のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

1/19 歴史:王ではないのに、強い「4人」!? ~中国の「戦国四君(せんごくしくん)」の話~

 歴史の話ー。

 中国*1の戦国時代の「戦国四君(せんごくしくん)」と呼ばれた人物たちの話です。

 遅くなってしまったので簡単に。

(※本記事中、人名敬称略)


 前置き。
 筆者はまた中国の歴史漫画を読んでいたのですが、
 中国の戦国時代には「戦国四君(せんごくしくん)」と呼ばれる、王*2ではないけど有力な人物、という方々がいたらしいです。


 …なんというか、この「戦国四君(せんごくしくん)」という響きだけでカッコいいですね。
 しかもあえて「王様じゃないのに強い」という立ち位置がまたズルい感じがします。
 (※あくまで筆者の個人的見解です)


 そんな「戦国四君」のメンバーは以下の感じ。
 それぞれに面白いエピソードがあるのですが、長くなるのでここでは略。
 (※以下の「○○君」というのは称号のようなものです)


①斉(せい)*3の「孟嘗君’(もうしょうくん)」
   …「田文(でんぶん)」(? - 紀元前279年)
②趙(ちょう)の「平原君(へいげんくん)」
  …「趙勝(ちょうしょう)」(? - 紀元前251年)
③魏(ぎ)の「信陵君(しんりょうくん)」
  …「魏無忌(ぎむき)」(? - 紀元前244年)
④楚(そ)の「春申君(しゅんしんくん)」
  …「黄歇(こうあつ)」(? - 紀元前238年)


 …って感じですね。
 ちなみに上記の方々は、秦の始皇帝まわりのマンガ『キングダム』にも結構出てきます。


 Wikipediaによれば、「○○君」というのは死後に送られた名前であり、この4人以外にもこう呼ばれた方は多いみたいなのですが。
 ただ上記の四人はそれぞれ3000人もの食客(しょっかく)…ざっくり言うと部下みたいな人を養っていたのだとか。
 この時代に沢山の人を世話する、というのはすごいですね。

 ちなみにここでは略していますが、優秀な「食客」に主人が助けられた話も結構多いです。
 「恩返し」って感じがしていいですね。



 さて、今回は「戦国四君」というものを紹介しましたが、
 中国に限らず、日本や他の国の歴史でもこういう「カッコいい団体名」みたいなのは結構あります。
 「利休七哲(りきゅうしちてつ)」*4とか「徳川四天王*5とか「ソロモン*672柱の悪魔」とか。


 「歴史は苦手だけど、なんかカッコ良さげな名前には興味あるなー」という方は、
 今回紹介した「戦国四君」やその他などを、とっかかりにしてみてもいいかもしれませんね。


 まあそんな感じで~。



 関連用語:「春秋五覇(しゅんじゅうごは)」*7




追記
 「食客(しょっかく)」というのは、生活の面倒を見てもらう代わりに主人のために働く人物のことです。
 ざっくり言うと部下や、有能な雇われ人、みたいな感じですね。
 ちなみにWikipediaによれば「食客」はそれぞれ技能などを持っていることが多く、
 「論客(ろんかく)」や「剣客(けんかく)」、「刺客(しかく)」などの言葉の元になったようです。
 それぞれが得意なことで雇われる、という様子は、現代で言うと、(過去記事で書いた)「AO入試」*8や「一芸入試」に近い感じもしますね。



◆用語集
・春申君(しゅんしんくん):
 すごいざっくり言うと、手紙一つで自国への侵攻を防いだりしている人物。すごい。
 ちなみに食客の中には思想家の「荀子(じゅんし)」という人物もいたようだ。


