国語の話ー。
「非(ひ)」、「不(ふ)」、「未(み)」など、
「打消し(うちけし)」の言葉って意外と学びやすいかも?という話です。
前置き。
国語、あるいは日本語には「対義語(たいぎご)」というものが色々あります
ざっくり言うと、反対の意味の言葉、あるいは「対(つい)」(ペア)になる言葉ですね。
例えば、「朝(あさ)」*1という言葉のの反対は「夜(よる)」、「大きい」の反対は「小さい」みたいな感じですが、
これは「朝」の対義語が「夜」で、「大きい」の対義語が「小さい」とも言えます。
で、対義語の中には、ある言葉に「非(ひ)」や「不(ふ)」など打消しの言葉を付けたものもあります。
例えば「常識(じょうしき)」に対する「非常識(ひじょうしき)」、
「完全(かんぜん)」に対する「不完全(ふかんぜん)」、
「達成(たっせい)」に対する「未達成(みたっせい)」とかですね。
ちなみに打消しの言葉の大体の意味は
・「非(ひ)」…「~でないこと」
・「不(ふ)」…「~でないこと」、「~を満たせていないこと」
・「未(み)」…「今の時点では足りていないこと」
みたいな感じです。
で、これらを利用した対義語は、元になる言葉を覚えてしまえば、割と作るのは楽とも言えます。
例えば、「普通(ふつう)」という言葉の対義語に「特別(とくべつ)」というものがありますが、
これは「普通」とは一つも漢字がかぶっていないので、丸ごと覚えなきゃいけません。
そして、あらかじめ覚えていないと、答えられませんね。
それに対して「非常識(ひじょうしき)」の方は、
「常識」の上に打消しの「非」をつけるだけなので、楽ともいえそうですね。
意味的にも、「非常識」→「常識でない」→「常識が無い」という風に、考えやすかったりもします。
また「非常識」の方を知らなくても、「常識」をもとに考え出すこともできるかもしれません。
とまあ、色々といいことがあるのでは?と思ったわけです。
国語のテストでは熟語に関する問題も多く出たりして、
どれだけ言葉を知っているかが試されたりします。
だけど「国語は苦手で、知っている言葉が少ない!」という方は、
まずはこの「非(ひ)」、「不(ふ)」、「未(み)」のついた言葉から学んでみるのも、いいかもしれません。
日本語で「一・二・三」の数字を「ひ・ふ・み」と呼んだりしますが、
「非(ひ)・不(ふ)・未(み)」もそんな感じに、ちょうどいい「入り口」になってくれるかも?
まあそんな感じで~。
追記
後で思いつきましたが、他にも打消しの言葉は色々ありますね。
例えば「否(ひ)」とか「無(む)」とか
「半(はん)」とか「反(はん)」はちょっと違う気もしますが、完全でない、という意味ではまた違う意味にしているものと言えるかもしれません。
追記2
以下に色んな「非」「不」「未」の言葉をざっくりメモっておきます。
・非情(ひじょう)…「非(ひ)」+「情(じょう)」
→情(じょう)が無いこと。優しさが無いこと。
・非常(ひじょう)…「非(ひ)」+「常(じょう)」
→常(つね)でないこと。普通でないこと。
関連語:「非常口(ひじょうぐち)」*2、「非常事態(ひじょうじたい)」、「滅法(めっぽう)」*3、「滅相(めっそう)」*4
・非常識(ひじょうしき)…「非(ひ)+「常識(じょうしき)」
→常識が無いこと、常識的でないこと。普通でないこと。
・非人道的(ひじんどうてき)…「非(ひ)+「人道的(じんどうてき)」
→人道的でないこと。人間らしくない、道徳的でないこと。
・非服従(ひふくじゅう)…「非(ひ)」+「服従(ふくじゅう)」
→服従しないこと。従わないこと。
・非暴力(ひぼうりょく)…「非(ひ)」+「暴力(ぼうりょく)」
→暴力を振るわないこと。
・不完全(ふかんぜん)…「不(ふ)」+「完全(かんぜん)」
→完全でないこと。欠陥(けっかん)があること。
・不死(ふし)…「不(ふ)」+「死(し)」
→死なないこと。
関連語:「不死身(ふじみ)」、
・不十分(ふじゅうぶん)…「不(ふ)+「十分(じゅうぶん)」*5
→十分でないこと、足りないこと。
関連用語:「必須(ひっす)」*6
・不老(ふろう)…「不(ふ)」+「老(ろう)」
→老いないこと。年を取らない、老けないこと。
・未解決(みかいけつ)…「未(み)」+「解決(かいけつ)」
→(事件や問題などが)解決していないこと。
・未達成(みたっせい)…「未(み)」+「達成(たっせい)」
→ある目標や基準を達成できていないこと。(期間内に)達成できなかったこと。
◆用語集(※人名等、敬称略)
・対義語(たいぎご):
反対の意味の言葉や、対になる言葉。
英語では「antonym(アントニム)」。
これに対して、互いに意味がよく似ている言葉同士などは「類義語(るいぎご)」、「同義語(どうぎご)」というらしい。
Wikipediaのページでは「対義語の対義語は類義語や同義語」と書かれていた。意味は分かるがちょっとややこしい。
ちなみに、英語が似ている言葉に「頭字語(とうじご)/アクロニム(acronym)」というものもある。
関連用語:「同音異義語(どうおんいぎご)」*7、「接頭辞(せっとうじ)」*8、「語幹(ごかん)」*9
