インドネシア語+国語+こころの話ー。
自分たちを表す呼び方の「我々(われわれ)」と、
それに対応する2つのインドネシア語、
「kita(キタ)」と「kami(カミ)」についての話です。
前置き。
筆者がインドネシア語辞典を読んでいると、
「我々(われわれ)」という言葉周りが面白かったので、その話を。
※
まず「我々(われわれ)」というと、自分(じぶん)を含む集団(しゅうだん)の呼び名ですね。
自分だけでなく、他の人も含めて言う感じです。
(※自分だけだと「私(わたし)」、「俺(おれ)」、「僕(ぼく)」とかになりますね)
大体「私たち(わたしたち)」や「俺たち」と同じような意味かと思います。
例えば、学校(がっこう)でクラス代表が「我々1年A組は~」と言ったり、
あるいはもっと広い範囲で、「我々○○人は~」(例:日本人やアメリカ人など)と言ったりする感じですね。
まあ日常的に使っている言葉で、割とシンプル、なじみのある感じと思います。
そんな簡単なイメージのある「我々」ですが、
なんとインドネシア語では、対応する言葉が2種類あるようです。
それが①「kita(キタ)」と②「kami(カミ)」というものですね。
それぞれの意味の範囲は、
①kita(キタ)…「我々」(相手を含む)
②kami(カミ)…「我々」(相手を含まない)
って感じのようです。
なので「我々で頑張ろう!」って相手に呼びかける時は①「kita(キタ)/相手を含む我々)」で、
逆に「我々はお前とは違う!」っていう時は②「kami(カミ)/相手を含まない我々」になるかもしれません。
確かに改めて考えると、日本語の「我々」も、状況によって①や②の意味を持っていたりしますね。
(※ちなみに調べた感じ英語・中国語・韓国語も「我々」の呼び名は一つっぽかったです)
でもインドネシア語のように「相手を含むか含まないかで言葉を使い分ける」というのも、
ある意味理屈が通っていますし、興味深いですね。
※
まあこれらは言葉なので、どっちが良いとかはないと思いますが。
ただ自分がイライラしている時は、相手を突き放すような言い方がしたくなるかもですので、
特に「kami(カミ/相手を含まない我々)」の方を使いたくなるかもですね。
今、新型コロナウイルス*1によるストレスが世界で溜まっているかと思います。
なので「あいつのせいで、私たちは苦しい!」とか「お前は俺たちと違う!」という風に、
言うなればイライラした「我々(kami/相手を含まない我々)」の使い方をしたくなるかもです。
(その良し悪しは分かりませんが、苦しいとイライラしやすくなるのはある意味自然ですね)
でも「今はみんな苦しい」と考えると、「みんな」で似た経験を共有しているとも言えます。
そういう風に「kita(キタ)/相手を含む我々)」にも目を向けて、
「苦しいけど、我々(kita)で頑張っていこう!」と思えると、
以前よりむしろ広い範囲で「我々」を感じられて、いいかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
関連用語:「人称代名詞(にんしょうだいめいし)」*2、「人称(にんしょう)」、「代名詞(だいめいし)」
*1:「新型コロナウイルス」については 2/14 生+英他:「病気(びょうき)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「人称代名詞(にんしょうだいめいし)」や「人称(にんしょう)」、「代名詞(だいめいし)」については 12/18 英語:人称代名詞(にんしょうだいめいし) ~いらん誤解(ごかい)を招かぬために~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。