歴史+国語の話ー。「孫悟空が変身*1するのは当たり前だろ!」と思った方はご容赦を。
今日は5月9日、「ご・く」ということで、
『西遊記(さいゆうき)』、あるいは『ドラゴンボール』の「孫悟空(そんごくう)」回りの話を。
まあ有名なネタなのですが。
前置き。
今では「孫悟空(そんごくう)」というとマンガ・アニメ『ドラゴンボール』のキャラが有名ですが、
その名前は昔の中国の物語『西遊記(さいゆうき)』からとられています。
「孫悟空(そんごくう)」とはその中の猿(さる)のキャラクターですね。
知らない方のために簡単に説明すると(※逆に軽くネタバレなので注意)
『西遊記(さいゆうき)』とは
「三蔵法師(さんぞうほうし)」という唐のお坊さんが、天竺(てんじく)の国へお経を取りに行く物語です。
天竺は西にあるので、そちらを目指すということで『西遊記』という訳ですね。
「遊(あそぶ)」という文字が入ってますが、これは「旅(たび)」くらいの意味ですね。
道中はかなりハードなので、あんまり遊ぶ感じではないです。基本徒歩と馬ですし、砂漠行ったりします。
で、そのお供の一人が「孫悟空(そんごくう)」なのですが、
主なお供は三人いて、すごいざっくり言うと
①「孫悟空(そんごくう)」…猿(さる)の妖怪(仙人)
②「猪八戒(ちょはっかい)」…豚(ぶた)の妖怪(仙人)
③「沙悟浄(さごじょう)」…河童(かっぱ)の妖怪(仙人)
…みたいな感じですね。
本当は「妖怪」とか「仙人」とかの区別が難しいのですが、まあここでは略。
あと三蔵法師が乗っている馬は「玉龍(ぎょくりゅう)」と言ったりします。カッコいい名前ですね。
で、『ドラゴンボール』の初期には「孫悟空」を含め、かなり『西遊記』のネタが入っていたりしますが、
当然、二つの物語の「孫悟空」はまた違ったキャラだったりします。
言ってみれば、物語の間で孫悟空が「変身(へんしん)」していると言えるかもしれませんね。
アニメ『ドラゴンボール』の孫悟空は色々変身して強くなったりしますが、
『西遊記』と『ドラゴンボール』を比べてみて、
二つの物語の間で「変身」している「孫悟空」を確かめてみるのも、ちょっと面白いかもしれません。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「三蔵法師(さんぞうほうし)」のモデルになった方は実際にいて、
主に「玄奘(げんじょう)」という名前で知られています。
(もしくは「玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)」、「玄奘三蔵法師(げんじょうさんぞうほうし)」)
Wikipediaによれば、この方が記した『大唐西域記(だいとうさいいきき)』という本が、西遊記の元になったそうです。
言うなれば『大唐西域記』→『西遊記』→『ドラゴンボール』みたいな流れができているわけですね。
でも孫悟空は『西遊記』からのキャラクターなので、今回の本文では省かせていただきましたが。
あと『西遊記』を元にした作品は多いのですが、
筆者としてはマンガ『最遊記(さいゆうき)』とかも思い出しますね。
追記2
以前(ネット上で使われる誉め言葉としての)「尊い」について少し書きましたが、
時々「尊悟空」(「孫悟空」のもじり)という言葉も見かけますね。もちろんパロディです。
あとこれに関連して「てぇてぇ」(尊いの、ちょっと「べらんめえ」な口調?)という言葉を見たりも。
また、それとは別に「よき」(良いという意味)とか「よきよき」という言葉を聞いたりもします。
言葉には色々あるものですね。
◆用語集
・孫悟空(そんごくう)【西遊記】:
「斉天大聖(せいてんたいせい)」という称号もあり、ゲーム『女神転生』や『ペルソナ』シリーズではこちらの名前で出ていたりもする。
猿のキャラクターのため、「申年(さるどし)」の年賀状に書かれる確率もけっこうあったりする。
Wikipediaによれば孫悟空のモデルについてはいろんな説があるらしい。その中にはインドの『ラーマーヤナ』*2に出てくる猿神「ハヌマーン」が影響しているのではないか、というものもあった。
ちなみに『ドラゴンボール』の初めの方に出てくる「如意棒(にょいぼう)」や「筋斗雲(きんとうん)」などは『西遊記』からのネタだったりする。
あとは「牛魔王(ぎゅうまおう)」とか『西遊記(さいゆうき)』に出てくるキャラクターもいる。
もちろん『ドラゴンボール』オリジナルの要素も多い。例えば元の『西遊記』の孫悟空は「かめはめ波」とかは撃たない。
関連人名等:「アンチラ」*3
・西遊記(さいゆうき):
関連名称:「鉄扇公主(てっせんこうしゅ)」*4、「羅刹女(らせつにょ)」、「キョンシー」*5
関連用語:「妊娠(にんしん)」*6
・玄奘(げんじょう):602-664。
唐のお坊さん。
Wikipediaによれば、唐王朝に出国の許可を求めたが、許可が下りなかったのでこっそり旅に出たらしい。行動力がある。
ゲームなどにもよく出ているが、なぜか女性化率も高い。
ゲーム『Fate』や『モンスターストライク』などでも女性化したうえで出演している。
まあお供も含め男性ばかりのメンツなので、紅一点とかが欲しいのかもしれない。
