理科+国語の話―。
名前が途中で変えられたらしい植物、「葦(アシ/ヨシ)」と、
読みが色々ある関連語、「葦毛(あしげ)」や「葦切(よしきり)」などの話を。
前置き。
今日は4月4日…4(よ)4(し)の日ということで。、
「ヨシ」と呼ばれたりもする植物、「葦(アシ)」の話を。
※
ます「葦(アシ/あし)」とは、植物の一種の名前ですね。
Wikipediaによれば「イネ科ヨシ属の多年草(たねんそう)」で、
外見は細長く、国語辞典によれば「ススキ(薄)」に似ているとされるようです。
(ちなみにWikipediaによれば、他にも「芦」、「蘆」、「葭」と書くようです)
で、上で「イネ科ヨシ属」とサラッと書いたように、
「アシ(葦)」は「ヨシ(葦)」とも呼ばれたりします。
(※名前について詳しくは、後の「追記」で)
国語辞典等によれば、昔、「アシ」は「悪し(あし)」…悪いことにつながるとされ、
名前が「良し(よし)」につながる「ヨシ」に変えられたようですね。
さて、そんな訳で「アシ(葦)」と「ヨシ(葦)」は色々ややこしいのですが。
それらの関連語は、ある意味さらにややこしかったりします。
というのも、「アシ」読みと「ヨシ」読みがそれぞれあるからですね。
例えば「葦」という漢字に関する物だけでも、
手元の国語辞典では色々載っていました。
・「葦(アシ)」読み
「葦毛(あしげ)/芦毛」… 馬の灰色っぽい毛。
「葦原(あしはら)」… アシの生えている場所。(※ただしWikipediaでは「ヨシ原」読みがメイン)
・「葦(ヨシ)」読み
「葦切(よしきり)」や「葦五位(よしごい)」…それぞれ鳥の名前。
「葦簀(よしず)」…ヨシ(アシ)で編んだ「すだれ(簾)」。
…などという感じですね。
もちろん熟語では「音読み(おんよみ)」や「訓読み(くんよみ)」があるので、
読みが変わる、いうのはよくあることですが。
(例:「火」について「火力(かりょく)」と「下火(したび)」があるなど)
でもそれらとも違い、「アシ→ヨシ」とわざと名前を変更したことで、
熟語の読みも色々発生している…というケースはなかなか珍しい気もしますね。興味深いです。
なので、もし誰かに、
「この『葦』はどう読みますか?」と質問されたら。
「熟語によって違いますね…」とか「それぞれ覚えるしかないです…」というのが答えになりそうですね。
「アシ→ヨシ」読み替えの話を考えると「時代(じだい)」によっても違うかもなので、さらに難しそうです。
※
さて、2つ読みがあるとややこしいので、
「どちらかにまとめたい…」という気がするかもですが。
でも筆者としては、それぞれ聞き慣れてしまっているので、
例えば馬の「葦毛(あしげ)/芦毛」を「よしげ」、
鳥の「葦切(よしきり)」を「あしきり」と言い換えると、違和感(いわかん)がある気もしますね。
そういう意味では、言葉としての正解…「良し悪し(よしあし)」とは別に、
「その人にとっての『良し』・『悪し』」が、それぞれあったりするのかも?
(あるいは良し悪しまで行かずとも、聞き慣れた言葉として、「私にとっては○○」みたいな)
なので、例えば誰かと「葦(あし、よし)」の呼び名が違ったりしても。
どちらが「悪し(あし)/間違い」と決めてしまうのでなく、
「それぞれで『良し(よし)』!」なんて思ってみるのも、楽しいかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「葦」についてWikipediaによれば、
今は和名(わめい)は「ヨシ(葦)」の方らしく、
学名(がくめい)もそちら…と書いてあったのですが。
ただ、その割に今でも「アシ(葦)」の名前でもよく聞きますし、
手元の国語辞典などでは「葦(アシ)」がメインでしたので、
とりあえず当記事では「アシ」をメインにさせて頂いております。
◆用語集(※編集上の都合により、一部過去記事より移転)
・葦(アシ/あし、ヨシ/よし):
英語では「reed(リード)」など。
ちなみに葦の芽(め)については「葦牙(あしかび)」という言葉もある。
「葦」に関しては哲学者「パスカル」の「人間は考える葦である」という言葉も有名。
また『百人一首』では「夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く」などの歌も有名。
ちなみに『日本書紀』によれば「葦原中国(あしはらのなかつくに)」というものがあり、これは現世(げんせ)…この世を指すとされる。
関連用語:「蒲(がま)」*1【植物】
・芦毛(あしげ)/葦毛【馬など】:
ちなみに競走馬には「芦毛」で有名な馬も結構いるようだ。
筆者が割と知っている馬だけでも多く、例えば「タマモクロス」や「オグリキャップ」、「メジロマックイーン」、「ビワハヤヒデ」、「セイウンスカイ」、「ヒシミラクル」、「カレンチャン」、「ゴールドシップ」などの馬がいたりする。
・reed(リード):
ちなみに楽器(がっき)に用いられる部分として「リード」というものもあるようだ。
関連用語:「蒲(がま)/reed mace(リード・メイス)」【植物】
・リード【楽器】:
*1:英語では「reed mace(リード・メイス)」ともいうらしい、植物の「蒲(がま)」については 9/16 理+英:「蒲(がま)」は「尻尾(しっぽ)」で「メイス」ですか? ~「cattail」と「reed mace」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。