で、1857年、フランス人「エドゥアール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィル」氏が発明した「フォノトグラフ」が、音を記憶する装置の最古のものだそうで。
ただこれ、再生用ではなく、音の揺れや強弱*5を地震計みたいに記録するものだったみたいですね。
つまり音の様子を図にはできるけど、それっきりと。
それを、発明で有名な「エジソン」*6などの方々が改良し、レコードやその再生機械ができたということです。
そして日本ではこの再生機械の方を「蓄音機」と呼んでいるみたいですね。
なのでまとめると、
①「蓄音機」の字は本来「音を録音する機械」を指す
②でも日本では、その後の「再生機械」の方を、まとめて蓄音機と呼んでいる
という感じですかね。
まあ最初の「フォノトグラフ」も音を記録してはいるので、ある意味「録音機」で「(音のデータの)蓄音機」かもしれません。再生はできませんが。
※
今からするとレコードや蓄音機は古く、不便にも見えますが、
当時としては録音した音が聞けるだけでもびっくりだったでしょうね。
それがだんだん進化して音は綺麗に、機械はコンパクト*7になっていき、
今のCDやLD(レーザーディスク),DVD、音楽プレーヤーや音楽配信サービスにつながっていくと。
なのでもし「蓄音機」がなければ、今の音楽機械は大体存在しないかもしれません。
上でも見たように、蓄音機の中に「音」が蓄積しているわけではありませんが。
「蓄音機」は後の「音楽」の「蓄積」を、助けてくれたといえるかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「蓄電器(ちくでんき)」や「蓄電池(ちくでんち)」といったものもあります。
「蓄電器(ちくでんき)」は英語で「condenser(コンデンサー)」と呼ばれるみたいですね。
日本にも「コンデンサ」というカタカナ用語があるので、こちらの方が有名かもしれません。
「蓄電池(ちくでんち)」はいわゆる「充電(じゅうでん)*8のできる電池」であり、「二次電池(にじでんち)」とも呼ばれるものですね。
追記2
録音(ろくおん)の技術は便利ですが、それによって失われるものもあります。
例えばそれまで声や音というものが、その時その時にしか聞けない「一回限り」のものだったとすれば。
録音技術や蓄音機の発明によって、音の「一回性(いっかいせい)」というものが失われるようになっていった、ともいえるでしょう。
物のレアリティ*9…希少価値(きしょうかち)は、物の量が増えると減っていきますので、
つまり録音技術の発明によって「音楽からある種のレアリティが失われた」と見ることもできます。
もちろん悪いことばかりではないのですが。
「冷凍保存(れいとうほぞん)」技術などもそうですが、
このあたりの「いつでも○○できる」技術は、「時を殺す」行為と言われることもあります。
これができると人間は季節(きせつ)や時間の流れにどんどんこだわらなくてもいいので、
例えるなら人間が、「時間に支配される」側から「時間を支配する」側になっていくと言えるかもしれません。
…これは、それまでの世界や自然の時間の流れを大事にする人からは「非人間的」と見えるかもですが、
逆に文明や進歩に人間らしさを感じる方は、「人間的」な進歩、だと見るかもしれません。
このあたりの人間の変化、価値観や世界観の変化、またせめぎあいは興味深いかと思うので、興味がある方は調べてみるのもいいかもしれません。
追記3 (※ちょっと怖い話)
追記2で書いた「一回性のレアリティ」についてはこんな想像もできるかもしれません。
我々は「一度死んだら終わり」と思って、気を付けて生きているところもあるかと思いますが、
もし我々が不老不死…というか、死んでも何度でも「再生」できるになったとしたら、
もうそれまでのように、人生を丁寧には生きなくなるかもしれませんね。
自分が死んでもいいや、相手を殺してもいいや、だって「すぐに生き返るし」、という風に。
ここではもう、「人生は一回限りだから大事にしなきゃ」というレアリティは、崩れているわけですね。
そのあたりに関しては色んな見方がありえますが、参考にマンガの『亜人』を読んでも面白いかもしれません。かなりグロいので注意が必要ですが。
◆用語集
・蓄音機(ちくおんき):
ざっくり言うとレコードを再生する装置。
アメリカ英語では「Phonograph(フォノグラフ)」、イギリス英語では「Gramophone(グラモフォン)」。
日本では「福井県立こども歴史文化館」に、世界有数の蓄音機ギャラリーがあるらしい。
関連用語:「レコード」、「RAM(ラム)」*10、「回路(かいろ)」*11、「カセットテープ」*12、「ラジカセ」、「音楽アルバム」*13、「アルバム」、「スピーカー」*14、「拡声器(かくせいき)」、「scratch(スクラッチ)」*15、「ソノシート」*16
・コンデンサ/キャパシタ:
Wikipediaによれば「電荷(でんか)」(静電エネルギー)を蓄えたり、放出したりする受動素子(じゅどうそし)*17のこと。…難しい。
英語では「capacitor(キャパシター)」。
漢字では「蓄電器(ちくでんき)」とも。
Wikipediaによれば「コンデンサ」という名前は電気の性質がまだ分かり切っていないころ、「濃縮(のうしゅく)」*18というイメージからつけられた名前であり、「キャパシタ」の方が性質を良く表しているようだ。
ちなみに英語「コンデンサ(condenser)」と言った場合は、「熱機関(ねつきかん)」における復水器(ふくすいき)などを指すことがほとんどらしい。
関連用語:「整流器(せいりゅうき)/コンバーター」、「インバーター」、「半導体(はんどうたい)」*19
・レーザーディスク(Laser Disk、LD)/:
Wikipediaによれば、直径30cmのディスクに両面で最大2時間の映像を記録できる光ディスク規格。
ざっくり言うと大きなCDやDVDみたいな感じ。
大昔(筆者のまだ若いころ)は音楽室に置いてあったイメージだが、今はもう作られていないようだ。
関連用語:「レーザー」*20、「教材(きょうざい)」*21、「学習材(がくしゅうざい)」
