のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

9/3 ゲーム:【※注意 論文調 個人的メモ】TRPG雑考メモ4(TRPGと教育)

 ゲーム*1の話ー。
 色々ありまして、ちょっと「TRPG」*2という遊びについて色々考えたときのメモです。
 手元に持っててもいいのですが。自分で色々考えたくなったのでブログ上に載せさせていただきます。

※注意
 なんか論文調でやたら堅く難しいです。あと自分用メモなのでみんながわかるように説明はしていません。すみません。
 普段のよりさらに「勉強」とはあまり関係ありませんのでご注意を。

今回は主にTRPGと教育について。


☆TRPGは教育(きょういく)に役立つか の前にTRPGにできること

「TRPGにできないことは何か」を考えるのは難しい。何故なら人間は想像(そうぞう)の中では、一応何でもできるからだ。
 TRPGが想像のゲームである以上、理論的にはその中でどんなことでもできる。
 GMはゲーム中で、PCなどに対して、世界史の授業を行うことさえできるかもしれない。実際その世界観(せかいかん)に関することを述べることは、似たような性格を持っている。この時、GMは社会学でいう所の「世界観」の教師となっているところがある。つまり「世界がどうであるか」という以上に、「世界*3をどう見るべきか」ということについて。
 だが逆に「TRPGでしかできないことは何か?」というのも難しい。
 理論的にTRPGが何でもできるからといって、他の教材に対して絶対的に優位である、というわけでもない。タブレット端末や電源ゲームの方が、あるいは普通の授業の方が効率よく学べることはあるだろう。
 個人的にはそれでよいと思う。TRPGを過度(かど)に持ち上げ万能であるかのように描写することは、その魅力を逆にそいでしまう。
 またなんでもTRPGを使って教えようとすることは、ゲームの楽しさや、やってもやらなくてもいい感じを損ねてしまうように思う。TRPGはあくまでゲームの一つであり、望むなら手段の一つとして使うことができるというだけだ。



☆TRPGと道徳教育
 TRPGを通じて道徳(どうとく)*4を教えることは可能であると思われる。正義*5をテーマにしたシナリオを遊ぶだけでも、何かを考えるきっかけになるかもしれない。
 こう書くと、道徳の先生*6などは、真正面から正義について扱ったシナリオを生徒に遊ばせたくなるかもしれないが、それは少し待った方がいいかもしれない。
 道徳の授業を堅苦しく感じる者がいるように、真正面(ましょうめん)から正義や道徳を学ぶことは、堅苦しく退屈(たいくつ)になる可能性を持つ。
 あまりにもGMの意図、しかもゲーム外の教育的意図が透けて見える物語は、ゲームへの没入感(ぼつにゅうかん)、非現実感(ひげんじつかん)を削いで、現実へと引き戻してしまうかもしれない。それはゲームを退屈で、緊張感あふれるものにしてしまうかもしれない。それでは先生の望む答えを言わなければならない、授業の延長のようになってしまう。

 そして注意が必要なのが、TRPGは人をいつも正義側へと導くものではない、ということである。なぜなら、TRPGのゲームの中では悪人にもなれるからである。普段はできないような悪いことも、想像の世界では行うことができる。それはストレス解消という面も持つが、悪への導きになっていないかと言えば、その可能性はゼロとは言えない。

 道徳教材としてTRPGを考えたい方はここで落胆するかもしれないが、問題ばかりでもない。正義を交えずにTRPGを遊べることはプラスに働くこともある。
 上に書いたことと似ているが、TRPGがいつも正義を扱わなければならないなら、窮屈になってしまうだろう。それでは堅苦しい正義が嫌なものは、TRPG自体が嫌になってしまう。
 逆に言えばTRPGが正義を交えずにプレイできるなら、気軽なゲームを楽しみたい人を引き付けることができる。
 だからもし、あなたがTRPGを使って正義について教育したいなら、まずは生徒をゲーム自体に慣れさせてから、あなたの望んだシナリオを遊ぶこともできる。つまり、正義についてのシナリオを。
 伝えたいテーマははっきりしているとよいが、押し付けにはならない方が良いだろう。なぜなら自由に判断し行動できるのもTRPGの魅力だからである。結論の決まったディベート*7がつまらないように、ある程度の自由性を持たせないとゲームはつまらなくなる。もちろんPLが過度に悪に走るのを見過ごせとは言わないが。

 一方で、実はPLが「悪い行動」を取ることも、正義を考えるきっかけになりうる。
 何故なら例えば、悪い行動を取った後の当人の気持ち、悪い行動に対する周辺の人物(PC、NPC)の反応、また逆に、悪い行動を取らざるを得ない状況(貧困ゆえの盗みなど)などについて、考えることができるからである。
 もしあなたが先生でも、非道徳的な行動を取ろうとしている生徒PLをすぐに止めるべきではないだろう。それよりは、なぜその行動をしようとしているのかを聞いた方がいい。
 もし「意味なんてない」と答えるなら、その話は終わるかもしれない。だがもしそのPLが、「だって国*8のためにはこうするしかないんだ!」とか「あの家族を救いたいから、悪いことをするんだ!」などというならば、それは道徳や正義について考えるいい機会になるだろう。哲学*9的な要素さえ持つかもしれない。マイケル・サンデル氏が扱っているような、意見が分かれるような重要な事態について考えられるかもしれない。しかも、ゲームの中で。

 犯罪者の気持ちを考えるために、現実で犯罪*10を犯すことは勧められない。同様に虐げられた者たちの気持ちを考えるために、自分から同じ苦しみを受けることも。
 だがTRPG中でなら、仮想的にそれが可能である。PLがゲーム世界で犯罪を犯し、どのような気分になるのか。苦しみを受けたときにどういう心境になるのか。過度なものはもちろんトラウマになってしまうので注意が必要だ。だが、これらについて考えられるのはシミュレーション要素を持つTRPGの一つの可能性であり、魅力である。



まあそんな感じで~。

benkyoumemo.hatenablog.com

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*1:「ゲーム」については 3/27 こころの話+体育:不自由(ふじゆう)だからゲームは面白い!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:「TRPG(ティーアールピージー)」については 3/14 こころの話:人生(じんせい)/君と道を行くRPG - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:「世界(せかい)」については 2/11 学習:世界(せかい) is テキストブック!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:「道徳(どうとく)」については 12/3 社会:アダム=スミスと道徳 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:「正義(せいぎ)」については 2/15 社会:「罰(ばつ)」と「やる気」の話 ~叱ることは気分がいい!?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:「先生(せんせい)」については 12/23 学習:「先生(せんせい)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*7:ディベート」については 12/11 話法/国語:べ、別にあんたのことが嫌いなんじゃないんだからね! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*8:「国(くに)」については 9/2 英+社:国(くに)に関する英語メモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:「哲学(てつがく)」については 1/5 数学:なぜ「1+1=2」ができるのか(雑考) - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:「犯罪(はんざい)」については 12/19 社会:都市運営ゲーム/「不正(ふせい)」編ですよ、市長! - のっぽさんの勉強メモ を参照。