荀子(じゅんし):
 紀元前3世紀ごろの、中国戦国時代の思想家。
 「性悪説(せいあくせつ)」の考え方で広く知られる。
 これは「孟子(もうし))」*9の「性善説(せいぜんせつ)」に対抗したものだったらしい。
 ちなみにことわざの「青は藍より出て藍より青し」は荀子の書物での言葉らしい。
 あとWikipediaによれば、荀子は礼儀とか階級、またその差といったものを評価しており、色んなものの簡略化を唱える「墨家(ぼっか)」*10の考え方を批判していたようだ。
 ちなみに弟子の一人に「李斯(りし)」という人物がおり、彼は秦の始皇帝の補佐などをすることでも有名。
 ちなみにWikipediaによれば、日本では江戸時代に「荻生徂徠(おぎゅう・そらい)」という人物が荀子の考えを評価したようだ。
 関連人名:「孔子(こうし)」*11


性悪説(せいあくせつ):
 荀子の唱えた考え。
 すごいざっくり言うと「人間*12の本性は悪(というか、弱い)なので、礼儀とかの教育をキッチリしないといけない」というような考え方。
 ただこの考え方への解釈は人にもよるようだ。
 ちなみにキリスト教の「原罪(げんざい)」*13とはまた違った考えらしい。
 関連用語:「悪人(あくにん)」*14、「悪女(あくじょ)」
 関連記事:『人間を表す外国語セブン』


・李斯(りし):
 中国「秦」代の「宰相(さいしょう)」。
 やはりマンガ『キングダム』に出てくる。


食客(しょっかく):
 Wikipediaによれば、中国の戦国時代に広まった風習。
 主人が才能のある人物を養う代わりに、助けてもらう、というシステム。
 春秋*15・戦国時代の有名な食客には「孫臏(そんぴん)」*16や、また始皇帝を暗殺しようとした「荊軻(けいか)」という人物がいるらしい。
 また日本の明治・大正時代などの「書生(しょせい)」…住み込み学生、は食客に似ているとも言える。
 そのためか、誰かを養っていれば食客的なものという扱いだからか、Wikipediaは色んな時代の例が載っていた。例えば食客を養っていた側として「夏目漱石 (なつめそうせき)」*17、「ゼノビア*18、「一休宗純(いっきゅうそうじゅん)」*19、「勝海舟(かつかいしゅう)」、「お登勢」、「ニコライ2世」*20の名前などが挙がっていた。
 関連用語:「肩書き(かたがき)」*21


・書生(しょせい):
 Wikipediaによれば本来は「勉強するほど余裕のあるもの」の意味だったらしい。
 が、明治・大正期の日本においては、「人の家に住み込んで働く学生」という意味で使われたようだ。
 まあその時代に進学するにはお金が必要だったので、ある程度「余裕がある」とは言えたかもしれないが。
 少し違うが、似たシステムとしては「丁稚奉公(でっちぼうこう)」や「徒弟制度(とていせいど)」といったものもある。


荊軻(けいか):
 始皇帝を暗殺しようとした人物。
 かなりお酒が好きだったらしい。
 Wikipediaによれば四字熟語「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」の語源となった人らしい。なんでも酒を飲んで「傍らに人がいないような振る舞いをした」とのこと。…つまり酔っ払いのやりたい放題である。
 男だったらしいのだが、ゲーム『Fate/Grand Order』では女性化して出ている。
 関連用語:「短剣(たんけん)」*22


荊軻(けいか)【Fate】:
 ゲーム『Fate/Grand Order』のサーヴァントの一種。クラスは「アサシン*23」。
 こちらのゲームでもやはり酒好きであり、さらに言うと酒癖*24は結構(一部?)悪いようだ。





