歴史+ゲームの話ー。
今日は「敬老の日」*1ですが、敬老の日については以前書いたので別のネタを。
ホラー*2映画によく出る怪物「ゾンビ」*3と、
その語源の一部「ブードゥー教」の話です。
※内容はホラーよりなので注意。
前置き。
「ゾンビ」というと知っている方も多いかと思いますが、
ホラー映画やゲームでは「歩き回る死人」として出てくる怪物ですね。
よく「生きた人間の肉を求める」とか、
「ゾンビに噛まれると自分もゾンビになってしまう」という設定も多いですが。
ただ「ゾンビ」も、元々こういう存在であったわけではないそうです。
ゾンビは元々は「ハイチ」(中央アメリカ、カリブ海*4の国)の「ブードゥー教」という宗教(あるいは民間信仰)の言葉であり、
(Wikipediaによればさらにこのルーツは「ヴォドゥン」)
さらに元を辿ればアフリカ「コンゴ」の「ンザンビ(Nzambi))」という神様に由来するそうです。
でもなんか「不思議な力」はみんな「ンザンビ」と呼ばれていたそうで、
これがコンゴ出身の奴隷たちによって「ゾンビ」と呼ばれるようになり、
それがさらに誤解されて今の「ゾンビ」像ができた、という感じですね。
つまりゾンビはもともと「神様」(の名前)だった…!
と考えるとなかなかすごいものがありますね。
まあ日本でも死んだら「鬼(おに)」*5(「鬼籍に入る」)や「神(かみ)」*6や「仏(ほとけ)」と呼ばれたりするので、
そういう意味ではけっこうあることなのかもしれませんが。
ホラー映画などで、「ゾンビ」が人間を襲ったりしている様子を見ると、
「ンザンビ(神さま)」を知るコンゴの人は、なかなかな気持ちになるのかもしれません。
まあそんな感じで~。
追記
「ブードゥー教」には死体を蘇らせる、という呪術(じゅじゅつ)*7、があるらしいのですが、
それだけでなく生きた人間に薬や術を使い、ゾンビ状態にして働かせた、という話もあるようです。
(この薬はいわゆる「ゾンビ・パウダー」とも呼ばれています)
ここら辺のイメージも「動く死体」であるゾンビに繋がっていると思われます。
ただこれらの話を否定する説もあるようで、実際にはどこら辺までをやっていたのか、というのは正確には分かりません。要追加調査ですね。
◆用語集
・ブードゥー教:
宗教というよりは民間信仰らしい。
Wikipediaによれば主に「ハイチ」で発展し、逃亡奴隷(マルーン)の一人だった「フランソワ・マッカンダル」という人物が発展させたらしい。
ちなみにアメリカのマクドネル社*8の戦闘機「F-101」のニックネームは「ブードゥー」だったりする。
関連用語:「ネクロマンサー」*9
・「ゾンビ・パウダー」:
関連用語:「粉(こな)」*10
・「F-101」(戦闘機)(Voodoo):
アメリカ・「マクドネル社」の戦闘機。
生産開始は1957~。現在は退役。
・コンゴ:
中部アフリカの地域。現在3つの国に分かれているらしい。
すなわち「コンゴ共和国」「 コンゴ民主共和国」「カビンダ」の3つ。
1395年ごろから1914年まで、コンゴ王国が反映していたが、
15世紀にヨーロッパの列強諸国、つまり強い国が植民地化し、分割していった。
・ コンゴ共和国 :
中部アフリカにある国。
首都は「ブラザヴィル」。
Wikipediaによれば東に「コンゴ民主共和国」、北に「カメルーン」*11と「中央アフリカ」、西に「ガボン」、南に「アンゴラ」の飛地「カビンダ」と国境を接しているとのこと。
・ コンゴ民主共和国 :
中部アフリカにある国。
昔は「ザイール」と呼ばれていた。
首都は「キンシャサ」。
・カビンダ:
中部アフリカにある、「アンゴラ共和国」の飛び地。州都は「カビンダ」。
・「フランソワ・マッカンダル」(François Mackandal):? -1758。
ハイチの「マルーン」(逃亡奴隷)の指導者の一人。
マルーンとは現地の「プランテーション」*12から逃げた奴隷のこと。
Wikipediaによればマッカンダルはブードゥー教の司祭、「ウンガン (houngan)」であったらしい。
また彼は仲間とともにゲリラ活動を行い、6000人ほどの白人を殺害したとのこと。
ちなみに彼の顔はハイチの硬貨の一つにも刻まれている。
・ハイチ:
中央アメリカの島国の一つ。カリブ海の島の一つでもある。
Wikipediaによれば「中央アメリカ」の「西インド諸島」の「大アンティル諸島」内の「イスパニョーラ島」西部に位置する、とのことだが、知らない人にとっては少し複雑かもしれない。
首都は「ポルトープランス」。
ドミニカ共和国と国境を接し、海を挟んでキューバやジャマイカ*13などの国が隣にある。
