国語+英語+こころの話ー。
今日は10月6日…10(とう)・6(ろ)の日ということで、
話し合いを表す言葉「討論(とうろん)」と、
そこに含まれる「討(とう)」の意味についての話です。
前置き。
まず「討論(とうろん)」というと、話し合いのことですね。
いろんな意見を出し合って、みんなで考える感じです。
ちょうど先日もアメリカ*1で次期大統領候補の討論が行われたようですし、
また対応する英語の「debate(ディベート)」*2や「discussion(ディスカッション)」などの言葉もあるので、聞きなじみがある方は多いかもしれません。
そんな「討論」には「討(とう)」という字が含まれていますが。
ところが「討」というと関連語は「討(う)つ」とか「討伐(とうばつ)」とか、
話し合いというよりは「倒(たお)す」という感じのものも多いですね。
そこが気になって漢和辞典を調べてみると
「討」の字には①「悪人を攻める」とか「殺す」等の意味があるとのことでした。
上に書いた「討伐(とうばつ)」などはこちらの関連語ですね。
ただ一方で②「たずねる」、「たずねきわめる」等の意味も載っていました。
いろんなことを質問したり、調べたりする感じですね。
こちらには「検討(けんとう)」や「討議(とうぎ)」などが関係していそうです。
実は、漢和辞典による文字由来の解説も2つありまして。
「討」の由来は①「罪人を言葉で責めること」という説と、
②「話し合いによって正しくおさめること」という説の、両方が載っていました。
だからどちらが正しい意味というよりは、その両面を「討」の字は持っているのかもしれません。
例えば筆者は「討論」の「討」は②の「話し合い」の方かと思いますが、
ただ一方で、話し合いとかディベートでは、相手に「勝ちたく」なるところもあります。「相手を言葉でやりこめてやろう」って感じですね。
そんな風に「攻撃的」になった「討論」は、
「討」のもう一つの意味、①の「罪人を責める」とか「攻める」方に近くなっているのかもしれません。
その意味では「『討論』の『討』は『攻撃(こうげき)』*3のことだ!」ともいえ、
またそちらを「正しい」と思っている方もおられるかもですね。
※
まあ何がいいか悪いかは筆者にはわかりませんが、
「討論」や話し合いが、いろんな目的を持つことがあるのは重要かもしれません。
例えば、勝ち負けなしに話し合って意見を出す「討論」もあれば、
逆に勝ち負けをつけるゲームとしてのディベート…「討論」もあるかと思います。
しかしその目的が相手と食い違っていては、お互いやりづらいかもですね。
なので討論の時に「相手と食い違っているかも?」と思ったときは、
「これは何のために話し合う場だっけ?」ということ、
いうなれば「この『討論』の『討』は何の意味なのか?」ということを、
まず「討論」して確認してみてもいいかもですね。
まあそんな感じで~。
◆用語集
・討論(とうろん):
関連用語:「国会(こっかい)」*4、「三権分立(さんけんぶんりつ)」、「ダブルスタンダード」*5、「突破(とっぱ)」*6、「腹芸(はらげい)」*7
・討(とう):
関連語は多く、例えば「討伐(とうばつ)」、「検討(けんとう)」、「追討(ついとう)」などがある。
*1:「アメリカ」については 6/11 地理:テストによく出る国名・都市名!?(仮) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「debate(ディベート)」については 12/11 国語:話法(わほう)/べ、別にあんたのことが嫌いなんじゃないんだからね! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「攻撃(こうげき)」については 9/3 英語:「攻撃(こうげき)」は最大の「防御(ぼうぎょ)」ですか? ~「defend(ディフェンド)」と「fend(フェンド)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「国会(こっかい)」や「三権分立(さんけんぶんりつ)」については 10/20 英語:「ダイエット」=「痩せる」ことではない!? ~「ダイエット」と「diet(ダイエット)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「ダブルスタンダード」については 2/6 数+国:数字の「2」から考える話 ~双子、ペア、対立~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「突破(とっぱ)」については 10/8 国+英他:「突破(とっぱ)」は「何(なに)」を「突き破り」ますか? ~「突破」と「breakthrough(ブレイクスルー)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「腹芸(はらげい)」については 12/13 国+こころ他:「政治家(せいじか)」に「腹踊り(はらおどり)」は必要ですか? ~色んな「腹芸(はらげい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。