英語+社会+国語の話ー。
「こいつが、お前の飲む最後の酒だぜ!」的な話ではありません。
乾杯(かんぱい)*1の時にも、別れの挨拶(あいさつ)*2にも使われてたらしい、
「チェリオ(cheerio)」という英語の話を。
前置き。
筆者が国語辞典で調べ物をしていると、
ふと「チェリオ」という語を見つけまして。
「『チェリオ』って確か飲み物の名前だったような…」と思っていたのですが、
国語辞典の「チェリオ(cheerio)」は「もともと『元気を出せ』という意味」や、
「別れの挨拶(あいさつ)や乾杯(かんぱい)の時に言う言葉」と載っていました。
…サラッと書いてありますが、
「別れの挨拶」と「乾杯」ってだいぶ違う場面な気がしますね。
気になって英和辞典も調べてみると、
「cheerio(チェリオ)」には「さようなら」の意味と、
「健康(けんこう)を祝して」、「おめでとう」という意味などが載っていました。
こちらでも別れの意味と、乾杯(の時の祝い)っぽい意味が載ってますね。
結局、調べた範囲では詳細は不明だったのですが、
似た英語「cheer(チアー)」には「元気づける」という意味があったり、
あと日本語でも、別れの挨拶で「お元気で!」ということはあるので、
その辺りが関係しているのかもしれません(※あくまで仮説なので注意)。
ただ「別れの挨拶」の「チェリオ(さようなら)」しか知らない人が、
乾杯の場でいきなり「チェリオ(乾杯)!」と耳にしたら、
「ここでは『乾杯』といったら『さようなら(チェリオ)』なの…!?」なんて思うかもですね。
※
さて、この時点で色々「濃い」気がする「チェリオ」ですが、
さらに国語辞典には、「大正時代(たいしょうじだい)*3に多用された語」と書いてありました。
盛りだくさんですね、チェリオ…。
大正時代は、「大正ロマン」、「大正モダン」などというように
東西文化が混ざった、独特の雰囲気を持った時代ともされますが。
その時代の人が「チェリオ!」と言ってたと考えると、ちょっと面白いですね。
なので今度、学校の歴史の教科書とかで、
「大正時代に生きた人物」を見ることがあれば。
「この人、乾杯の時に『チェリオ』って言ってたのかな…」とか、
「別れの時に『チェリオ』って言ってたかな?」なんて考えても、面白いかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「チェリオ」に似た語で、イタリア語の「ciao(チャオ)」もありますね。
これは別れも含め、色んな挨拶の時に使える語のようです。
◆用語集
・cheerio(チェリオ):
関連用語:「ジョッキ」*4、「ビールジョッキ」
・チェリオ【飲料】:
・ciao(チャオ)【イタリア語・挨拶】:
ちなみにWikipediaによれば、少女マンガ雑誌の『ちゃお』の名前はこの挨拶が由来らしい。
また『チャオチャオ』というボードゲームもあったりする。
・『チャオチャオ』【ボードゲーム】:
サイコロを振って、橋*5を渡るボードゲーム。
しかし出目によっては必ず嘘(うそ)をつかなければならず、それがバレるとコマを失ってしまう(橋から落ちる)。
逆に人の宣言を間違えて指摘してもコマを失うので、その辺りの駆け引きが重要となるゲームのようだ。
*1:「乾杯(かんぱい)」については 10/10 生+英:「トースト」といえば「乾杯(かんぱい)」ですか? ~パンの「toast(トースト)」、乾杯の「toast」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「挨拶(あいさつ)」については 3/22 国+こころ他:「挨拶(あいさつ)」は「避ける(よける)」物ですか? ~①「交わす(かわす)/やりとりする」と②「躱す(かわす)/避ける」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「大正時代(ちゃいしょうじだい)」については 5/7 歴史:こんな飲みニケーションもあるよ! ~ただし酒とは限らない~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「ジョッキ」や、「ビールジョッキ」については 11/24 生+英:「ジョッキ」は「海外(かいがい)」には「無い」ですか? ~「ジョッキ」と「jug(ジャグ)」と「mug(マグ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「橋(はし)」については 8/4 英語:色んな「はし」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。