生活+国語+社会の話―。
事故(じこ)の時などにお金がもらえるシステム「保険(ほけん)」*1と、
「けわしい(険しい)土地(とち)に立てこもる」という意味での「保険」の話を。
前置き。
この頃「保証(ほしょう)」*2等の語について調べている中で、
見つけた語の「保険(ほけん)」が面白かったので、その話を。
※
まず①「保険(ほけん)」というと、事故(じこ)の時などにお金をもらえるシステムという印象ですね。
正確には事故や災害(さいがい)などで損害(そんがい)を受けた時、
それを補(おぎな)う…カバーするためのお金をもらえるという感じです。
(その前に保険料(ほけんりょう)を払うため、得(とく)はしてなかったりもするのですが)
で、保険にも色々ありますが、
日常では「保険証(ほけんしょう)」という語をよく聞くので、
筆者は「保険」に、主に医療(いりょう)系のイメージを持っていたのですが。
…しかし調べてみると、「保険」には意外と「戦い(たたかい)」っぽい意味もあるようです。
というのも、 漢和辞典には「保険」に関して、
②「けわしい(険しい)土地(とち)に立てこもる」という意味が載っていたからですね。
(ちなみに「険しい(けわしい)」は、山(やま)の傾きが急で登りにくかったり、何かが「きつい」ことを表す語で、
「立(た)てこもる」は、ある場所を守り敵を防(ふせ)ぐことや、外出しないことなどを指す語ですね)
何故この意味があるのかは、詳しくは不明なのですが。
ただ漢和辞典では、「保(ほ)」には「まもる(守る)」という意味があり、
また「険(けん)」には「険しい」、「要害(ようがい)の地」などの意味がありました。
(「要害(ようがい)」は、その場所が険しくて守りやすい所や、砦(とりで)…基地(きち)などを表す語ですね)
なので「『険』しい土地にこもって、守る(『保』)」→②「保険」という感じかと思われます。
(※ただあくまで筆者の仮説なのでご注意を)
そのため、こちらの「立てこもる」意味の「保険」を知る人は、
「『保険』といえば『立てこもり』!」と思うかもですが。
…知らない人がこれを聞くと、「事件でも起きたの…!?」と思うかもですね。
※
さて、上では険しい場所として、「山(やま)」を例に挙げたりしましたが。
夏(なつ)の山でのトラブルは、結構ニュースで聞く印象です。
低くて登りやすい…そんなに険しくない、とされる山でも、
意外と油断(ゆだん)したりして、事故が起きたりするそうですね。
まあ「山に行かず家に『立てこもって』なきゃ!」という訳ではないですが。
でも、この夏のどこかで山に登る予定…という方は、
「山は『険しい』とされたりする場所だから…」と気をつけていくと、
事故で「保険(のお金)」が必要になるような事態を、減らせるかも?
まあそんな感じで~。
関連用語:「保証(ほしょう)」、「保障(ほしょう)」、「補償(ほしょう)」
追記
本文ではテンポ上「保険」について。
「事故の時にお金をもらえる」と言う感じで、シンプルに書きましたが、
ただ、本文でも書いたように「保険料」を払う必要があるので、
より正確には「事故の時に備えてお金を積み立てておく/用意しておく」という感じかと思われます。
もちろんそれぞれ保険のシステムにもよるかと思いますが。
何もしなくてもお金がもらえる…というよりは、自分で事故などについて用意をし、
また同じ目的を持った皆と、お金を出し合ったりするシステム…と考えておいた方が良いかもです。
追記2
ちなみに「保険」という言葉の意味についてですが。
漢和辞典では、「保険」の近くの「保障(ほしょう)」という語の欄に、
「とりで」や「要塞(ようさい)」という意味が載っており、
また「『保』は『堡』」と載っていました。
漢和辞典によれば、この「堡(ほ、ほう)」という字は「とりで(砦)」などの意味を持つようです。
なので本文で紹介した「保険」の、「けわしい(険しい)土地(とち)に立てこもる」意味は、こちらの意味から考えても、イメージしやすいかもしれません。
(ちなみに「堡障(ほしょう、ほうしょう)」という語も載っていました)
また関連語で「橋頭堡(きょうとうほ)」という語もあったりします。
ざっくり言うと、次の作戦のためのベースになってくれる基地・拠点…と言う感じですね。
Wikipediaによれば、元々は「橋(はし)の対岸(たいがん)を守るための砦」のことらしいです。
追記3
ちなみに「保険」にも色々ありまして。
例えば「生命保険(せいめいほけん)」や「火災保険(かさいほけん)」、「医療保険(いりょうほけん)」や「自動車保険(じどうしゃほけん)」などの物があったりします。
それぞれ色々難しそうですが、
有名ボードゲームの『人生ゲーム』で出てきたりするので、そちらで何となく知っている…という方もおられるかもですね。
追記4
ちなみに童謡の『箱根八里』では、箱根(はこね)の山を指して、
「天下の嶮(けん)」という言葉が出てきたりします。
◆用語集
・保険(ほけん)【立てこもり】:
*1:「保険(ほけん)」については 2/21 こころの話:わが心の弱さと「いじめ」 ~自分なりの対処を考える~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「保証(ほしょう)」や「保障(ほしょう)」、「補償(ほしょう)」については 7/17 国+社他:「ほしょう」と「ほしょう」は違いますか? ~①「保証(ほしょう)」と②「保障」と③「補償」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。