国語の話ー。変なタイトルでお送りしております。
「理想(りそう)」*1についての話です。
「現実の理想と物語*2の理想ってちょっと違うよね~」って話。
以下では具体的には「有能過ぎる先輩キャラ作ると、話が作りにくい」の話をするのですが。
過去記事「トムに弱点を追加します」*3の発展形です。
物語の話なので特にオチはないです。悪しからず。
マンガとか読んでいると、先輩や警察のキャラに突っ込みたくなることがあります。
「こんなに性格悪かったらこの仕事務まらんだろう」とか、
「いや、こんなには無能じゃないだろう」とか。
でも逆に、先輩とか組織が有能過ぎると、それはそれで困ったことも起こります。
それは「主人公の入る余地がなくなる」ってことです。
例えば、現代の妖怪ものとか超能力事件ものですと。
基本、警察は「妖怪ィ?超能力?何を言っとるんだね君は!」みたいな反応をするので、
主人公が「警察は頼れない、僕が何とかしなきゃ……!」と決意する流れがある訳ですが。
そこで警察が「犯人は妖怪……?可能性はあるな」と柔軟に対応してくれちゃうと、
「相手が妖怪なら余計に危ない。君は証言だけして早く帰るんだ」「一応護衛も付けよう」みたいなことになって、
「あ、後は警察に任せとけばいいや……。すごい安心感」と主人公が動かなくなってしまいます。
下手するとあとは全部警察サイドの物語。「最初から主人公は警察にしとけよ!」みたいな。
だから「未熟な主人公の成長物語」を演出したい時には、「先にある組織・人」の扱いが重要ってことですね。
ファンタジー*4RPG*5でもずらっと並んだ軍隊とか見てると、
「こんだけ人集まって魔王倒せないのかよ」「ていうか勇者一人に任せんな!」とか思ったりもしますが、
だからといって軍隊*6が後ろついてきても困りますし(シミュレーションゲームになってしまう)
先輩の戦士とかが有能過ぎて「あ、その魔王倒しといたから」と言われるとそれはそれで困ります。
物語が始まりません。
現実では「理想の先輩・組織」と言うと有能な人物になりますが、
物語での「理想の先輩」というとちょっと違う訳ですね。
「有能でも隙のある人物」「むしろ無能な人物」「トラブルを起こしてイベントを起こす人物」の方が、
物語では「理想」ということになるのかもしれません。
まあそんな感じで~。
◆用語集
・先輩(せんぱい):先にいる人。学園モノとかだとやたら主人公にケンカを吹っかけてきたりする。
あとゲームとかであまりにも性格が悪いと「この国、守る価値あるのか?」と疑問になってしまうので注意。
有能かはさておいて、主人公に親切にしてくれるとゲームへの感情移入もしやすい。
でもあまりに感情移入しすぎると、「ここは俺に任せて早く逃げろ!」イベントの時にすごく辛い思いをする危険もある。
・警察(けいさつ):英語で言う「police」。犯罪を取り締まり、平和を守る組織。
なのだが、小説とかだとやたら無能だったり腐ってたりする。
そして有能な警察官は大体死んでしまったりする。何てことだ。
・あ、その魔王倒しといたから:どや顔で言われるとイラッと来そう。
逆に「敵が有能」でもそれは困ったことになる。
ネタであるのが「勇者が幼いころに魔王が攻めてきて始末しちゃった」パターン。
魔王さん大人げないっすよ!それは!
*1:「理想(りそう)」については 4/2 学習:「理想(りそう)」の学校を考える ~だらっと~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「物語(ものがたり)」については 12/18 英語:名詞(めいし)/物語(ものがたり)を始めるもの - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:3/15 国語:トムに弱点を追加します ~物語を動かすもの~ - のっぽさんの勉強メモ
*4:「ファンタジー」については 12/16 英語:鑑定(かんてい)だー!単語をよこせ! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「RPG」については 3/14 こころの話:人生(じんせい)/君と道を行くRPG - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「軍隊(ぐんたい)」については 5/1 社会:「軍隊(ぐんたい)」に関しての二つの立場(ざっくり) - のっぽさんの勉強メモ を参照。