・非(ひ):
・不(ふ):
関連用語:「不朽(ふきゅう)」*10、「不等辺三角形(ふとうへんさんかっけい)」*11、「不調(ふちょう)」*12、「不快(ふかい)」*13、「不快指数(ふかいしすう)」、「不健全(ふけんぜん)」*14
・未(み):
関連用語:「まだ(未だ)」*15、「まだまだ(未だ未だ)」
・頭字語(とうじご):
何かの略称の(頭文字の)アルファベットを読むやり方。
Wikipediaによれば2つに分類されることもあり、
①イニシャリズム(initialism)…アルファベットをそのまま発音するやり方。
例:「FBI(エフ・ビー・アイ)」、「OECD(オー・イー・シー・ディー)」など
②アクロニム(acronym)普通の英単語のように混ぜて発音するやりかた
例: 「AIDS(エイズ)」、「OPEC(オペック)」など
という感じらしい。
関連用語:「TRON(トロン)」
・常識(じょうしき):
ある社会・グループなどに属する人なら知っているだろう知識(ちしき)*16。
英語では「common sense(コモン・センス)」。
対義語は「非常識(ひじょうしき)」。
しかし「何が常識か」ということに対しては、それぞれ人の考えが違ったりもする。
そのため「そんなんも知らないの、常識でしょ!」という内容が常識ではなかったり、ある限られたグループでの知識だったりもする。
例えばバトルマンガとかでは「戦場ではこんなの常識だぜ」というセリフがあったりするが、それは裏を返せば「戦場」以外ではその知識が常識でない可能性を示してもいる。
ちなみにアメリカの哲学者「トマス・ペイン」が書いたパンフレットのタイトルは『コモン・センス』だったりする。
関連用語:「common(コモン)」*17、「sense(センス)」*18、「センサー(sensor)」、「ultra(ウルトラ)/極端な」*19、「世故(せこ)」*20、「世事(せじ)」、「せこい」
・「トマス・ペイン」(Thomas Paine):1737年 -1809年。
イギリス出身、アメリカの哲学者。
上記の『コモン・センス』でとくに有名。
内容は、Wikipediaによると、アメリカがイギリスから独立するのは、当然、常識である、というような内容だったようだ。
またアメリカ合衆国初代大統領「ジョージ・ワシントン」の下で働いたりしたようだ。
・「ジョージ・ワシントン」:1732年 - 1799年。
アメリカ合衆国、初代大統領。
「アメリカ独立戦争」においては総司令官を務めたようだ。
Wikipediaによればネイティブアメリカン(いわゆる「インディアン」)の人々に対しては虐殺を行ったらしい。
関連用語:「フリーメイソン」*21
・アメリカ独立戦争:
アメリカ大陸の植民地(後のアメリカ)がイギリスから独立するために、イギリスと戦った戦争。
関連用語:「サラトガの戦い」*22、「ヨークタウンの戦い」*23、「フランス革命」*24
*1:「朝(あさ)」や「夜(よる)」については 12/26 英語:単語/関係(かんけい)を意識してみる ~石と山とか、朝と夜とか~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「非常口(ひじょうぐち)」については 3/22 国+英:家でも「脚光(きゃっこう)」は浴びれますか? ~「脚光(きゃっこう)/footlight」と「足元灯(あしもととう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「非常に」という意味もある語「滅法(めっぽう)」については 1/30 国+社他:「法(ほう)」が「滅ぶ(ほろぶ)」のは「素敵(すてき)」ですか? ~「滅法(めっぽう)」と「素敵滅法(すてきめっぽう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「非常に」という意味もある語「滅相(めっそう)」については 1/31 国+社他:「滅相(めっそう)もない」は「滅(ほろ)びない」ですか? ~「滅相もない」、「滅相(めっそう)」、「滅び(ほろび)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「十分(じゅうぶん)」については 8/20 国+数:「十分」は「十分」じゃないですか? ~①「十分(じゅっぷん)」と②「十分(じゅうぶん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「必須(ひっす)」については 8/21 理+国:「あごひげ」は「必須(ひっす)」なものですか? ~「須(す)/必要(ひつよう)とする、あごひげ(顎髭)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「同音異義語(どうおんいぎご)」については 7/16 国語:なぞかけメイカー・準備編 ~「同音異義語(どうおんいぎご)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「接頭辞(せっとうじ)」については 6/21 英語:「接頭辞(せっとうじ)」/色んな「medi-」の話 - のっぽさんの勉強メモを参照。
