こころ+国語+ゲーム(勝負系)の話―。
「負けを嫌い続ければ、負けることなど無い…」的な話ではありません。
勝負に負けるのをとても嫌がる性格、「負けず嫌い(まけずぎらい)」と、
その元々の語だったっぽい語、「負け嫌い(まけぎらい)」の話を。
似た語である、「食わず嫌い(くわずぎらい)」などを参考にしつつ。
前置き。
まず「負けず嫌い(まけずぎらい)」とは、負(ま)けるのをとても嫌(いや)がる性格のことですね。
といっても「負けるのが嫌だから勝負(しょうぶ)しない」というよりは、
勝負をした後に「負けると不機嫌(ふきげん)になる」とか、「勝つまで勝負したがる」みたいなイメージです。
で、マンガ等でも「負けず嫌い」のキャラは出てくることが多いので、
筆者も何となく知っているつもりだったのですが…。
…しかし、ふと「負けず嫌い」の意味が気になりまして。
というのも例えば、「~ず」という言葉は否定形を表したりします。
例えば「食わず嫌い(くわずぎらい)」という語は、
「ある物を食べたことも無いのに、嫌(きら)って食べない」みたいな意味です。
(例:「カレー食べたことないけど、何となく嫌いだし食べないわー」など)
その流れで考えると、「負けず嫌い」は、
「負けたこともないのに、負けるのを嫌がる」(仮)的な意味になりそうですが。
それは上に書いた、負けず嫌いの「負けた後に不機嫌になるイメージ」と合わないですね。
などと思って調べてみると、
どうやら「負けず嫌い」、元々は違う言葉だったっぽいです。
というのも国語辞典によれば、「負けず嫌い」は、
「『負け嫌い(まけぎらい)』と『負けず(まけず)』の混合(こんごう)」だそうで。
「負け嫌い(まけぎらい)」はまさに今の「負けず嫌い」的な意味で、
一方「負けず(まけず)」は「負けない」、あるいは「負けないようにする」的な意味なので、
これが混合…混(ま)じったことで、「負けず嫌い(負け嫌い)」の名前と意味が少しズレたのかな、と思われます。
なので「負けず嫌い」は「負け嫌い」を元に考えると分かりやすそうですが。
しかし今は「負け嫌い」という語はあまり聞きませんし、
一方で、似た語の「食わず嫌い」(食べたことない物を嫌がる)は有名な印象です。
するとやはり「負けず嫌い」は「食わず嫌い」をベースに、
「負けたこともないのに、負けるのを嫌がる」的にも見えるので、
「『負けず嫌い』は今まで『無敗(負け無し)』だったのか…!?」って風にも見えてしまいますね。負けてから不機嫌になるチャンスもない矛盾
※
ちなみに、「負けず嫌い」の善し悪しについては、色んな説がある印象です。
例えば「負けても気にしない」方がストレスは少なそうですが、
一方でアスリートや選手だと、むしろ「負けず嫌い」…負けて悔しがる方が伸びる、という話も聞きます。
でも、あまりに悔しがりすぎて嫌になったら、途中で辞めちゃいそうですね。
何が良い、というのは難しいですが、
しかし「負けから学ぶ物は多い」みたいな話も聞きます。
だから負けを嫌がって勝負しない「負け嫌い」(※本来とは別の意味)よりは、
勝負して(負けて)悔しがる「負けず嫌い」の方が、学ぶ物は多いかもですね。
(勝負しなければある意味「無敗」になれますが、負けからの学びは得られなさそうです)
だから、あなたが何かに「負け」て悔しがった後、
それでも(それだから)、もう一回挑戦してみよう…と思ったら。
「私も結構、『負けず嫌い』だな!」とか、
「最初から勝負もしない『負け嫌い』(※)じゃあ、この学びは得られない…」なんて思いつつ、
ニヤリと笑ってみるのも、楽しいかもですね。
まあそんな感じで~。