のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

11/3 生+国:「蕪(かぶ)」には価値は「無」いですか? ~「蕪」という字の話と謎~

 生活+国語の話ー。
 実際の野菜*1の「蕪(かぶ)」には栄養(えいよう)があり価値があるのですが、今回は漢字の話です。


 野菜の「かぶ」にも使われる「蕪(かぶ)」という漢字、
 またその中に含まれる「無(む)」*2という字についての話です。



 前置き。
 先日のブログ記事で、ハロウィン*3のカボチャの前は、野菜の「かぶ(蕪)」が使われていたらしい…という話を書きましたが。
 その途中ふと「『蕪』という字にはどうして『無』という字が入っているのだろう?」と思い、
 調べてみました。


 まず漢和辞典で調べると「蕪」という漢字は
 「あれる」(荒れる)とか「いやしい(卑しい)」、「そまつ(粗末)」、「茂(しげ)る」といった意味があるようです。
 で、野菜の「蕪(かぶ)」の意味もあると。
 関連する熟語も「蕪言(ぶげん)」、「蕪荒(ぶこう)」、「蕪雑(ぶざつ)」、「蕪穢(ぶわい)」と、なんだかネガティブ*4な感じです。


 ちなみに「粗末(そまつ)」というのはざっくり言うと、「価値(かち)が無い」ことですね。
 「高級(こうきゅう)」や「貴重(きちょう)」とかの反対です。
 なので仮説としては、蕪の字に使われている「無」はその「価値が無い」と言うあたりから来ているのかもしれません。


 では実際に、昔は「かぶ」は価値が「無い」と思われていたのか? …と調べてみると、
 どうも、単純にそういうことでもないようです。
 Wikipediaによれば、「かぶ」は古くから世界中で育てられ、
 日本でも古事記*5日本書紀に載ってたり、持統天皇(じとうてんのう)が栽培を勧めたらしいですし。


 ただ、ちょっと気になる記述がありまして、
 Wikipediaによれば、「かぶ」という言葉の語源が色々乗っている(「かぶ」の語源は頭を意味する「かぶり」、根を意味する「株」、または「カブラ」の女房言葉である「オカブ」など諸説ある…など)のですが、
 一方で、江戸時代*6での「漢語(かんご)」…つまり中国的な呼び名に「蕪菁(ぶせい)」というものがあったと書かれています。


 なので、推測ですが、
 もともと日本で「かぶ」が「蕪」と呼ばれてきた、というよりは、
 日本で「かぶ」(あるいは「かぶら」)と呼ばれてきた物が、後の時代で中国から入ってきた「蕪」という呼び名と合体した…、みたいな感じではないかと思われます。


 ただ、それはそれで、中国で何故「蕪」という字を当てたか、という話になるのですが…。
 Wikipediaによれば古代中国でも大事であり、農民たちに感謝されていたようだ、と書かれているので、詳細は不明ですね。
 すみません。要追加調査です。



 まあ詳細は不明なのですが、
 そもそも筆者も、「蕪」という字に何故「無」という字が入っているか、というのは今まで考えていませんでした。
 考えてみればちょっと不思議ですね。
 何故「無い」という字が、(存在感のある)野菜の名前に入っているのか…。

 慣れてしまうと気にしないことですが、調べてみると勉強になりそうです。


 こういうことは、大人より子ども・あるいは若い時の方が気づきやすかったりもするので、
 若い皆さまは、漢字の色んな部分を観察してみるのもいいかもしれませんね。
 覚えやすくなって、国語の成績もちょっと上がるかも?



 まあそんな感じで~。


 関連用語:「価格(かかく)」*7



追記
 「蕪」と同様に「樵(きこり)」や「撫でる」といった字も「無」を含んでいたりします。
 不思議と言えば不思議ですね…。
 「樵(きこり)」はまあ、木を切って更地(さらち)にしたりするのでわかる気もしますが、
 「撫でる」は別に何かを「無くす」わけではないですし。
 それとも逆に、「何も(邪魔な物が)ないところだから撫でられる」というようなことでしょうか?


