国語の話―。
ゴミや貴重品など、何かを集(あつ)める①「収集(しゅうしゅう)」と、
混乱した状態などを収(おさ)める②「収拾(しゅうしゅう)」の話を。
体調がイマイチなので簡単に。
前置き。
まず①「収集(しゅうしゅう)」というと、何かを集めるイメージもありますね。
コレクション的に、貴重品(きちょうひん)などを集めることもありますが、
ゴミなどを集めて回る場合も、この言葉が使われたりします。
(その場合の関連語は「ゴミの収集日」、「ゴミ収集車」などがあったりします)
ところで、「しゅうしゅう」という響きの語はいくつかあって、
その中には②「収拾(しゅうしゅう)」もあったりします。
これは国語辞典によれば、「混乱(こんらん)した状態を、うまく収(おさ)めること」らしいですね。
例えば「事態を収拾する」とか「収拾がつかない」と言ったりするようです。
なので例えば「ゴミ袋が破れて、中のゴミが散らばった!」という時。
「散らばったゴミ」を集めるのは①「収集」と思われますが、
「散らばったゴミで混乱した状態」を解決するのは、②「収拾」ということになりそうです。
しかし仮に似たようなことが、他でいくつか起きていて、
そういう「散らばったゴミで混乱した状態になる、という事件のデータ」を集めるなら、
そちらは「コレクション」的な意味になりそうなので、①「収拾」の方になりそうですね。
なので「①『収集(しゅうしゅう)』と②『収拾(しゅうしゅう)』は違う」とは言えそうですが。
そこで「じゃあこの文ではどちらの『しゅうしゅう』を使うの?」と聞かれたら、
(複雑な文だと)なかなか難しい…なんてことはあるかもですね。
※
まあ上のことはジョークではありますが、
日本語の文は結構「後から付け足せる」のが特徴な気もします。
上で言うと、
「散らばったゴミ」
「散らばったゴミで混乱した状態」
「散らばったゴミで混乱した状態になる、という事件のデータ」
などの言葉は、どんどん付け足していった物ですし。
これほどややこしいことは、あまり無いかもですが。
でも例えば、国語のテストの長文問題を読む時には、
「これはこっちの『しゅうしゅう(収集、収拾)』だろ!」と決めつける前に、
前後の文の繋がりに、注意した方が良いかも?
まあそんな感じで~。
追記
本記事を書いていて、改めて日本語はややこしいな…と思いましたが。
英語でも、ちょうど「収集」に関係する「collect(コレクト)/集める」と、
「correct(コレクト)/正しい」が似てるな…というのを思いました。
色んな言語で、そういう似た(ややこしい)語はそれぞれあるのかもですね。
まあ似ていることが必ずしも悪いことではなく。
逆にそういった音の同じ響きなどが、
「俳句(はいく)」の「掛詞(かけことば)」とか、「ラップ」、「ヒップホップ」などで使われている気もします。