*9:「語幹(ごかん)」については 10/13 英+学+ゲーム:「ズル」して「100語」を覚えるゲーム!? ~自作ゲーム『ズルワード100』~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「不朽(ふきゅう)」については 2/9 国+こころ:「不朽(ふきゅう)」って何ですか? ~「不朽」と「朽(く)ちる」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:辺の長さがどれも等しくない三角形「不等辺三角形(ふとうへんさんかっけい)」については 11/7 数学:図形/これは「不等辺三角形(ふとうへんさんかっけい)」ですか? ~辺が揃ってない三角形の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「不調(ふちょう)」については 7/5 国語:「好(こう)」の「反対(はんたい)」は「不(ふ)」ですか? ~「好調(こうちょう)」と「不調(ふちょう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「不快(ふかい)」や「不快指数(ふかいしすう)」については 3/27 生+英他:「不快指数(ふかいしすう)」の「逆(ぎゃく)」は何ですか? ~「不快指数」と「amenity(アメニティ)/快適(かいてき)さ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「不健全(ふけんぜん)」については 7/3 社+英他:この「アニメ」は「病弱(びょうじゃく)」ですか? ~「unhealthy(アンヘルシー)/不健全(ふけんぜん)な、病弱な」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:「まだ(未だ)」や「まだまだ(未だ未だ)」については 11/6 国語:「またまた」などを漢字で書けますか? ~「またまた」と「また」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:「知識(ちしき)」については 1/3 社会:「異世界(いせかい)」と「貧困国(ひんこんこく)」の関係!? ~「知識(ちしき)」と「活躍(かつやく」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:英語の「common(コモン)」については 4/20 社+英他:「ありふれている」からこそ「良い」物? ~「common(コモン)/ありふれた」と「常識(じょうしき)/common sense」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:「sense(センス)」や「センサー(sensor)」や「TRON(トロン)」については 6/20 理+英:「センサー(sensor)」の「センサー」は要りますか? ~装置の「センサー」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:「極端な」という意味合いもあり、常識からズレた意味も表すことがある英語「ultra(ウルトラ)」については 9/16 社+英他:その「ウルトラ」は「ほめ言葉」ですか? ~「ultra(ウルトラ)」と「極端(きょくたん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:「世故(せこ)」や「世事(せじ)」、「せこい」については 9/4 国+社他:「せこい」を漢字で書けますか? ~「せこい」と「世故(せこ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*21:結社「フリーメイソン」については 9/26 国語:「振替(ふりかえ)」休日の「振り(ふり)」って何? ~割り当て、振動(しんどう)、あと色んな「ふり」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*22:「サラトガの戦い」については 3/7 歴史:歴史に居合わせた船、「サラトガ」!? ~ペリー来航、太平洋戦争~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*23:「ヨークタウンの戦い」については 4/9 歴史:そこにもここにも「ヨークタウン」!? ~軍艦、ゲーム、スーパ-マーケット~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*24:「フランス革命」については 7/6 理+社:「公転(こうてん)」と「革命(かくめい)」 ~2つのレボリューション~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。