生活+英語+社会の話―。
「お前は、すでに俺の策略(さくりゃく)の網の中…」的な話ではありません。
トラブルにあった人を助けるため、網(あみ)*1のように張(は)っておく制度(せいど)、
「セーフティネット(safety net)」の話を。
前置き。
昨日「安全(あんぜん)/safety(セーフティ)」*2について書いたことから、
「セーフティネット」という語を思い出したので、その話を。
※
まず「網(あみ)/net(ネット)」とは、糸を編(あ)んで作った道具ですね。
わかりやすいのは縦(たて)と横(よこ)に糸を張ったもの、という感じです。
「網」は魚を捕ったりするときにも使いますが、
今の時期だと、特に「虫取り網(むしとりあみ)」でよく見るかもですね。
で、「網/net」は、例えその糸が透明(とうめい)*3でも、
基本的には「目に見える」印象ですが(※でないと使いにくそうですし)。
しかし一方で「目に『見えない』網(net)」もあると言えるかもしれません。
というのも、「セーフティネット(safety net)」という仕組みもあるからですね。
この「セーフティネット(safety net)」とは、社会の仕組みの一種としてよく使われる語ですね*4。
Wikipediaによれば「網の目のように救済策(きゅうさいさく)を張ることで、全体に対して安全や安心を提供するための仕組み」のことらしく、「社会保障(しゃかいほしょう)」の一種らしいです。
ざっくり言うと、誰かが困ったときに助けるための制度(の集合)、って感じですかね。
例えば「生活保護(せいかつほご)」などもここに含まれるようです。
昔の話ですが、筆者が大学でこの「セーフティネット」について習った時は、
「誰かに何か悪いことがあった時、それより下へと落ちていかないよう、途中で網のように食い止める制度」…的な話を聞いた印象もありまして。
だからか筆者は、特に(物理的な)「網」っぽい印象を、セーフティネットに持っていたりします。
ただ「網」といっても、「セーフティネット」は「物」ではなく「制度」なので、
物のように目に見える形・姿はありません。
その意味では、
「『見えない網(net)』ってなーんだ?」というクイズがあったら、
「(制度としての)『セーフティネット(safety net)』!」なんて答えられるのかもですね。
※
ちなみに筆者は何かをする時に、
失敗したらどうしよう…と緊張(きんちょう)しがちな性格なのですが。
でもそこに救済策…「網」があると、少しホッとしたりもします。
なので上記の、社会の「セーフティネット」…人を助ける仕組みも、
「そこにある」だけで、誰かをホッとさせている部分があるかもですね。
その働きは普段「見えなく」ても、結構重要かもです。
まあ、社会や国のお金にも限りはあるので、
「無限に『セーフティネット』厚くしようぜ!」とは中々言えないですが。
でも自分から「見えない」ところで「網(net)」に救われる人がいたり、
またはすでに自分が「網」に救われてる所があるかも?というのは、結構重要なことかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ところで、「困った時に役に立つもの・制度」というのは、
逆に自分が「困ってない時」は、イマイチ価値(かち)が分かりづらかったりするかもです。
例えばいつも健康で上手く行っている人には、
「病気になったり、上手くいかないときの仕組み」の価値は、ピンと来にくいかもですね。
それこそ、「(自分には価値が)見えない網」って感じかもです。
ただ残念ながら、健康な人が突然病気やケガをすることもあるので、
例えば「この病気の支援(しえん)制度要らないよな~」と思ってなくしたものが、
後で(病気等になった)自分に必要になった…なんてことは起こりそうではありますね。
まあどれが正しい、悪い、と言いたい訳ではなく。
ただ「人生何が起こるか分からないから難しいね~」って感じがします。
何が起きるか分からないから、みんな不安になったりして、
それこそ「こっちの世代にもっとお金を!保証を!」的なことを言い合ってモメる…的なところもある気がします。
(ちょっと違うかもですが、「将来が不安だからみんな貯金する→経済が回りづらく→景気が悪く」的な話は、時々聞く気もしますし。もっとも、この説がどれくらい今や昔の状況に合っているかは、筆者には不明ですが)
追記2
ちなみに本文ではテンポ上飛ばしましたが、
「インターネット(internet)」自体も形はないので、「見えない網」とは言えそうですね。
検索画面を見たり、ネットを使ったりすることはあっても、「網」自体を目で見ている訳ではないですし。
同じ理由で「通信網(つうしんもう)」とかも目に見えない…と言えそうなので、
今度「○○網」といった言葉を見かけたら、
「これは目に見えるかな?」と考えてみるのも面白いかもですね。
◆用語集
・セーフティネット(safety net)/セーフティーネット:
関連用語:「保障(ほしょう)」*5、「保証(ほしょう)」、「保健室(ほけんしつ)」*6、「ライフライン」*7
関連記事:『安全を表す外国語セブン』*8、『平和を表す外国語セブン』*9
*1:「網(あみ)」や「糸(いと)」については 9/21 英+生:「糸(いと)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「安全(あんぜん)」や「safety(セーフティ)」については 3/21 社+国他:「道路(どうろ)」にも「島(しま)」はありますか? ~「交通島(こうつうじま)」等の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「透明(とうめい)」については 12/13 理+英他:「透明(とうめい)」で「緑(みどり)」な「家(いえ)」ってなーんだ? ~「温室(おんしつ)/greenhouse(グリーンハウス)」などの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4: ちなみに英和辞典によれば、サーカスで下の方に貼ってある網を「safety net(セーフティネット)」というようです。
*5:「保障(ほしょう)」や「保証(ほしょう)」については 7/17 国+社他:「ほしょう」と「ほしょう」は違いますか? ~①「保証(ほしょう)」と②「保障」と③「補償」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:ある意味学校でセーフティネット…というか居場所(いばしょ)になっていることも多そうな場所「保健室(ほけんしつ)」については 7/20 国+生他:「ほけんしつ」等を漢字で書けますか? ~「ほけん」の漢字クイズの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「ライフライン」については 8/9 生+英他:「ライフライン」は「手(て)」にありますか? ~「ライフライン」と、手の「生命線(せいめいせん)/lifeline」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:記事『安全を表す外国語セブン』については 7/21 生+諸外:「安全(あんぜん)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:記事『平和を表す外国語セブン』については 8/11 社+諸外:「平和(へいわ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。