社会(歴史)+ギリシャ語+生活の話ー。
「やっぱ紙だと耐久度に不安があるからさ…」という話ではありません。
古代ギリシャのアテナイで行われていたという、
陶片(とうへん)による投票、「陶片追放(とうへんついほう)/オストラキスモス」などの話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
遅くなりましたが、今日は衆議院議員選挙(しゅうぎいんぎいんせんきょ)と、
最高裁判所(さいこうさいばんしょ)裁判官の国民審査(こくみんしんさ)の日ですね。
投票に行った方も多いかもしれません。
さて、現代の日本の選挙の形というと、
紙に候補者(こうほしゃ)の名前を書いて投票(とうひょう)するイメージが強いですが。
なんと昔のある場所では「陶器(とうき)の欠片(かけら)」を使っていたこともあるらしいです。
というのも、Wikipediaや世界史の教科書によると。
古代ギリシャの「アテナイ」では「陶片(とうへん)」…つまり陶器(とうき)の欠片(かけら)に書いて投票することもあったようで。
それが「陶片追放(とうへんついほう)」…ギリシア語で「オストラキスモス(ὀστρακισμός)」(スペルはWikipedia参考)というものですね。
普通の選挙と言うより、「僭主(せんしゅ)」…独裁者(どくさいしゃ)になりそうな人を選んで追放したものみたいです。
現代だと「陶片」を使うのは不思議な気もしますが、
Wikipedia等を見ると、当時のアテナイには捨てる陶片はいっぱいあり、安上がりだったみたいですね。
また陶片を使ったのは追放の時だけかと思いきや。
Wikipediaの「オストラコン」(ὄστρακον、陶片)のページによれば、
「アテナイでは、投票を行う市民は陶器の破片に人物の名前を書くか刻むかした」とありました。
なので、割と他の選挙でも使っていたかもしれません。
そのため昔のアテナイの人にとっては、
「『投票』といえば『陶片(オストラコン)』!」という感じだったかもですね。
…紙に比べて手を切りやすそうでちょっと怖いですが。
※
ちなみに今の「紙」に比べると、「陶片」は少し時代を感じる物の気もしますが。
でも、現代でも「電子投票(でんしとうひょう)」などの話などもよく出ていたりします。
なので将来は「ああ、紙で投票していた時代もあったねー」なんてことになるかもですね。
まあ素材が何であれ、投票が「自分の意志を示す」ことは変わらないかと思います。
今でも「昔の『陶片追放(オストラキスモス)』が必要な独裁者なんで、なかなか出ないだろ~」と思っていると、
うっかり悪い独裁者が出てきて、自分にとってヤバいことになってしまうかも?
まあそんな感じで~。