生活+国語の話―。
「鬼が強い時代は終わったんだよ…」的な話ではありません。
日射病や吐き気など、夏の体調不良を表す語、「霍乱(かくらん)」と、
病気にならなさそうな健康な人が急に体調を崩す…という意味のことわざ、
「鬼の霍乱(おにのかくらん)」の話を。
前置き。
昨日「マドラー」…何かを「攪拌(かくはん)する/混ぜる」棒について書き、
そこから似た語の「攪乱(かくらん)」が気になり、調べていたのですが。
そうしている内にふと、
「『鬼(おに)のかくらん』という、ことわざがあったような…」と思いまして。
調べてみたら、「鬼の霍乱(かくらん)」で、また違う語でした。
手元の辞典やネットを調べた感じでは、「霍乱(かくらん)」とは、
日射病(にっしゃびょう)や、夏(なつ)に吐いたりお腹を下したりするなどの、
特に「夏(なつ)の体調不良(たいちょうふりょう)」を広く指す語のようです。
で、上で書いたことわざ、「鬼の霍乱(おにのかくらん)」についてですが、
これは「健康(けんこう)で病気にならなさそうな人が、いきなり具合を悪くする」意味みたいですね。
鬼(おに)は生命力が強そうなので、例えに使われたのだと思います。
(あと「鬼の霍乱」は、特に夏場限定の言葉でも無さそうです)
なので、逆に本来「鬼は体調をなかなか崩さない」のであり、
むしろ「河童(かっぱ)の川流れ(かっぱのかわながれ)」や「猿も木から落ちる(さるもきからおちる)」などの、
「上手い人も時には失敗(しっぱい)する」系のことわざと似ているかと思いますが。
…でも筆者は「河童の川流れ」や「猿も木から落ちる」等の言葉を聞きすぎて、
逆に「川を流れていく河童」や「木から落ちる猿」などのイメージも、持ってしまっている気もします。
少なくとも「絶対失敗しないだろー」とは思わない感じですね。
そう考えると、ことわざ「鬼の霍乱」をよく使う方も、
どこかで「『鬼』は(意外と)『体調を崩す(霍乱)』ものだから…」、
なんてイメージを持ったりしているかもですね。
そう考えるとちょっと面白い気もします。
※
さて、話は変わりますが、
明日からの何日間かは、場所によってとても暖かくなったりするようです。
ニュースによって予想気温は違いますが、20度超えとか、最低気温が16度なんて話もありました。
(しかもその後かなり寒くなるようです)
今の季節は「冬」なので、寒さ対策が重視されますが。
でも一時的に暑くなれば当然「夏」っぽい体調不良…、
それこそ「霍乱(かくらん)」が起こるかもしれないので、
冷え込みや寒暖差と合わせて、暑さにも注意しておくと良いかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「霍乱」を調べるきっかけになった「攪乱」ですが、
「攪乱(かくらん)/撹乱」とは、何かを「かき乱(みだ)す」ことですね。
漢和辞典によれば、「攪(かく)」の字に「みだす」とか「まぜる」意味があるようなので、
「みだす」意味が強いのが「攪乱(かくらん)」、まぜる意味が強いのが昨日書いた「攪拌(かくはん)」という感じですかね。
ちなみに国語辞典で「攪乱」は「平和(へいわ)を乱す」的な意味で説明されていましたが。
漢和辞典やネットでは単に「かき乱す」意味の説明も多く見られ、
また特にバトルやスポーツ系マンガだと「相手のペースを崩(くず)す」くらいの意味だったりする印象です。
(ゲームではスキル名になっていることもあります。例えばゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』では「かく乱」というスキルがあるようです)
◆用語集
・霍乱(かくらん):
関連用語:「酷暑(こくしょ)」*1