国語+こころの話―。
ギャグ分が多めなタイトルですが、それだけでもなかったりします。
何かをいいかげんにすること、①「おろそか(疎か)」と、
「○○は言うまでもなく~」などの意味を持つ、②「おろか(疎か)」、
そして頭が良くないことなどを表す語、③「おろか(愚か)」の話を。
前置き。
まず①「おろそか(疎か)」とは、いいかげんな様子を表す語ですね。
例えば「学業(がくぎょう)をおろそかにする」というと、
学業…つまり勉強(べんきょう)を頑張らない、サボってしまう的な感じです。
先日書いた「おざなり(お座なり)」*1や「なおざり(等閑)」などに似てますね。
で、国語辞典によれば、同じ字で②「疎か(おろか)」という語もあるようです。
これは上記①「おろそか」と同じ意味もあるようですが、
「言うまでもなく」的な意味もあるようですね。
例えば「今日の宿題は『おろか(疎か)』、一週間前の宿題もまだできてない…」みたいな感じですね。
で、ここまでは「疎か」という表記に関わる話をしましたが、
他にも「おろか」という音(発音)で、また関わってくる語があったりします。
それが③「愚か(おろか)」という語ですね。
③「愚か(おろか)」というと、頭(あたま)が悪い(わるい)…、
まあ賢(かしこ)くない、的な意味の語ですが。
国語辞典によれば、この③「愚か(おろか)」は②「疎か」と同原(どうげん)、つまり言葉の発生源が同じらしいです。
「おろか」という音が同じだけではなく、発生源でも関係があるわけですね。
そして例えば「仕事は言うまでもなく、家庭も大事にできなかった…!」という時、
A:「(仕事を)『おろそか(疎か)』にするのは『おろか(疎か)』!(家庭も~)」と言えそうですが。
それらを「『おろそか』にするなんて『賢くない(愚か)』!」と思った人は、
B:「『おろそか(疎か)』にするのは『おろか(愚か)』!」という、
(AとBで)音は大体同じなのに、違う意味の文を作りそうですね。ちょっと面白いです。
※
まあ実際には、それぞれの言葉は使い分けられている印象なので、
例えば「○○は②『おろか(疎か)』~」と言われても、
「えっ、今③『愚か(おろか)』って言った!?」とは思わないかもですが。
でも、①「おろそか」や②「おろか」はちょっと昔の感じもするので、
「説明しないでも、若い人にも伝わるだろ…」と使ってたら、
「なんか誤解(ごかい)されてしまった!」という可能性も、あるかもしれません。
まあ何をどれだけ知っているべきか、というのは難しい所ですが。
誤解が生じた時に「あ、あなたが③『愚か』なのが悪い!」と人を責める*2より、
「ゴメン、私が説明を①『おろそか(不十分)』にしてたかも!」と謝れる方が、
逆に「賢い」人っぽくて格好良い…かも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・おろそか(疎か):
関連用語:「疎(そ)」*3、「過疎(かそ)」
・おろか(疎か):
・愚か(おろか):
関連用語:「愚者(ぐしゃ)」*4、「愚者の黄金(ぐしゃのおうごん)」
逆っぽい語:「賢者(けんじゃ)」*5、「賢者の石(けんじゃのいし)」
*1:「おざなり(お座なり)」や「なおざり(等閑)」については 4/13 国+こころ:「おざなり」と「なおざり」は違いますか? ~①「お座なり(おざなり)」と②「等閑(なおざり)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:本当に相手が悪いかにかかわらず、「とにかく相手が物を知らないせいにする」、またはそういう雰囲気にする…ということは、割と簡単にてきてしまうことのように思います。
*3:「疎(そ)」や「過疎(かそ)」については 4/3 社会:「コスト」と「効果(こうか)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「愚者(ぐしゃ)」や「愚者の黄金(ぐしゃのおうごん)」、また「賢者の石(けんじゃのいし)」については 5/22 理科:錬金術/「愚者の黄金(ぐしゃのおうごん)」と「賢者の石(けんじゃのいし)」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「賢者(けんじゃ)」については 7/24 英+理:薬草/セージと賢者(けんじゃ)と救世主(きゅうせいしゅ)! - のっぽさんの勉強メモ を参照。