国語+こころの話ー。
シュールなタイトルでお送りしておりますが。
考えた中で最悪のことが起きた時に使う語①「よりによって(選りに選って)」と、
それと同じ書き方・意味なのに読みが違う語、
②「えりにえって(選りに選って)」の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
まず①「よりによって」とは、不運(ふうん)なときに使う言葉ですね。
他のことが起こる可能性(かのうせい)も十分あるのに、
その中で割と最悪(さいあく)なことが起こる…という感じです。
例えば「よりによって、遠足(えんそく)の日に台風(たいふう)が来るらしい」とかですね。
で、そんな「よりによって」は、漢字を使って書くと、
①「選りに選って(よりによって)」となるらしいのですが。
実は、この「選りに選って」は、もう一つ読み方があるようです。
それが②「選りに選って(えりにえって)」という物ですね。
国語辞典では②「選りに選って(えりにえって)」は、
「よりによって」の老人語(ろうじんご)…つまり古い言葉と解説されていました。
なので、意味は同じだけれど読みが違う、というわけですね。
まとめると、
「①『よりによって(選りに選って)』は②『えりにえって(選りに選って)』!」とも言えそうなのですが。
…なんか並べると外国語っぽい気もしますね。「ヨリニヨッテ」とか「エリニエッテ」とか
※
さて、「同じ字でも、読み方が変わると意味も変わる」ということは結構ある気がしますが、
対して今回の「よりによって」と「えりにえって」は、
「意味が同じなのに、読みが2つある」感じなので、なかなか興味深いです。
(まあ「方言(ほうげん)」とかで結構ある気もしますが、それはそれとして)
もちろん、他にもそういう日本語はあるかもですし、
なんなら気づかず使っているかも?
なので、もし漢字の読みについて、誰かと意見が分かれたら。
今回の「よりによって」等を頭に入れつつ、確認してみるのも面白いかもですね。
(※正解・不正解を決めようとするとモメるので、それは抜きかほどほどで)
まあそんな感じで~。
追記
漢和辞典によれば「選(せん)」という漢字には、
そもそも①「選る(よる)」、②「選る(える)」という二つの読み方があるようです。
(※順不同ですが、本文で「よりによって」をメインにしたので、順番をそちらに合わせています)
しかし大体意味は同じ…「選ぶ(えらぶ)」的な感じなので、
今回の「よりによって/えりにえって」のように、
「意味は同じだけど読みが違う言葉」が、(関連語として)複数あるようです。
例えば、
「選り好み」:「よりごのみ」、「えりごのみ」
「選りすぐる」:「よりすぐる」、「えりすぐる」
「選り抜き」:「よりぬき」、「えりぬき」
「選り分ける」:「よりわける」、「えりわける」
…などのパターンがあるようですね。
ただ国語辞典では、
「選り取り見取り(よりどりみどり)」という語に対して、「えりどりみどり」という語は確認できず、
逆に「選り嫌い(えりぎらい)」という語に対して、「よりぎらい」という語は確認できませんでした。
もちろん、どこかに存在するかもですが、もしかしたら例外になっているかもですね。
そう考えるとちょっと面白い気もします。