社会+国語+理科の話ー。
称号(しょうごう)・身分(みぶん)の一つ「男爵(だんしゃく)」と、
鳥の一種「スズメ(雀)」、
そして元々「スズメの形の杯(さかずき)」という意味らしい、「爵(しゃく)」という漢字の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日「酌(しゃく)」*1周りを調べていた流れで、
ふと見た近くの「爵(しゃく)」や「男爵(だんしゃく)」等が面白かったので、その話を。
※
まず「男爵(だんしゃく)」とは、爵位(しゃくい)の一つですね。
「爵位(しゃくい)」とは、ざっくり言うと、偉(えら)い感じの称号(しょうごう)・身分(みぶん)という感じです。
内容は色々ありますが、主に「五爵(ごしゃく)」…上から「公爵(こうしゃく)・侯爵(こうしゃく)・伯爵(はくしゃく)・子爵(ししゃく)・男爵(だんしゃく)」という順番の物が有名ですね。
上記の「爵位(五爵)」は、明治期の日本の華族(かぞく)…、
つまり当時の貴族(きぞく)的な人たちに用いられていたらしいのですが。
しかし今の日本では、廃止(はいし)されているようですね。
ただ今でも、海外貴族の方についてのニュースや、アニメなどで耳にすることはある印象です。
ところで、「男爵」や「爵位」は人間(にんげん)の決めた物なので、
鳥の「スズメ(雀)」には、まあ関係無いものに思えるのですが。
しかし意外にも、スズメは「爵位」に深く関わっているようです。
というのも、「爵(しゃく)」という字が「スズメ」関係を指したり、
「スズメの形の杯(さかずき)」という意味があったりするらしいからですね。
まず国語辞典や漢和辞典によれば、
「爵(しゃく)」というのは、元々「スズメの形をした杯(さかずき)・酒器(しゅき)」らしいです。
国語辞典によれば、これが後に「礼器(れいき)」という物として使われるようになり、
この「礼器」は「並び順が重要」ということから、
「順位(じゅんい)」(つまりランク・ランキング)や、上記の「爵位」(公・侯・伯・子・男)などの身分を表すようになったようです。
また漢和辞典では、「爵」の字の上の部分は「スズメ」の意味であるとか、
そもそも字の意味として「くらい。爵位。すずめ。」という風な文もあったりしました。
…色んな所に「スズメ(すずめ)」が顔を出してますね。
ちなみに関連語に、「爵羅(しゃくら)」という、スズメを捕まえる網(あみ)があるらしいのですが、
これは「雀羅(じゃくら)」と同じである、とも書いてありました。
なので「爵羅=雀羅」という風に、「爵=雀」という書き換えが可能になっているわけですね。
で、それらのことを知ってから「男爵」という字を見ると、
「男」とは、スズメで言うと「雄(おす、オス)」*2に当たりますので、
逆に「『オス(男)』の『スズメ(爵)』は『男爵』…!?」なんて思ってしまいますね。
…スズメが貴族っぽい服を着てそうで、ちょっと可愛い気もします。
※
まあ、それは筆者のジョークですが。
でも今度どこかで「スズメ(雀)」を見たり、
「男爵」や「爵位」という言葉を聞いたりしたら、
色々思い出してみるのも、面白いかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに記事を書いた後で、
「『女爵』という言葉はあるのか?」と気になって調べてみましたが、
厳密に言うと、単語そのものとしては「無い」かもしれません。
というのも、女性に対して爵位が与えられる場合、
例えば「伯爵」などの前に「女」とつけられて、「女伯爵」、またそこから「女伯」と呼ばれたりするらしいからですね。
そのため「男爵」の場合は「女男爵」となるようなので、「女爵」ではなさそうでした。よってメスのスズメでの勘違いが難しく
…ところで「女伯」(女伯爵)や「女侯(女侯爵)」といった略称は見た覚えがあるのですが、
この略し方だと「女子爵」は「女子」、「女男爵」は「女男」になってしましますね。
まあ当然もっと上手い呼び方があると思いますが、ちょっとシュールで面白い気もします。
◆用語集
・男爵(だんしゃく):
・爵位(しゃくい):
・爵(しゃく):