フランスの植民地だったが、1804年に独立(ハイチ革命)。世界初の黒人による共和制国家であるとのこと。
ちなみにフランスの植民地の前はスペインによって支配されていた。
関連国名:「コスタリカ」*14
・ポルトープランス(ハイチ語:Pòtoprens):
ハイチの首都。
フランス語で「王子の港」を意味するらしい。フランス植民地時代の名残と考えられる。
・ハイチ革命:
1791年 - 1804年に起きたハイチ独立のための革命。
この時ハイチはフランス領であり、「サン=ドマング」という名前だった。
Wikipediaによれば1789年当時、この土地は世界の砂糖の40%を生産していたらしい。すごい話である。逆に言えば、それほど土地や人に無理させていた、ということかもしれない。
この革命については「トゥーサン・ルーヴェルチュール」という人物や「ジャン=ジャック・デサリーヌ」がハイチ建国の父とされているとのこと。2人の顔はハイチのお札にも印刷されているようだ。
*1:「敬老の日」については 9/14 英+生:「家族(かぞく)」についての英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「ホラー」については 7/18 国+ゲーム:3行でホラーを作るゲーム!? ~「3行ホラーメイカー」!~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「ゾンビ」については 4/20 数学:速度(そくど)/ゲーム:スティーブ・イン・ゾンビシティ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「カリブ海」については 5/29 歴史:海賊(かいぞく)/一つのナンパが歴史を動かす!? ~女海賊アンとメアリー~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「鬼(おに)」については 5/25 英+歴:「聖霊(せいれい)」と死者、鬼と人 ~色んなゴースト~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「神(かみ)」については 3/3 国語:運命(うんめい)、神(かみ)、そして社会(しゃかい) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「呪術(じゅじゅつ)」については 5/6 社+国:「拍手(かしわで)」は「柏手」じゃない!? ~「拍手(かしわで、はくしゅ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「マクドネル社」については 12/9 英語:色んな「phantom(ファントム)」 ~怪人、自動車、戦闘機~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「死霊術師(しりょうじゅつし)」こと「ネクロマンサー」については 7/14 数+ゲーム:『シャドウバース』で確率を考える! ~投入カード枚数と初期手札編~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「粉(こな)」については 5/7 生+国:「きなこ」を漢字で書けますか? ~「黄粉」、「黄な粉」、「黄なる粉」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「カメルーン」については 7/18 体育:サッカー・ワールドカップその他、関連の選手の名前などメモ(適当) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「プランテーション」については 2/6 学習:調べもの/目次(もくじ)に隠された楽しみ~栽培(さいばい)・サイバー・バナナ帝国~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「ジャマイカ」については 9/5 社+音:『YOUは何しに日本へ?』内容メモ ~失敗と架け橋、fromジャマイカ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:カリブ海に面する国「コスタリカ」については 11/28 社+理:「コスタリカ」に「オーパーツ」はありますか? ~「コスタリカの石球(せっきゅう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。