歴史+英語の話ー。
土の中、というよりは正確には「土に掘った穴(あな)*1の中」ですが。
「トレンチコート」と「塹壕(ざんごう)についての話…なんですが。
まずは謝罪を。
今日は『タイムスリップ・自己紹介ゲーム』*2という記事を書いたんですが、
…見返してみると、過去にも全く同じ名前でゲーム考えてました。
かなりボケてましたねー。道理で耳馴染みがある名前だと思った!あっはっは。
…すみません。
という訳でダブった記事は消して、慌てて今日の分の記事を書きまする。
簡単に。
前置き。
前日、NHKのテレビで「ノモンハン事件」についてのを見ました。
過去に「ソ連」(ソビエト連邦)と日本が戦って、日本軍がかなり負けたことでも知られる戦いですね。
で、そこに日本軍が「塹壕(ざんごう)」という穴をとても長く掘ったようで、
全長は100kmくらいになる、ということを紹介していました。
「塹壕」というのは簡単に言うと、相手の弾丸*3をよけるための穴ですね。
この塹壕というものは、戦争の用語だから普段の生活には関係ないように思えますが、
今でも「衣服(いふく)」にその名残(なごり)はあったりします。
それが「トレンチコート」ですね。
何かというと、トレンチコートのトレンチとは「塹壕(ざんごう)/trench(トレンチ)」のことなんですね。
Wikipediaによれば「第一次世界大戦(だいいちじせかいたいせん)」*4のときに、イギリス軍が考え出したようです。
塹壕は地面に穴掘っただけなので天井とかはなく、当然あまり暖かくはないわけです。
寒いところだと、もろに寒さを食らうことになります。
そこで防水性(ぼうすいせい)が高く、また生地が分厚いコートが役に立ち、これがトレンチコート(Trench coat)、つまり「塹壕のコート」と呼ばれるようになったようですね。
で、改めて、なんで「塹壕(ざんごう)」なんてものを掘るのか、と言うと。
その理由には、主に銃や大砲、機関銃(きかんじゅう)の発達があるようです。
「塹壕」自体は昔からあったのですが、Wikipediaなどによると主に城の周りに掘るなどの防御用だったそうです。
しかし「機関銃(きかんじゅう)」などが発明されて、お互いにすごい勢いで弾を撃てるようになると、正面から敵には近づけなくなりました。
普通に近づこうとすると撃たれるわけですからね。かといって相手も気を付けているので、簡単には回り込めません。
なのでせめて穴を掘って姿勢を低くし、弾をよけつつ、じりじりと相手に近づくように戦わなければいけなくなりました。
つまり攻撃の時にも塹壕を掘る必要が出てくるわけです。
これをメインにした戦いを、「塹壕戦(ざんごうせん)」というようです。
第二次世界大戦の時には、歩兵の仕事の8割は塹壕を掘ることだ、と言われたくらいだとか。
しかし寒い中、塹壕で、頭上を弾丸や大砲の弾がびゅんびゅん飛び交う中を、土を掘りながらじりじりと進む…
想像すると、かなり辛そうですね。
まあ今は幸い、戦場の塹壕でなくても「トレンチコート」は着れたりします。
お盆を過ぎて少し涼しくなりまして、「コート」を使う時期が少し近くなったかもですが。
「トレンチコート」を見たときには。そんな由来があったことを思い出してみてもいいかもしれません。
…願わくば、あなたが、これを本来の「塹壕/trench」の中で使うはめになりませんように。
まあそんな感じで~。
関連用語:「空襲(くうしゅう)」*5
追記
ちなみにこの「第一次世界大戦」から戦争の形は大きく変わったと言われます。
それまでは割と一部の地域や軍人さんなどが戦っていたのですが、
この時代には、銃や工場の発達によって大量に武器などを作れるようになっておりまして。
ここから戦争は、本格的に国全体を巻き込むような「総力戦(そうりょくせん)」になっていったということです。
「短時間でいろんなものが作れてしまう」「色んなところに物資を素早く動かせるようになっている」からこそ、
お互いに手が抜けなくなってしまった…って感じですかね。
機関銃なども発達していますので、戦国時代のように「馬で突撃」ということもしにくくなっています。
発明や文明が、戦いの形を大きく変えたわけですね。
◆用語集
・トレンチコート:
関連用語:「セーラー服」*6、「合羽(かっぱ)」*7
・塹壕(ざんごう):
関連用語:「鉄条網(てつじょうもう)」*8、「トンネル」*9、「掘削技術(くっさくぎじゅつ)」*10、「掘る(ほる)」*11、「発掘(はっくつ)」
・コート【服】:
関連用語:「燕尾服(えんびふく)/tailcoat(テイルコート)」*12、「仕立て屋(したてや)」*13
・外套(がいとう):
関連用語:「マント」*14
・coat(コート)【英語】:
関聯用語:「紋章(もんしょう)/coat of arms(コート・オブ・アームズ)」*15、「糖衣錠(とういじょう)/sugar-coated pill(シュガー・コーテッド・ピル)」*16
似てる言葉:「court(コート)/法廷など」*17