*1:「音楽(おんがく)」については 12/5 英語:ミュージック(music)の由来とギリシャ神話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「音(おと)」については 4/20 英語:語群翻訳(ごぐんほんやく) ~あなたが一番伝えたいこと~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「レコード」については 6/24 音+英:音楽の「レーベル」と「レコード」の関係! ~再生される黒い円盤~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「CD(シーディー)」については 6/21 音+英:「DJ(ディージェイ)」と「ディスク」と「レコード」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「強弱(きょうじゃく)」については 10/16 英+こころ他:「ストレス」も役(やく)に立ちますか? ~「stress(ストレス)/強調(きょうちょう)、強弱(きょうじゃく)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「エジソン」や「コンバーター」や「インバーター」については 9/10 理+社:この電気は「直流(ちょくりゅう)」?「交流(こうりゅう)」? ~「電流(でんりゅう)」の種類の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「コンパクト(compact)」については 12/15 社+英他:「コンパクト」と言ったら「契約(けいやく)」ですか? ~二つの「compact(コンパクト)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「充電(じゅうでん)」や「二次電池(にじでんち)」については 11/9 英+理:スマホなどの「充電(じゅうでん)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「レアリティ」については 12/8 数→英・社:「比(ひ)」の話って意外と面白いかも - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「RAM(ラム)」については 2/11 英語:色んな「ラム」の話 ~羊肉、お酒、船の武装~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「回路(かいろ)」については 12/31 理科:回路(かいろ)/「開く」と「止まり」、「閉じる」と「流れる」ものなーんだ? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「カセットテープ」や「ラジカセ」については 9/5 歴+英他:「カセット(cassette)」は「小さな箱(はこ)」ですか? ~「カセット」や「カセットテープ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「音楽アルバム」、「アルバム」については 9/7 音+英他:この「アルバム」は「年貢(ねんぐ)」の一種(いっしゅ)ですか? ~「トリビュート・アルバム」と「tribute(トリビュート)/年貢」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「スピーカー」や「拡声器(かくせいき)」については 9/21 音+英他:「スピーカー」は「うるさい」ものですか? ~「スピーカー/loudspeaker(ラウドスピーカー)」と「loud(ラウド)/うるさい」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:英語の「scratch(スクラッチ)」については 11/21 音+英他:「ネコ」は「DJ(ディージェイ)」になれますか? ~「scratch(スクラッチ)/引っかく」と、DJの「スクラッチ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:とても薄いレコード的な録音機器「ソノシート」については 3/6 音+社他:「そのシート」で「音楽(おんがく)」は聴けますか? ~薄いレコード、「ソノシート」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「受動素子(じゅどうそし)」や「水晶振動子(すいしょうしんどうし)」については8/21 理+英:「コンピューター」に「水晶(すいしょう)」は使いますか? ~「水晶振動子(すいしょうしんどうし)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:「濃縮(のうしゅく)」については 10/4 英+学:「集中(しゅうちゅう)」と「ジュース」の関係!? ~「concentrate(コンセントレイト)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:「半導体(はんどうたい)」については 12/14 理+英:「半導体(はんどうたい)」は「旅行(りょこう)」についてきますか? ~「conductor(コンダクター)」と「ツアコン」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:「レーザー」については 10/3 理+英:「レーザー」と「ビーム」についてメモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*21:何かを教えるときに使うもの「教材(きょうざい)」、また「学習材(がくしゅうざい)」については 1/31 学+英他:「教材(きょうざい)」も「マテリアル」の一つですか? ~「teaching materials(ティーチング・マテリアルズ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。