追記2
 ちなみに「蕪」の字が名前に入った有名人に「与謝蕪村(よさぶそん)」という人物がいたりします。
 あと今回調べものをして知ったのですが、マンガ・アニメ『じょしらく』という作品に「蕪羅亭魔梨威(ぶらてい・まりい)」というキャラクターがおられるようです。


追記3
 ちなみに「かぶら」という響きでは「鏑(かぶら)」というものもあります。
 これは矢(や)の一種である「鏑矢(かぶらや)」の先につけるものですね。

 あと筆者が知っているゲーム『ARMORED CORE for Answer』に「カブラカン」という兵器が出てくるのですが、
 調べてみるとマヤ神話に「カブラカン」という巨人がいるようです。
 なので髪や悪魔が多く出るゲーム『女神転生』シリーズにも出ているようですね。
 また関連性は不明ですがゲーム『ファンタシースターオンライン2』にも「カブラカン」という種族がいるようです。




◆用語集(人名等、敬称略)
持統天皇(じとうてんのう):645年(大化元年) - 703年(大宝2年)。
 日本の第41代天皇女性天皇
 諱(いみな)は「鸕野讚良(うののさらら、うののささら)」。 
 「天武天皇(てんむてんのう)」の皇后であり、父は「天智天皇(てんじてんのう)」。
 妹に第43代天皇である「元明天皇(げんめいてんのう)」がおられたりする。
 また第42代天皇の「文武天皇」は孫にあたる。
 また「小倉百人一首」には持統天皇の歌「春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」(2番)が収録されている
 関連用語:「水銀(すいぎん)」*8
 関連人名:「草壁皇子(くさかべのみこ)」*9


与謝蕪村(よさぶそん、よさ・ぶそん):享保元年(1716年) - 天明3年(1784年)。
 江戸時代中期の日本の俳人、画家。
 日本史の教科書でも名前を聞く人物。
 「松尾芭蕉(まつおばしょう)」*10、「小林一茶(こばやしいっさ)」と並んで、江戸時代の俳句の巨匠とされた方らしい。
 Wikipediaによればこの「蕪村」という名前は、中国の詩人「陶淵明(とうえんめい)」の詩『帰去来辞』に由来すると考えられているそうである。
 ちなみにWikipediaによれば今年2019年、大阪に「城北公園通駅(しろきたこうえんどおりえき))」という駅ができたらしく、
 与謝蕪村の生誕地の「毛馬村(けまちょう)」に近いとして、「与謝蕪村生誕の地」として駅構内に蕪村の像が設置され、毛馬方面への出入口が「蕪村口」と名づけられたらしい。


陶淵明(とうえんめい、とう・えんめい):365年 - 427年。
 Wikipediaによれば、中国の魏晋南北朝時代六朝期)、東晋末から南朝宋の文学者。


・『じょしらく』【マンガ・アニメ】:
 日本のマンガ・アニメ作品。
 落語(らくご)*11をする女性たちの姿を描いた作品…のようなのだが、どうも作中では落語をしている様子はあまり描かれないらしい。


・鏑(かぶら):
 Wikipediaによれば、矢の先端(せんたん)に付ける武具(ぶぐ)の一種。


・鏑矢(かぶらや):
 鏃(やじり)の近くに鏑を付けた矢。
 弓(ゆみ)で射ると音が鳴ることから、戦場での合図(あいず)などに使われていたらしい。
 ちなみに馬上から矢を射る「流鏑馬(やぶさめ)」は、この鏑矢を射る競技である。よく見ると「鏑」という字も「流鏑馬」に入っているし、分かりやすい。


benkyoumemo.hatenablog.com

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*1:「野菜(やさい)」や「蕪(かぶ)」、「南瓜(かぼちゃ)」については 6/17 英+理+家:野菜(やさい)に関する英単語 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:「無(む)」については 3/23 学習:「不退転(ふたいてん)」、「撤退戦(てったいせん)」、「全力撤退(ぜんりょくてったい)」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:「ハロウィン」については 7/26 英語:treat/モンスター、ハロウィン、そしてトリートメント! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:英語の「ネガティブ(negative)」については 11/18 こころ+英:「ネガティブ(negative)」も時には必要ですか? ~「negative」と「否定(ひてい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:古事記こじき)』や『日本書紀(にほんしょき)』については 12/17 社会:水(みず)と宗教(しゅうきょう)の話(ざっくり仮説) - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:「江戸時代(えどじだい)」については 12/7 英語:「I am」でたらめ翻訳(ほんやく)のお遊び - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*7:「価格(かかく)」については 12/3 社会:アダム=スミスと道徳 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*8:「水銀(すいぎん)」については 9/27 理+社:今と昔の「水銀(すいぎん)」の話 ~「水俣病(みなまたびょう)」と「錬金術(れんきんじゅつ)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:持統天皇の子である「草壁皇子(くさかべのみこ)」については 4/16 国+家他:「おたま」と「お多賀」と「オタマジャクシ」! ~調理器具の「おたま」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:松尾芭蕉(まつおばしょう)」については 5/5 国語:俳句(はいく)/こどもの日・ああこどもの日・こどもの日 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*11:「落語(らくご)」については 8/7 歴+英他:「落語家(らくごか)」は「Youtuber」ですか? ~「寄席(よせ)」と「チャンネル」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。