*1:「穴(あな)」については 8/21 地理+英語:「テーブルランド」と「ホロウ」! ~台地(だいち)と盆地(ぼんち)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:筆者の自作ゲーム『タイムスリップ・自己紹介ゲーム』については 4/13 歴+ゲーム:歴史上の人物になって自己紹介!? ~自作ゲーム『タイムスリップ・自己紹介ゲーム』~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「弾丸(だんがん)」については 7/2 英語:ゾンビ物で出てきそうな英単語! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「第一次世界大戦(だいいちじせかいたいせん)」については 2/4 社+ゲーム:並べかえ問題と、RPGのイベント! ~まず復活して、それから暴れます~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「空襲(くうしゅう)」については 9/13 歴+理数:「戦闘機(せんとうき)」/戦場(せんじょう)」を異次元(いじげん)にするもの ~高さ、そして3次元戦闘~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「水兵(すいへい)」に由来する「セーラー服」については 5/31 英+国:セイル・セ-ラー・セーリング! ~水兵(すいへい)と、風(かぜ)を受ける帆(ほ)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:昔の武将も来たりしていた服「合羽(かっぱ)」については 7/10 生+ポル他:「カッパ」といえば「ポルトガル」ですか? ~「カッパ」と「合羽(かっぱ)」と「capa(カパ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「鉄条網(てつじょうもう)」については 7/30 体+英他:「サッカー」と「バレー」と「忍者(にんじゃ)」の関係!? ~「spike(スパイク)」についての話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「トンネル」については 12/6 家+歴:「12月」を楽しくするパン? ~「シュトーレン」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「掘削技術(くっさくぎじゅつ)」については 12/3 地理+理科:日本とか、浮力とか、ソシャゲとかの話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「掘る(ほる)」や「発掘(はっくつ)」については 12/19 英+学他:「受験生(じゅけんせい)」は毎日「dig(ディグ)」してますか? ~「dig/こつこつ勉強する(等)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:英語では「tailcoat(テイルコート)」ともいう「燕尾服(えんびふく )」については 3/1 理科:「燕(ツバメ)」と関わるあれこれ ~食材、蝶、人工衛星~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:洋服を作る人・店「仕立て屋(したてや)」については 5/17 生+英他:「仕立て屋(したてや)」に「尻尾(しっぽ)」はありますか? ~「tailor(テーラー)」と「tail(テール)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:外套の一種「マント」については 12/22 理+英他:「肩(かた)」に「マントル」をかけますか? ~星の「マントル(mantle)」と「mantle/マント」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:英語では「coat of arms(コート・オブ・アームズ)」ともいう「紋章(もんしょう)」については 11/13 英語:冷蔵庫の中の「コンパートメント」! ~区画(くかく)、仕切りの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:英語では「sugar-coated pill(シュガー・コーテッド・ピル)」などともいう「糖衣錠(とういじょう)」については 10/4 生+英:「糖衣錠(とういじょう)」は「砂糖(さとう)」付きの「丸薬(がんやく)」ですか? ~「糖衣錠」と「sugar-coated pill」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:英語の「court(コート)」については 8/7 こころ+英他:「コート」といえば「求愛(きゅうあい)」ですか? ~「court(コート)/求愛する」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。