理科+国語+社会+生活の話ー。
今は医者(いしゃ)*1などのイメージがある白い服、「白衣(はくい)」と、
昔は「平民(へいみん)」を表したりもしたらしい語、
「白衣(はくい)」や「白衣(びゃくえ)」の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
まず「白衣(はくい)」というと、医者(いしゃ)や研究者(けんきゅうしゃ)が着(き)る白(しろ)い服(ふく)のイメージですね。
言葉としては「白い衣(ころも)」なので、「白い服」全体を指しそうですが、
現代で「白衣」というと、医者等のイメージが強いかなと思います。
ちなみに現代の「手術着(しゅじゅつぎ)」の色は「白」よりも、
「水色(みずいろ)」や「緑色(みどりいろ)」だったりするようですが。
(血の色による目への負担・影響を少なくするためのようです)
それでも、「白衣」というと、まだ「医者」などのイメージもあるように思います。
ところで、昔ほどではないにしろ、
「医者」や「研究者」は「地位(ちい)が高い」職業っぽい気もします。
なので、関連する「白衣」も「地位が高そう」とか「特別(とくべつ)」っぽい気もしますが。
しかし昔においては、むしろ逆だったかもしれません。
というのも「白衣(はくい)」には、「平民(へいみん)の着る服」的な意味もあったらしいからですね。
まず漢和辞典によりますと、
「白衣(はくい)」は、ただ「白い着物(きもの)」という意味もあるようなのですが。
他にも「官位(かんい)のない者」、「平民(へいみん)」、「庶人(しょじん)」という意味があるようです。
「平民(へいみん)」とは、官位や爵位(しゃくい)を持たない…つまり役人(やくにん)や貴族(きぞく)ではない一般人(いっぱんじん)のことなので、
ざっくり言うとここでは「白衣」≒「一般人(平民)」みたいな感じですかね。
また他にも国語辞典・漢和辞典によれば、
「白衣(はくい)」は「白衣(びゃくえ)」という語と、同じ意味のことがあるらしいのですが。
この「白衣(びゃくえ)」の意味が、「黒衣(こくい)の僧侶(そうりょ)に対して俗人(ぞくじん)のこと」(※漢和辞典参考)と説明されていました。
「俗人(ぞくじん)」とは、世間一般の人…一般人や平民って感じなので、
「黒い着物を着たりするお坊さんに対し、そうでない人」→「一般人、平民」って感じですかね。
なので「白衣(はくい)」だけでも「平民」、
また「白衣(びゃくえ)」の意味の「白衣(はくい)」でも、
「僧でない一般人」…昔で言うと「平民」的な説明をされている訳です。
なので昔はむしろ、
「『白衣』といったら『平民』!」って感じだったかもですね。
今の「医者」などの地位の高さと、逆っぽいのが面白いです。
※
まあ、今はあまり「平民」という語も使いませんし、
「白衣(はくい)」を見て「あいつ平民だぜ!」と言う人も少ないでしょうが。
でも色や服、言葉の意味やイメージが、時代によって違うのは面白いですね。
もしかしたら、今は「すごい偉(えら)そうだ…」と思われている服や色が、
未来の世界では、「偉そうじゃないな」とか「昔で言う『平民』っぽいな!」と思われているかも?
(逆に今はあんまり、と思われているものが、未来ですごい地位を示すこともあるかもです)
なので、今度どこかで「白衣(はくい)」を見ることがあれば。
「この『白衣』には…未来でもまだ『医者』や『研究者』のイメージあるのかな?」とか、
「これを着たまま過去にタイムスリップしたら、『平民(白衣)』扱いされるかな…」
なんて色々考えてみるのも、面白いかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみにお医者さんが手術*2の時に着る服を、「術衣(じゅつい)」と呼んだりもするようです。
…なんかゲーム的に考えると「術(魔法)を使うための服」っぽくてカッコいいですね。
まあ「手術」をするための服なので、最初からある意味「術」を使っているのですが。
◆用語集
・白衣(はくい)【現代的な意味】:
関連用語:「病院(びょういん)」*3
関連記事:『医者を表す外国語セブン』*4
・白衣(はくい)【わりと昔の意味】:
・白衣(びゃくえ):
*1:「医者(いしゃ)」や「医師(いし)」については 2/27 英+ゲーム:「ロボット・ドクター」! ~体の部位(ぶい)の問題~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「手術(しゅじゅつ)」については 2/25 英語:手術(しゅじゅつ)に関する英語(を少し) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「病院(びょういん)」については 1/11 英+社:ゲームとかの「宿屋(やどや)/inn」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:記事『医者を表す外国語セブン』については 8/14 生+諸外:「医者(いしゃ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。