国語+ゲーム+理科(物体の材質)+音楽(音の響き)の話ー。
「学校の問題文を『めちゃめちゃ』にしてやるぜ!」的な話ではありません。
問題の「( )」に「オノマトペ」*1…例えば「がーん」や「ドカン」といった言葉を入れて、
それっぽく当てはまるとか、あまりそれっぽくないな…なんて考えて遊んでみる、
自作ゲーム『オノマトペ・クエスト』の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
この頃「きらきら」とか「ぼろ/ボロ」など、
何か音(おと)っぽい語を扱っていたので、
そこから「オノマトペ」という物を思い出して、色々考えてみました。
※
まずWikipediaによれば「オノマトペ」とは、
擬音語(ぎおん)と擬態語(ぎたいご)を合わせた物ですね。
ざっくり言うと、「擬音語(ぎおんご)」は、音(おと)を表した言葉で、
「擬態語(ぎたいご)」は、物の状態(じょうたい)…様子(ようす)を表した言葉、という感じのようです。
こう書くと「オノマトペ」は難しげに見えますが、けっこうお馴染みの物も多く。
例えば「擬音語(ぎおんご)」には「ガタン」や「トントン」、
「擬態語」には「ゆらゆら」や「ほんわか」などがあったりするようです。
なので「オノマトペ」については、
「日常の、ちょっと面白げ・ゆるめな感じの言葉」とか、
マンガとかの「効果音(こうかおん)」を想像したりすると、結構合っているかもですね。
普段の会話で、何となく口にしていることも多そうです。
で、ふと「それらオノマトペを使って、ゲームっぽく遊べるのでは?」と思い、
ちょっと考えてみました。
名付けて『オノマトペ・クエスト』!
(「クエスト」を入れたのは割と語感(ごかん)からです)
・ルール
①以下の問題文には、いくつか欠けているところ…「( )」(かっこ)があります。
そこに当てはまる「オノマトペ(音・様子っぽい言葉)」を考えてみて下さい。
例えば「トムは( )とした感じで立っていた」という問題には、
「トムは(しゃきっ)とした感じで立っていた」とか、
「トムは(だらん)とした感じで立っていた」などが当てはまる感じです。
②でも何が「オノマトペ」かどうかは、そんなに気にしないで大丈夫です。
判定はゆるめでOK。
後で実はオノマトペじゃなかった…とか、間違っていたことが分かっても、あまりお気になさらずに。
③一応、基本ルールはそれっぽいオノマトペを入れるのを目指す…としますが、
逆に変な感じのオノマトペを入れても大丈夫です。
間違っても特にデメリットはありません。基本、楽しければOKとします。
…って感じですかね。
で、試し問題を1つ用意してみました。
良ければ考えてみて下さい。
☆試し問題:
「トムが道を歩いていると、向こうで友達に呼ばれました。
トムは( )と走って行きました」
…どうでしょうか。
「走る」とあるので、素直に考えると「スピード」感のあるオノマトペを入れるとそれっぽいかもですね。
例えば「ビューン」とか「ダダダッ」とかはそれっぽい感じがします。
逆に「のろのろ」とか「ぽにょんぽにょん」などは、あまりスピ-ド感はなさそうですね。
でもそれぞれ文としては成り立っている気もするので、アリかもしれません。
そして、速さと関係無いオノマトペを使うことも、実は可能です。
例えば「トムは(キラキラ)と走って行きました」とすると、
速さとはまた違うところで、文が成り立っている気もしますね。
「何か、ゲームやマンガみたいな光(ひかり)でも出てるの…!?」って感じもして面白いです。すごいエフェクトがかかってそう
※
さて、上では色々書いたので、
「オノマトペなら何でも良いの?」という感じがしてくるかもですが。
でも例えばオノマトペでも、「(じーん)と走った」とか「(ガタピシ)と走った」とかだと
あんまり意味が通ってないかも…?と、違和感(いわかん)がある気もします。
なので、例えば「この文に合う正しいオノマトペを選べ」と言われると、難しげに見えますが。
でも、上記のようにとりあえずオノマトペを( )(かっこ)に入れてみて、
「それっぽいな」とか、「違和感があるな」と思えるくらいには、
実は私たちは意外と、感覚でオノマトペを「知って」いるのかもですね。
なので、上のような問題で「それっぽいオノマトペ」を入れた後は、
良ければその後に「逆っぽいオノマトペ」や、「意味が分からないオノマトペ」を入れてみて下されば、なんて思います。
そうして「何だよこれ!」なんて笑ったり困惑(こんわく)している内に、ちょっと国語のセンスが磨かれたりする…かも?
