生活(文化)+英語+社会(歴史)の話ー。
同じ「チョキ」のような形ながらも、意味合いが違ったりするサイン*1、
「平和(へいわ)/peace」を表す「ピースサイン/peace sign」と、
「勝利(しょうり)/victory」*2を表す「Vサイン(ブイサイン)/V-sign」の話を。
前置き。
昨日「マウスピース」という物について書いた流れで、
似た語の「ピースサイン」が気になったので調べてみました。
※
まず①「ピースサイン」とは、中指(なかゆび)と人差し指(ひとさしゆび)*3を立てる(サイン・ポーズの)ことですね。
いわゆる「チョキ」の形みたいな感じです。
何かが上手くいった時や、テンションが上がった時、
あるいは写真(しゃしん)を撮る時などにしてみせるイメージですね。
で、「ピースサイン」に似た物に②「Vサイン(ブイサイン)」もありまして。
これの形も、いわゆる「チョキ」という感じであり、
日本では、ほぼ同じ物とされている気もしますが…。
しかしこの2つは、意味が違ったりもするようです。
というのも、例えばそれぞれ「平和(へいわ)」と「勝利(しょうり)」を表していたりするからですね。
まず英和辞典によれば、
「peace sign(ピース・サイン)」の意味は「平和(へいわ)の願(ねが)いを示(しめ)す」と説明されていました。
これはそもそも「peace(ピース)/平和(へいわ)」の関連語として載っていましたし、まさに「平和(oeace)のサイン(sign)」→「ピースサイン(peace sign)」という感じですね。
そして英和辞典によれば「Vサイン」こと「V-sign(ヴイ・サイン)」は、
「勝利(しょうり)の印」と解説されていました。
ちなみに英和辞典では「V-sign」の解説に「victory」が出てきていませんでしたが、
Wikipediaによれば、「victory(ヴィクトリー)/勝利」を表すとされていました。
そして改めて「ピースサイン」と「Vサイン」の関係ですが、
Wikipediaによれば、元々②「Vサイン」の方が先にあったようです。
しかしそれが、1960年代の「反戦デモ」の流れで、
それまでの②「Vサイン」の手の向きなどを変えつつ、
平和の①「ピースサイン」として用いるようになった…、ということのようです。
(なのでみんなが一斉に変えたわけではなく、そういう使い方・アピールが生まれたって感じですね)
…ただしWikipediaによれば、日本などの国(日本の近くのアジア諸国など)では、
あまりサインの「向き」などは重要視されていないとか、
「ピースサイン」と「Vサイン」もあまり区別されていない、という話もありました。
なのでもし、「『ピースサイン』と『Vサイン』は違(ちが)いますか?」と聞かれたら。
「違う!」と答える国と、「違わない!」と答える国に分かれるかもですね。
色々食い違いそうで、興味深いです。
※
ちなみに辞典やWikipediaによれば、
ピースサインやVサインなどは、「侮蔑(ぶべつ)」を表すこともあるようです。
つまり相手をバカにする意味になりうる、ということですね。
(手の向きなどにもよるようですが)
この意味合いは、昔よりどうも薄れているようですが、
ただ外国の…特に古い文化が残る地域では、そう見られる可能性も高まるかもしれません。
そのため、自分は何も考えずピースサイン/Vサインをしたつもりが、
それを見た相手に怒られてしまう…という可能性も、残念ながらあるかもですね。
なので、もしあなたが外国に行ったとして。
カメラや人に対して「ピースサイン」や「Vサイン」をしたくなった時は、
その前に「それらがその国や地域でどう見られるか」を、一応チェックしておくといいかも?
まあそんな感じで~。
*1:「sign(サイン)」については 11/16 英語:「サイン」、「シグナル」、「シグネチャー」! ~意味のつながりで英単語覚える話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「勝利(しょうり)」や「victory(ヴィクトリー)/勝利」については 8/26 歴史:戦争と2つの「V」の話 ~勝利(victory)と犠牲(ぎせい/victim)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「人差し指(ひとさしゆび)」については 6/22 生+国:「親指(おやゆび)」も「人差し指(ひとさしゆび)」も「母(はは)」ですか? ~漢字の「母(ぼ)」や、「お母さん指(おかあさんゆび)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。