国語+社会の話ー。
「裏方(うらかた)」という語のいくつかの意味と、
それに関わる「御裏様(おうらさま)」という語の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
筆者がちょっと調べ物をしていると、
国語辞典で「御裏様(おうらさま)」という語を見つけまして。
しかもそれが「裏方(うらかた)の敬称(けいしょう)」と書いてありました。
現代で「裏方(うらかた)」というと、裏(うら)で仕事をする人・道具を準備したりする人の印象で、
「敬称(けいしょう)」とは、相手に対して尊敬を込めた呼び名ですね。
なので筆者は「御裏様」の語を見て、
「裏で仕事をする人を、敬意を込めて呼ぶ名前があるのか~」などと思っていたのですが。
しかし調べてみると、それはちょっと筆者の誤解だったようです。
というのも、そもそも「裏方」には複数の意味があるようで、
国語辞典の「裏方」には、「身分の高い人の妻(つま)」、また狭義では「本願寺門主の妻を指す」と書いてありました。
(「本願寺(ほんがんじ)」は仏教のお寺のことなので、ざっくり言うとお坊さんの妻ということになりますね)
そして上記の「御裏様(おうらさま)」は、こちら(妻)の意味のようです。
そのため「裏方」の語が「身分が高い人の妻」を指す場合は
「『裏方』は『御裏様(おうらさま)!』」となるわけですが。
「裏で働く人」の場合は「『裏方』は『御裏様』ではない」となるわけですね。
合わせるとちょっとややこしいですが。
※
なので、今回は結果的に筆者の誤解だったわけですが。
でも裏方…裏で働く人の努力は、普段見えにくいかと思うので、
そういう方々への「敬称」は、何かあってもいいかもですね。
例えば、テレビ・映画などで写っている「俳優」さんに比べると、
そのメイクや舞台を整える「裏方」の方々は、目立ちにくいかと思います。
また「本」や「教科書」に、「著者」名は大きく書かれていても、
それを印刷して製本するためには、名が書かれない色んな「裏方」の人が関わっているかと思います。
まあ、だからといって「裏方の方が偉い」ということも無いかと思いますが。
でも今回の「御裏様(おうらさま)」みたいに、「敬称」的なものがあったら、
「裏方」の人への敬意を表したり、意識しやすかったりして良いかもですね。
実はどこかにもうあるかもしれないので、探してみるのも面白いかも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・裏方(うらかた):
関連用語:「芝居(しばい)」*1、「ショー(show)」*2、「腹芸(はらげい)」*3
*1:「芝居(しばい)」については 4/9 国+社他:「芝居(しばい)」の「芝(しば)」って何ですか? ~「客席(きゃくせき)」と「芝(しば)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:英語の「ショー(show)」については 11/20 英+フラ:「ショー」はいつでも「温かい(あたたかい)」ですか? ~「show(ショー)/出し物」と「chaud(ショー)/温かい」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「腹芸(はらげい)」については 12/13 国+こころ他:「政治家(せいじか)」に「腹踊り(はらおどり)」は必要ですか? ~色んな「腹芸(はらげい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。