のっぽさんの勉強メモ

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2/24 歴+家:「沢庵(たくあん)」は自由でロック!? ~「沢庵宗彭(たくあん・そうほう)」と「たくあん漬け」~

 歴史+家庭科の話ー。
 食べ物の「沢庵(たくあん)」と、それの考案者とされるお坊さん「沢庵宗彭(たくあん・そうほう)」の話です。


 前置き。
 「たくあん(沢庵)」というと漬物(つけもの)の一種ですね。
 黄色くて(黄色いとは限らないが)ポリポリとした食感が特徴です。
 一説によれば、これは「沢庵宗彭(たくあん・そうほう)」というお坊さんが考案したものとされています。

 個人的に「たくあん」はどちらかというと質素で、和むイメージがありますが
 調べてみるとこの「沢庵宗彭」さんの方は、なかなかロックな人物でした。


 Wikipediaによればまず「沢庵」は1573-1646年と、安土桃山~江戸時代を生きた人で
 戦に巻き込まれつつも、お寺の高い地位まで上り詰めたのですが。


 沢庵が50歳代の時に「紫衣事件(しえじけん)」という物が起こります。
 ざっくり言うとお寺などで使う「紫の衣」の使用許可に関する問題で
 朝廷と幕府の間のもめ事ですね。
 昔は紫の衣などについては朝廷が許可を出したりしていたのですが、
 幕府がこれを規制し、寺社のパワーとかも削ごうととしたようで。
 それでも朝廷が反発して許可を出したりしたので、幕府が許可取り消しに乗り出した…という感じです。


 この時、沢庵は幕府に反対したのですが、これは罪に問われてしまい、
 沢庵は「出羽国(でわのくに)」上山へ「流罪(るざい)」となってしまいます。
 「出羽国」というと今でいう山形県秋田県のあたりですね。
 今のように暖房がないので寒かったと思いますが、そこに57歳で流されることになってしまいました。


 しかし流された先、上山藩の「土岐頼行(とき・よりゆき)」は沢庵の生きざまに打たれ、
 「草庵(そうあん)」、つまり小さな建物をあげたりしたそうです。
 流された先で人を惹きつけてしまう…カッコいいですね。
 そして沢庵はそれを「春雨庵(はるさめあん)」と名付けたそうです。
 …なんかおいしそうな名前ですね。何かと食べ物に縁がある方です。


 その後、二代将軍「徳川秀忠(とくがわひでただ)」が亡くなった時に
 過去記事でも紹介した「柳生宗矩*1らの言葉もあって、沢庵は許され、江戸に帰ってくることができました。
 そこで三大将軍「徳川家光」に会うのですが、そのまま気に入られ、
 彼の「近侍(きんじ)」として仕え、そして家光の禅の先生になりました。
 この時三人会っているのですが、沢庵だけそのまま採用。やっぱりカッコいいですね。


 しかし沢庵は、家光が屋敷や寺をあげようとしても断り続けたようで
 柳生宗矩に説得されて、ようやくもらったのが「東海寺(とうかいじ)」。
 そしてこの寺で家光に漬物を出し、それが気に入られ、沢庵の名を取って「沢庵漬け」と呼ばれるようになった、という説があるようです。
 なかなかドラマチックですね。


 すごい地位にいたのに事件で流罪になり、また将軍に仕える。
 それでも家などの財はなかなか受け取らない。
 浮き沈みの激しい人生ですが。
 Wikipediaによれば、
 紫衣事件の時も「処罰は自分だけにしてほしい」と言ったり、
 はたまた、見張っていないとすぐにどこかへ行ってしまうような人物だったともいうようで。
 (Wikipediaでは東海寺に「沢庵番」、つまり沢庵を見張る役目というものがあった説が書かれていました)


 「沢庵」さんは現代風に言えば、何とも「自由かつロック」な人物だったのかもしれません。
 そう考えると「たくあん漬け」の質素さも、むしろ彼の自由さを表している、と見えるかも……?



 まあそんな感じで~。


◆用語集
・たくあん漬け:
 ゲーム由来で詳しい資料が手元にないが、新選組の「土方歳三*2がたくあんが好きだったらしい。


沢庵宗彭(たくあん・そうほう):1573-1646年。
 安土桃山時代~江戸時代の僧。臨済宗(りんざいしゅう)の僧。
 生まれは但馬国(たじまのくに)出石(いずし)。現在でいう兵庫県
 Wikipediaによれば柳生宗矩の求めに応じ「剣禅一如(けんぜんいちじょ)」を説き、武術*3から武道への流れを開くきっかけの一つとなったらしい。あとその息子の「柳生三厳(十兵衛)」からも慕われていたらしい。
 いろんな人に好かれるエピソードの多い方である。


・漬物(つけもの)/漬け物:
 食材を、塩や酢、麹(こうじ)*4などと入れて密閉(みっぺい)しておいておいたもの。
 英語で言うと「pickles(ピクルス)」。
 特に日本の漬物を指したい場合は頭に「Japanese~(ジャパニーズ~)」をつけると良いと思われる。
 ハンバーガーとかに入ってる「ピクルス」は酢や自然発酵でつけたものなので、漬物が全て(酢)ピクルスというわけではない。
 弁当*5や駅弁(えきべん)などにちょこっと入っていることも多く、見る機会は多い。また「福神漬け」*6なども含めればさらに多いだろう。
 日本の「茶道(さどう)」*7などではお茶の付け合わせとして漬物を食べる場合もある。
 関連用語:「キムチ(김치)」*8、「タルタルソース」*9、「手塩(てしお)にかけて」*10




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*1:柳生宗矩(やぎゅう・むねのり)」については 2/1 歴史:鋭い眼光、「大目付(おおめつけ)」!? ~江戸時代の監視役と、剣豪「柳生宗矩」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:土方歳三(ひじかたとしぞう)」については 10/15 歴史:お城と大砲(たいほう)と五稜郭(ごりょうかく)! ~城の形が変わった訳~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:「武術(ぶじゅつ)」については 11/13 歴+体:現代の「忍者(にんじゃ)」は忍んでない!? ~「武神館(ぶじんかん)」と、 「初見良昭(はつみ・まさあき)」氏の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:「麹(こうじ)」については 7/25 生活:夏バテ対策、飲む「点滴(てんてき)」!? ~「甘酒(あまざけ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:「弁当(べんとう)」については 4/10 生+中他:「弁当(べんとう)」といえば「簡単(かんたん)」ですか? ~「簡便(かんべん)」と「便當」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:福神漬け(ふくじんづけ)/福神漬」については 4/7 生+歴他:「福神漬(ふくじんづけ)」は「神(かみ)」の「漬物(つけもの)」ですか? ~「福神漬」と「七福神(しちふくじん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*7:「茶道(さどう)」については 5/7 歴史:こんな飲みニケーションもあるよ! ~ただし酒とは限らない~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*8:韓国の漬物「キムチ(김치)」については 3/19 韓+生:「オイキムチ」と「追いキムチ」の話!? ~「오이김치(オイギムチ)」と「追い~」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:「タルタルソース」については 1/6 歴+家:「タルタルステーキ」と「地獄(じごく)」の関係!? ~「タタール人」と「タルタロス」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:漬物作りが由来らしい言葉、「手塩(てしお)にかけて」については 2/5 国+学他:「子ども」を「漬物(つけもの)」のように「育て(そだて)」ますか? ~「手塩(てしお)にかけて(育てる)」と「漬物」作りの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。