真面目に「ギラギラ」した感じじゃなくていいので、
良ければ「サクッと」遊んでみて下さいね。
まあそんな感じで~。
関連自作ゲーム:『( )の中を埋めるゲーム』*2、『でたらめファイブワーズ』*3、『接続詞カードゲーム』*4、
追記
例題をいくつか考えてみたので、以下にメモっておきます。
良ければ(合う答えとか、ふざけた感じの答えを)考えてみて下さい。
☆例題
①「彼女は、( )とトムを見つめた」
②「コップが床に落ち、( )と鳴った」
③「その犬は怒られて、( )と首を下げた」
④「その宝石は( )と輝いていた」
⑤「タカシはドアを( )と叩いた」
⑥「エイミーは( )とした感じの人だ」
⑦「ハナコが会場に現われると、場は( )となった」
☆例題の解答例(あくまで一例であり、唯一の正解ではありません)
①「彼女は、( )とトムを見つめた」
→「うっとり」、「キッ」、「ギラッ」、「キラキラ」、「ギラギラ」、「きらーん」、「にっこり」、「きっぱり」、「どんより」
②「コップが床に落ち、( )と鳴った」
→「パリーン」、「ドスン」、「ゴン」、「コーン」、「チャリーン」(金属製など)、「カランコロン」、「ドカーン!」(何故か爆発した)
コップの重量・材質をどう想像するかで、使うオノマトペが違ってきそうですね。
③「その犬は怒られて、( )と首を下げた」
→「しょぼん」、「ずーん」、「シュッ」、「プイッ」
「シュッ…」とかだと妙に勢いが良くて面白い気もします。
④「その宝石は( )と輝いていた」
→「キラキラ」、「ギラギラ」、「ぬらぬら」、「ピカー」、「ビカーン!」、「シュバーッ」
「ぬらぬら」はちょっと「ぬめり(滑り)のある光沢(こうたく)」という感じですね。ファンタジーとかの、「魔力(まりょく)のある妖しい宝石」という感じもします。
逆に「ビカーン!」や「シュバーッ」は怪しさはなさげですが、あまりの光量に目がやばそうです。
⑤「タカシはドアを( )と叩いた」
→「コンコン」、「ゴンゴン」、「トントン」、「ドンドン」、「ドカッ」、「コン…」(控えめ)
使うオノマトペによって、勢いに違いが出るのは面白いですね。
マンガなどだとキャラの性格が表れる部分かもしれません。
⑥「エイミーは( )とした感じの人だ」
→「シュッ」、「サバサバ」、「パリッ」、「ショボン」、「ほわほわ」、「ぬぼーん」
性格に関するオノマトペは多く、使う物によって内容がまるで違ってくる印象です。
⑦「ハナコが会場に現われると、場は( )となった」
→「シーン」、「ピシッ」、「ざわっ」、「ざわざわ」、「ほわーん」、「にっこり」、「ワッ」、「ドッカンドッカン」、「ウェーイ」など
使う語によって盛り上がりに大きく違いが出そうですね。
「ウェーイ」はジョークも入っていますが、でもオノマトペに相当する日本語に「擬声語(ぎせいご)」…声を表した物があるので、声・歓声である「ウェーイ」も入ってきそうではあります。
追記2
ちなみに『オノマトペ・クエスト』ですが、
「( )を埋める」のでなく、「オノマトペを変える」ことで遊ぶこともできます。
仮タイトルをつけるなら「オノマトペ・チェンジモード」って感じですかね。
例えば、以下のような文があったとします。
☆例題
「勇者トムが、邪悪(じゃあく)なドラゴンと決着を付けるときが来た!
