国語+英語+社会の話-。
お正月*1の「羽根つき」と、虫の「トンボ」の関係などの話です。
前置き。
この前見たクイズ番組で
「羽根つきで打つ羽根はトンボ(蜻蛉)を表している」という話を聞きました。
なんでもトンボは害虫である「蚊(か)」を食べてくれるということで、「蚊よけ」の意味を込めたらしいですね。
「蚊」というと、現代ではそんなに大したことはない気もしますが、
蚊が疫病を運ぶことは多いので、昔だと「蚊に刺される」ことが結構ヤバいということはあります。
現代でも特にアフリカなどでは「エボラ出血熱」や「マラリア」などの凶悪な病気を人に移すという事例が多かったりします。
なので「蚊よけ」は重要と言えるでしょう。
そんなありがたいトンボですが、西洋では「dragonfly(ドラゴンフライ)」という名前だったりします。
名前にドラゴンが入っているのはカッコいいですね。
ただ昔の西洋では「ドラゴン」は悪い生き物(悪魔の化身)とされていましたし、
Wikipediaによれば、トンボもどちらかというと不吉なものとして扱われていたらしいです。
なんか「魔女の針」と呼ばれたり、その翅がカミソリでできていると言われたり。
東西で結構違うものですね…。
まあ日本では「トンボ」や「ドラゴン」へのイメージは割と良好です。
冒頭の「羽根つきの羽根はトンボ」説があってるなら、
トンボは「正月に出会うことの多いドラゴン(フライ)」と言えるかもしれません。
西洋だと微妙かもですが、日本では得した気分になれる…かも?
またWikipediaによれば「羽根つき」自体にも「無病息災」の思いが込められているようですし、
お正月にちょっとやってみるのもいいかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに他にも「ドラゴン」とか「竜」の名前を持つ生物はいます。
例えば「もぐら」。漢字で書くと「土竜(もぐら)」となり、「竜」の字が入っているんですね。
ただWikipediaによれば「ミミズ」*2のことを「土龍」と呼んでいるのを、間違えてモグラにも使ってしまった、という話が載っていますが。
どちらも穴を掘るので、一緒にされてしまったのかもしれません。
あと有名な所では「コモドオオトカゲ」という生き物の別称が「コモドドラゴン」だったりします。
◆用語集
・トンボ(蜻蛉):
長い羽根と胴体を持った昆虫。
英語では「dragonfly(ドラゴンフライ)」、「damselfly(ダムゼルフライ)」など。
ただWikipediaでも書かれているように「damselfly (ダムゼルフライ)」の方の「damsel(ダムゼル)」 は「乙女(おとめ)」を意味するらしい。優雅である。ただし「イトトンボ」類がこう呼ばれるようなので、他のトンボがちょっと可哀そうな気がしなくもない。しかしそれはそれとして、「空飛ぶ乙女」というのはなかなかシュールなようなファンタジーなような気もする。
ちなみに「蜻蛉」という字は「かげろう」とも読み、『源氏物語』*3の巻名の一つはこの「蜻蛉(かげろう)」となっている。「陽炎(かげろう)」という言葉もあるが、これはまた別のもの。
ちなみにWikipediaによれば昔の日本でトンボは「秋津(あきつ)」と呼ばれ、日本の異称である「秋津洲(あきつしま)」の下にもなっているという(名づけ主は『日本書紀』によれば「神武天皇(じんむてんのう)」*4、『古事記』によれば「雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)」らしい)。
ちなみにトンボは前にしか飛ばない、ということなどから「退却しない」とされ、「勝ち虫」として武士*5に好まれたとのこと。
トンボに関する武器では徳川四天王「本多忠勝(ほんだ・ただかつ)」の「蜻蛉切(とんぼぎり)」という槍が有名。これはトンボが槍の先の止まったところ、あまりの切れ味のよさにそのままスパっと半分になってしまったということから。…確かにすごいのだが、縁起のいい虫が切れた辺りは若干残念な気もする。
ちなみにWikipediaによれば、ヨーロッパで日本流がウケた、いわゆる「ジャポニズム」が流行したときに、虫やトンボをモチーフにした作品も作られたらしい。特にフランスの工芸家「エミール・ガレ」は、トンボをモチーフにした作品をいくつも作ったようだ。
似てる言葉:「蛍(ほたる)/firefly(ファイアフライ)」*6、「ギンリョウソウ(銀竜草)」*7【植物】
・羽根つき:
関連用語:「餅つき(もちつき)」*8
・エボラ出血熱:
エボラウイルスに寄る病気。蚊が媒介(ばいかい)することでも知られている。
・モグラ(土竜)/もぐら:
Wikipediaによれば、トガリネズミ形目に含まれる「モグラ科」の構成種の総称。
つまりざっくり言うとネズミの仲間。
