生活＋国語の話―。
もち米（もちごめ）を蒸（む）したご飯、「おこわ（御強）」と、
その元々の呼び名らしい、「強飯（こわめし／こわいい）」などの話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
まず「おこわ」とは、もち米（ごめ）を蒸（む）したご飯（ごはん）のことですね。
もち米を使っているため、普通のご飯よりもちもちした食感（しょっかん）が特徴的です。
また「赤飯（せきはん）」なども「おこわ」の一種なので、そちらをイメージしても分かりやすいかもですね。
で、筆者の中では「おこわ」は「柔（やわ）らかい」イメージだったので、
どちらかと「優（やさ）しい」食べ物かと思っていたのですが。
しかし表記を変えると、一気に「強（つよ）そう」、また「堅（かた）そう」に見えたりもするようです。
というのも、おこわは漢字で「御強（おこわ）」と書いたりするからですね。
まず国語辞典やWikipediaによれば、
「おこわ（御強）」は元々、「強飯（こわめし／こわいい）」というものへの呼び名だったようです。
その「強飯」を、女房詞（にょうぼうことば）…、つまり「おかず（御数）」みたいに「お（御）」をつける呼び方をしたのが、「おこわ（御強）」ということのようですね。
しかし、何故「強い」という字が入っているかについてですが。
Wikipediaによれば「強飯（こわめし）」は「こわい（堅い）飯」のことで、「うるち米の飯に比べ、独特のもちもちとした食感と甘味がある」と説明されていました。
上記の「こわい（堅い）」は「強い（こわい）」とも書き、「弾力（だんりょく）がある」とか「堅い（かたい）」というような意味の言葉ですね。
なので、「強飯（こわめし）」のもちもちした食感に関して、「こわい（堅い／強い）」と呼ばれていたのかもしれません（※少し仮説入っているので注意です、あと他の説は後の追記で）。
ともあれ、上記のように「おこわ」は「強飯（こわめし）」の呼び名なので、
字からすると「『おこわ（強飯）』は『強いご飯（ごはん）』！」と言えるかもですね。
※
ところで、上で「強い」という言葉を使っておいて難ですが、
個人的には「おこわ」は割と食べやすく、消化（しょうか）もいい印象ですね。
食欲（しょくよく）が少し落ちている風邪（かぜ）の時にも、食べやすかった記憶があります。
まあその辺りは人にも拠るかもですが。
でも、もしかしたら「おこわ」が、
食欲がないときの「『強い』味方（みかた）」になってくれるかも？
もしそんなことがあったら、
「さすが『御強（おこわ）』とか、『強飯（こわめし）』というだけあるぜ…！」
なんて思ってみても、楽しいかもですね。
まあそんな感じで～。
追記
ちなみに本文ではテンポ上略しましたが、
Wikipediaや日本史用語集によれば、
昔のご飯には「姫飯（ひめいい）」というものがあったようです
それはWikipediaによれば「弱飯（ひめ）」とも呼ばれていたようですね。
とりあえず「蒸した」ものである「強飯（こわめし）」に対して、
「十分な水で煮た」のが「姫飯（ひめいい）」なので、
「姫飯（ひめいい）」の方が（水分多めで）柔らかかったようです。
なので「姫飯（ひめいい）／弱飯（ひめ）」にくらべて「こわい（強い）」ということで、
「強飯（こわめし）」と呼ばれていた…という部分もありそうですね。
追記２
…ところで日本史用語集によると、
上記の「姫飯（ひめいい）」は「固粥（かたがゆ）」とも呼ばれたようです。
本格的な「粥（かゆ）」に比べれば固（かた）いよ、ということなのでしょうが、
「強」「弱」「固」などの字が入り乱れて、なかなかややこしいですね…。
（関係としては固い順に、
「強飯（こわめし、おこわ）＞姫飯（弱飯、固粥）＞粥（かゆ）」って感じかと思われます）