マンガ『最遊記(さいゆうき)』では男性だが、ワイルド&ダーティな感じのイケメンで、しかも銃を持っていたりする。こちらもすごいことになっていた。
関連人名:「鑑真(がんじん)」*7、「空海(くうかい)」*8
関連地名:「西安(シーアン)」*9、「長安(ちょうあん)」
・玄奘三蔵(げんじょうさんぞう):
ゲーム『Fate』のキャラクター。クラスは「キャスター」*10。
・てぇてぇ【ネットなどの用語】;
関連用語:「尊み」*11、「限界化(げんかいか)」*12、「~しか勝たん」*13、「ジャガーマンシリーズ」*14、「デビルマンMAD」、「愛でる(めでる)」*15
*1:「変身(へんしん)」については 7/30 理+英:岩石の英語名 ~イグニス・奈落・変身~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:『ラーマーヤナ』については 2/8 歴史:兄弟にしてライバル関係!? ~インドの英雄、「カルナ」と「アルジュナ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:ゲーム『グランブルーファンタジー』のキャラ「アンチラ」については 4/25 歴史:「メキラ」、「アンテラ」、不思議な神名! ~十二神将(じゅうにしんしょう)の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:『西遊記』の登場人物「鉄扇公主(てっせんこうしゅ)」や「羅刹女(らせつにょ)」については 3/23 インドネシア+歴:「ゴジラ」も「ガメラ」も「羅刹(らせつ)」だった!? ~「raksasa(ラクササ)」と「ラクシャーサ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:中国の妖怪「キョンシー」については 3/25 国+英他:文学(ぶんがく)と「ゴールデン・デーモン」の関係!? ~「夜叉(やしゃ)」と『金色夜叉(こんじきやしゃ)』~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「妊娠(にんしん)」については 3/10 理科:太陽神(たいようしん)、月へ行く! ~アポロ11号と「アポロ」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「鑑真(がんじん)」については 8/7 歴+ゲーム:ゲーム『茜さすセカイでキミと詠う』の話 ~聖徳太子に鑑真さん~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「空海(くうかい)」については 10/7 歴史:「比叡(ひえい)」にまつわる話 ~戦艦、お寺、そして焼き討ち~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:玄奘が経典を収めた寺がある「西安(シーアン)」こと「長安(ちょうあん)」については 9/8 歴史:「西安(シーアン)」は「長安(ちょうあん)」で「豊邑(ほうゆう)」ですか? ~太公望、三蔵法師、「西安事件」etc.~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「キャスター」については 9/23 英語:「キャスター」は「投げる人」ですか? ~「魔術(まじゅつ)」、「ニュース」、あと「椅子(いす)の下」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:ネット上などの表現としての「尊み」については 4/8 国+歴他:「尊み(とうとみ)」と「尊王攘夷(そんのうじょうい)」の関係!? ~『仰げば尊し』を添えて~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「限界化(げんかいか)」については 3/7 国+こころ:「限界(げんかい)」に「先(さき)」はありますか? ~「限界」と「限界を超える」ことの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「○○最高」のような意味の言葉「~しか勝たん」については 7/27 体+社他:「あん馬(鞍馬)」といえば「古代ローマ」ですか? ~「鞍(くら)」と「木馬(もくば)」と「乗馬練習(じょうばれんしゅう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「ジャガーマンシリーズ」や「デビルマンMAD」については 7/5 理+英他:「ネコ」は「ヒョウ」を抱きしめますか? ~「embrace(エンブレイス)/抱きしめる、含む」と「分類(ぶんるい」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:「愛でる(めでる)」については 2/2 国+社他:「めでたい」ことは「かわいい」ことですか? ~「愛でたい(めでたい)」や「愛でる(めでる)/かわいがる」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。