ちなみにボードゲームに『穴掘りモグラ(Die Maulwurf Company)』という作品もある。
関連用語:「掘る(ほる)」*9
・徳川四天王(とくがわしてんのう):
徳川家康の側近として仕え、江戸幕府の成立に貢献した4人の人物。
関連用語:「徳川十六神将(とくがわじゅうろくしんしょう)」*10
・「エミール・ガレ」:1846 – 1904。
フランスのガラス工芸家、家具などのデザイナー、企業家。
正確には「シャルル・マルタン・エミール・ガレ(Charles Martin Émile Gallé)」。
Wikipediaによれば当時ヨーロッパで広まった美術運動「アール・ヌーヴォー」を代表する存在であるらしい。
・「アール・ヌーヴォー」
Wikipediaによれば、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に開花した国際的な美術運動。
名前は「新しい芸術」を意味するらしい。
説明は難しいのだが、その入り口となる運動(アーツ・アンド・クラフツ運動)にはざっくり言うと、「工業化が進んでみんなの想像力が落ちているのでは?」というのを何とかしたかった、ということがあるようだ。
ちなみに「アール・ヌーヴォー」に関わるものとしては、有名な建築物の「サグラダ・ファミリア」*11などもある。
関連用語:「nouveau(ヌーヴォー)/新しい」*12【フランス語】
*1:「正月(しょうがつ)」については 1/11 歴+家:正月(しょうがつ)の「鏡開き(かがみびらき)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「ミミズ」については 1/29 国語:蛇(へび)/「虫へん」の「虫」は(元々)「昆虫(こんちゅう)」じゃない!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:『源氏物語(げんじものがたり)』については 3/13 社+ゲーム:宇治市(うじし)はゲームでPR(ピーアール)!? ~ゲーム風PR動画~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。」
*4:「神武天皇(じんむてんのう)」については 4/20 歴+体:「カラス」と「サッカー」と「初代天皇」!? ~熊野(くまの)の「八咫烏(やたがらす)」の話~ - のっぽさんの勉強メモを参照。
*5:「武士(ぶし)」については 12/27 社会/騎士(きし)と馬(うま)の話(ざっくり) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:英語では「firefly(ファイアフライ)」ともいう昆虫「蛍(ほたる)」については 9/20 音+スコ他:「オールド」といえば「auld(オールド)」ですか? ~『Auld Lang Syne』と「old long since」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:植物の「ギンリョウソウ(銀竜草)」については 12/4 理+社他:「竜(りゅう)」は「幽霊(ゆうれい)」で「パイプ」ですか? ~植物の「ギンリョウソウ(銀竜草)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「餅つき(もちつき)」については 1/17 生+国他:「もちつき」を漢字(かんじ)で書けますか? ~「もちつき」の2つの書き方の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「掘る(ほる)」については 12/19 英+学他:「受験生(じゅけんせい)」は毎日「dig(ディグ)」してますか? ~「dig/こつこつ勉強する(等)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「徳川十六神将(とくがわじゅうろくしんしょう)」については 1/4 歴史:「雑賀孫市(さいか・まごいち)」はいっぱいいますか? ~記録の混乱と、「襲名(しゅうめい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:建築物「サグラダ・ファミリア」については 4/2 国+英:「サクラ(桜)」・「サグラダ」・「サクラメント」!? ~桜と「聖なるもの」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「新しい」等の意を持つフランス語「nouveau(ヌーヴォー)」については 1/8 国+諸外:「新しい(あたらしい)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。