ドラゴンの牙は【ガチガチ】、吐く炎は【メラメラ】、
対して勇者トムの剣は【ボロボロ】だ!
果たして勝負の行方(ゆくえ)は…!?」
…って感じです。
このままではドラゴンが勝ち、勇者トムが負けそうなので、
【 】に入っているオノマトペを入れ替えることで、勝てるようにしてあげてください。
例えば以下の感じです。
☆例題・チェンジ後
「勇者トムが、邪悪(じゃあく)なドラゴンと決着を付けるときが来た!
ドラゴンの牙は【フニャフニャ】、吐く炎は【チョロチョロ】、
対して勇者トムの剣は【カチコチ】だ!
果たして勝負の行方(ゆくえ)は…!?」
…どうでしょう。
前よりドラゴンが弱そうで、勇者トムの剣が強そうに見えるのではないでしょうか。
これなら勇者トムが勝てそうですね。
という感じで、
「オノマトペを変えることで進むゲーム(特にRPG)的な物を作れるのでは?」
と思ったのが、そもそも『オノマトペ・クエスト』と名付けた理由の1つだったりします。
なのである意味こちらの方がメインなのですが、自由度が高い方をメインに回したい気もあり、
本文の「( )を埋める」式を先に書かせて頂きました。
こちらでも、いくつか例題をメモらせて頂きますね。
☆例題
以下の【 】には基本的に「強そう・難しそう」なオノマトペが入っているので、
それらを変えることで、行動を成功しやすくしたり、ダメージをマシにしたりしてあげて下さい。
①「崖(がけ)の間(あいだ)にかかる橋(はし)は、足元(あしもと)が【ツルツル】だった…」
②「ゴブリンに殴(なぐ)られ、【ドグシャーッ】と吹き飛ばされた!」
③「地面が【バキバキバキッ!】と音を立て、雷(かみなり)が【ピシャーン!】と鳴り、
ついに封印された魔神(まじん)が【ズゴゴゴゴ…!】と出てきた!世界は…一体どうなるんだ…!」
☆解答例
①「崖(がけ)の間(あいだ)にかかる橋(はし)は、足元(あしもと)が【ピッカピカ】だった…」
→【ツルツル】だと足元が不安ですが、【ピッカピカ】に変えて、新品(しんぴん)っぽいことをアピールしています。
少なくとも耐久力(たいきゅうりょく)に関しては、安全に渡れそうですね。
逆にハードモードにしたい方は【ボロボロ】とか【トゲトゲ】にするといいかもしれません。
②「ゴブリンに殴(なぐ)られ、【ぽよん】と吹き飛ばされた!」
→【ドグシャーッ】を【ぽよん】に変えたおかげで、かなり痛くなさそうですね。
【ひゅーっ……】とか【ぴょろろ~っ…】とかでも痛く無さそうですが、代わりにかなり吹き飛ばされてしまいそうなのが難かもです。
③「地面が【ピロピロピロ♪】と音を立て、雷が【ゴロッ】と鳴り、
ついに封印された魔神(まじん)が【しゃらーん】と出てきた!世界は…一体どうなるんだ…!」
→全体的に軽めのオノマトペに変えたので、やたら軽そう…というかチャラそうになっています。
敵(てき)であるのかさえ怪しいかもしれません。
*1:「オノマトペ」については 11/24 国+英:ここにもそこにも、「oxymoron(オクシモロン)」!? ~「撞着語法(どうちゃくごほう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:『( )の中を埋めるゲーム』については 6/19 国+ゲーム:「( )」を埋めて物語を作る!? ~「( )の中を埋めるゲーム」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:筆者の自作ゲーム『でたらめファイブワーズ』については 6/25 国+ゲーム:でたらめな文で国語力を伸ばす!? ~「でたらめファイブワーズ」!~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:筆者の自作ゲーム『接続詞カードゲーム』については 9/26 国語:接続詞(せつぞくし)で話を続けていくゲーム! ~「接続詞カードゲーム」メモ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。