歴史の話ー。
平安・鎌倉時代*1の「踊念仏(おどりねんぶつ)」についての話です。
「念仏(ねんぶつ)」というのは仏教(ぶっきょう)*2の言葉で「(救われるために)仏さまに祈ること」であり、
あるいは、そのために唱える言葉のことですね。
鎌倉時代には仏教の中でもいろんな宗派が生まれ
「鎌倉新仏教(かまくらしんぶっきょう)」とも呼ばれていますが。
その中での「時宗(じしゅう)」の「一遍(いっぺん)」というお坊さんは
「踊念仏(おどりねんぶつ)」というスタイルで知られています。
(まあ踊念仏の起源は、Wikipediaで調べたらどうも平安時代の僧「空也(くうや)」さんで、
一遍さんはそれに倣ったそうらしいですが)
ともあれ、踊念仏というのはその名の通り、踊り*3ながら念仏を唱えるものらしいです。
鉦(かね)を鳴らし、足を踏み鳴らしながら念仏を唱えると。
そうしながら全国を遊行(ゆぎょう)、つまり練り歩いて布教していたらしいです。
そのことから「遊行上人(ゆぎょうしょうにん)」とも呼ばれているようです。
(「上人(しょうにん)」というのはえらいお坊さんに対しての呼び名ですね)
手元の資料集『新詳日本史』p.111*4にも、一遍さんが弟子たちと一緒に踊っている様子の絵が載っているのですが……
建物の2階でやっていることもあってミュージカルとか舞台感がすごいですこれ。
というか「踏み鳴らす」という行動によって一気にタップダンス感が……いや見たことないので何とも言えませんが。
まあ念仏とか仏教のいろんな事って難しいところもありますからね。
そこら辺を分かりやすく教えようとしたのだと思われます。あと魅力的な感じに。
宗教ではよく踊りを交えたりするので、そういう意味では流れの中ですが。
今でいう「歌って覚える英語」とか「踊って覚える社会科」みたいな感じもします。
(過去記事で紹介した「エグスプロージョン」*5さんみたいな)
そういう意味では、昔のいろんな人の行動にも、
日々の勉強のヒントが隠されているのかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
これはただの妄想ですが。
他に踊念仏をするライバルがいて、二人が町で出会ったら、
ダンスバトルならぬ「踊念仏バトル」が始まりそうですね!(マンガ脳)
◆用語集 (人名敬称略)
・一遍(いっぺん):
「一遍上人(いっぺんしょうにん)」「捨聖(すてひじり)」とも呼ばれる。
(この「捨(すて)」という字が筆者の中二病センス的には逆に格好良い感じ)
彼をモデルにした映画『一遍上人』もあるらしい。
「一遍上人」役はなんとお笑いコンビ「キャイーン」の「ウド鈴木」さん。
・空也(くうや):
「空也上人(くうやしょうにん)」「阿弥陀聖(あみだひじり)」、「市聖(いちのひじり)」とも呼ばれる。
彫像の「空也上人像(くうやしょうにんぞう)」は、口から小さな仏様(阿弥陀如来)が6体出ているというインパクトある構成。
これは「南無阿弥陀仏」という6字を表しているらしい。
調べていたらこの像のミニフィギュアが販売されていることも発覚。気になる方は調べてみるといいかもしれない。
*1:「鎌倉時代(かまくらじだい)」については 2/26 歴史:謎めく歴史の魅力~二人に一体何があったんだ!?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「仏教(ぶっきょう)」については 12/17 社会:水と宗教の話(ざっくり仮説) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「踊り(おどり)」については 8/25 歴史:ザ・ダンサーズ ~アメノウズメ、出雲阿国(いずものおくに)、そして巫女~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:『一遍上人伝絵巻 巻第七』からの画像のようです。現在東京国立博物館に所蔵されているようです
*5:「エグスプロージョン」については 2/23 歴史:さかのぼる練習/ペリー来航←蒸気機関←産業革命 - のっぽさんの勉強メモ を参照。