生活+英語+こころの話ー。
「こしあんも緊張してるんだから、気を使ってあげて!」という話ではありません。
和菓子(わがし)などの餡(あん)*1の一種、「こしあん(漉し餡)」と、
その英訳「strained bean paste(ストレインド・ビーン・ペースト)」、
また「strain(ストレイン)/緊張(きんちょう)*2」という英語についての話です。
前置き。
筆者が調べ物をしているときにふと見つけた語、
「こしあん」周りが面白かったので、その話を。
※
まず「こしあん(漉し餡)」とは、餡(あん)の一種ですね。
主に小豆(あずき)などを潰した物を裏ごしして(布や器具を用いて漉して)、
皮(かわ)などを取り除いた物という印象です。
いわゆる「つぶあん(粒あん)」に比べて、滑(なめ)らかな感じですね。
好みは人によるので、和菓子(わがし)でも両方揃えてあることが多いですが。
そんな「こしあん」を和英辞典で調べてみると、
英語では「strained bean paste(ストレインド・ビーン・ペースト/ペイスト)」
となっておりました。
(※↑発音では「ペイスト」ぽかったですが、日本語では「ペースト」表記が多い気もしますね)
何やら難しそうなので英和辞典も調べてみると
「strain(ストレイン)」は(漉し器)などで「漉(こ)す」、
「bean(ビーン)」は「豆(まめ)」
「paste(ペースト/ペイスト)」は食品の「ペースト」…すりつぶした物、などの意味を持つようですね。
そのため「漉した(strained)豆の(bean)ペースト(paste)」
→「こしあん(strained bean paste)」という感じかと思われます。
ところで上記「strained」にはまた違う意味もあるようでして。
なんでも英和辞典によれば「strained」は、「緊張(きんちょう)した」、「不自然な」、「疲れた」と言う意味もあるようです。
元の「strain」自体も、「張る」、「引っ張る」、「緊張」などの意味があり、やたら張り詰めた感じです。
何故「緊張」的な意味と「漉す」意味が、同じ「strain」・「strained」に入っているのかは不明ですが…。
何かを布で「漉す」時には、布を「ピンと張ったり」するので、
その辺りが関係しているのかも知れません(仮説ですが)。
「こしあん/strained bean paste」の「strained」は「漉した」意味と思われますが。
でも「strained/緊張した」の意味を先に知ったら、
「『こしあん(strained bean paste)』は『緊張した(strained)』物なの…!?」と見えるかもですね。
※
まあ実際の「こしあん」は特に緊張はしてないでしょうし、
むしろ甘い物は緊張を和(やわ)らげてくれる…なんて話もあります。
なのでもし自分が緊張してるな、という時は。
(こしあんに)代わりに「緊張した(strained)」状態になってもらうか…なんて、
「こしあん(strained bean paste)」の甘いお菓子*3を食べてみてもいいかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに今回のタイトル案の一つが『こしあんを漢字で書けますか?』でした。
調べたら「漉し餡」や「漉餡」と書くようなのですが、
普段は「こしあん」というひらがなで見ることが多く、漢字はあまり見かけませんね。
◆用語集
・こしあん(漉し餡、漉餡):
関連用語:「羊羹(ようかん)」*4
関連記事:『お菓子を表す外国語セブン』、『豆を表す外国語セブン』*5
*1:「餡子(あんこ)」や「小豆(あずき)」については 9/23 理+生:「秋分(しゅうぶん)の日」と「やる気」の関係!? ~秋と日光量の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「緊張(きんちょう)」については 1/16 国+こころ他:「アガる」は「緊張(きんちょう)」で「楽しみ」ですか? ~色んな「アガる」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「お菓子」や記事『お菓子を表す外国語セブン』については 2/26 生+諸外:「お菓子(おかし)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「羊羹(ようかん)」については 6/5 生+歴他:「羊羹(ようかん)」といえば「スープ」ですか? ~「羊羹」と「羊の羹(あつもの)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:記事『豆を表す外国語セブン』については 2/3 生+諸外他:「豆(まめ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。