6/18 こころ＋国他：「無い（ない）」ものは「無限（むげん）」に「あり」ますか？　～「無い物ねだり（ないものねだり）」等の話～

　こころ＋国語＋社会＋数学の話―。

　そこに無い物などを欲しがること、「無い物ねだり（ないものねだり）」と、
　「無い」物が「ある」（「無い」と感じる物が「ある」）って響きは面白いかも…的な話です。

　割と思いつきなので雑かもです。すみません。
　あと今日は「父の日」ですが、特に関係無いテーマですみません。

　前置き。
　昨日「無双（むそう）」*1という言葉について書いた後、
　少し似た語の「無い物ねだり」が気になったので、その話を。

※

　まず「無い物ねだり（ないものねだり）」は、無い（ない）物を欲しがることですね。
　自分が持ってない物、そこに無い物を欲しがる感じです。
　例えば子どもが「クラスの○○君が持ってるおもちゃ、買って～！」と言うとか、
　あるいはライバルが「△△みたいな才能（さいのう）が、俺にもあれば…！」などと言うイメージです。

　で、人は「既（すで）にある／持ってる」物は欲しがらなさそうなので、
　「無い物ねだり」は、「無い物」を欲しがる人…、
　つまり「無い物」が「ある」人がしそうですが。

　そこでふと、「『無い』物が『ある』って、響きが面白いな…？」と思いまして。
　文章的には矛盾（むじゅん）はしていないのですが、
　「無いのかあるのかどっちなんだ…」って感じもしますね。
　数学で言うと、「０（ゼロ）」や「－（マイナス）」が「ある」という感じに似てるかもです。

　で、そこからさらに考えたのが、
　実は世の中、実際に「ある」物より、
　「無い」物の方が「多く」感じられることもあるのでは？…的なことですね。

　例えば、机の上に果物（くだもの）の「りんご」があったとして。
　そこから言えるのは、「机の上に『りんご』がある」という１つの事実ですね。

　でもそこで、他の果物について「無い物ねだり」をすれば、
　「机の上に『みかん』が『無い』！」とか、
　「机の上に『ぶどう』が『無い』！」なんてことは、いくらでも言えそうですね。
　机の上に「ある」物に限りはあっても、
　「無い」ものはそれこそ「限り（かぎり）が無い」…「無限（むげん）」*2という感じです。

　なのでその気になれば、その場にない物を「無い物ねだり」できるので、
　実は「『無い』ものは『無限』に『ある』！」と言えるのかもしれません。
　…やっぱり字面（じづら）が矛盾してるっぽいですね。

※　

　さてこう書いてしまうと、クレーマーやネガティブっぽい感じもするので、
　「『無い物ねだり』はしない方がいいのか…」と思われるかもですが。
　むしろ、この「無い物ねだり」…、「無い物を意識する能力」は、
　実は人間の大きな力（ちから）では？という話もあったりするようです。

　というのも、この辺りは『「推し」の科学』という本を参考にさせて頂いている所が大きいのですが（※詳細は追記で）、
　人間の「知恵（ちえ）」や「文明（ぶんめい）」というものは、
　「ここにまだ無い物が欲しい」とか「作ろう」という気持ちで、発達してきたのでは…という話もあるようです。
　なので、逆に途中で満足（まんぞく）してたら、それ以上は発達しなかったかもですね。

　なので、「自分はちょっと欲（よく）が深くてイヤだなあ」という方や、
　「ついつい『無い物ねだり』ばかりしちゃうんだよな～」という方は。
　逆に「今ここに『無い』、『理想の世界』を作ってやるぜ！」と、
　そこに向けて「無い物」がどれだけ「ある」か、考えてみるのもアリかも？

　まあそんな感じで～。

　関連記事：『自由引き算』*3

追記
　ちなみに本文の最後の辺りは、「久保（川合）南海子」さんの『「推し」の科学』（おしのかがく）（2022、集英社新書）という本を参考にさせて頂いています。
　今回のテーマ「無い」こと、あるいは「そこに無い物を意識する」ことを考える中で、
　これは筆者のオリジナル思考じゃなくて、この本の影響が大きそうだ…ということで記させて頂きました。
　タイトルにある「推し（おし）」や、アイドル文化、また色んなアニメやゲームの話も載っていて面白いので、個人的にオススメの本ですね。

◆用語集
・無い物ねだり（ないものねだり）：
　関連用語：「限界（げんかい）」*4、「願い（ねがい）」*5
　関連記事：『願いを表す外国語セブン』

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