 
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*1:「中国(ちゅうごく)」や「始皇帝(しこうてい)」については 12/16 英語:中国はなんで「China(チャイナ)」って言うの? - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:「王(おう)」については 5/25 国語:鉞(まさかり)/魔王とマサカリと金太郎! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:「斉(せい)」については 1/15 歴史:「軍師(ぐんし)」か、はたまた「仙人(せんにん)」か!? ~人物「太公望(たいこうぼう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:千利休の7人の有名な弟子「利休七哲(りきゅうしちてつ)」については 1/27 歴史:「利休七哲(りきゅうしちてつ)」についてメモ ~千利休の弟子たち~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:徳川四天王(とくがわしてんのう)」については 12/27 国+英他:「トンボ(蜻蛉)」は「お正月」の「ドラゴン」ですか? ~「羽根つき」と「ドラゴンフライ」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:「ソロモン王」については 6/17 歴史:「47」、「72」、「56億」!? ~色んな物語、桁のでかい数字~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*7:中国の「春秋五覇(しゅんじゅうごは)」については 1/7 歴史:薪(たきぎ)に寝て、肝(きも)を舐める話!? ~「臥薪嘗胆(がしんしょうたん」と「復讐(ふくしゅう)」の連鎖~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*8:「AO入試」については 1/10 歴+学:石段を 馬で登って 出世する!?(五・七・五) ~馬術名人「曲垣平九郎(まがき・へいくろう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:孟子(もうし)」や「性善説(せいぜんせつ)」については 3/30 歴+ゲーム:江戸時代の刀工、「津田越前(つだ えちぜん)」! ~テレビからの紹介メモ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:墨家(ぼっか)」については 1/9 数+歴:中国数学に関わるすごいメンバー! ~神様、皇帝、戦争が強い学者~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*11:孔子(こうし)」については 10/3 国+英:「あした」っていうのは「朝」のこと? ~「あした」と「朝」と「tomorrow(トゥモロー)」の関係~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*12:「人間(にんげん)」や、記事『人間を表す外国語セブン』については 1/20 生+諸外他:「人間(にんげん)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*13:「原罪(げんざい)」については 12/11 歴史:モンスト、堕天使と西郷さんと作曲家の乱舞 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*14:「悪人(あくにん)」や「悪女(あくじょ)」については 7/31 国+こころ他:「ワルい男」は「悪男」ですか? ~「悪女(あくじょ)」と「悪人(あくにん)」と「悪男(仮)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*15:中国の「春秋時代(しゅんじゅうじだい)」については 1/7 歴史:薪(たきぎ)に寝て、肝(きも)を舐める話!? ~「臥薪嘗胆(がしんしょうたん」と「復讐(ふくしゅう)」の連鎖~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*16:「孫臏(そんぴん)」については 1/17 歴+学:受験のテクニックと「競馬(けいば)」の関係!? ~兵法家「孫臏(そんぴん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*17:夏目漱石(なつめ・そうせき)」については 8/1 体+ゲーム:「ボッチャ」、「ペタンク」、「ローンボウルズ」! ~(割と)みんなで遊べる球(たま)のスポーツ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*18:ゼノビア」については 2/14 歴史:「空中庭園(くうちゅうていえん)」は浮いてますか? ~女王「セミラミス」と空中庭園~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*19:一休さん」こと「一休宗純(いっきゅうそうじゅん)」については 11/19 美+歴:「死(し)」を思う態度 ~ヴァニタス、ニヒリズム、そして一休さん~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*20:「ニコライ2世」については 1/20 歴+体:「雪玉(ゆきだま)」に「石」を詰める少女!? ~ロシア帝国大公女「アナスタシア」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*21:「肩書き(かたがき)」については 1/15 社+国他:「肩(かた)」には、何か「書(か)いて」ありますか? ~「肩書き(かたがき)」と「肩(かた)/上」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*22:「短剣(たんけん)」については 6/24 英+ゲーム他:文(ぶん)の中に「ダガー(dagger)」はありますか? ~脚注(きゃくちゅう)の「†/ダガー/短剣符(たんけんふ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*23:「アサシン」については 8/10 社+ゲーム:戦争を止めて回るゲーム!? ~ゲーム「ストップ・ザ・ウォー」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*24:「酒癖(さけぐせ)」については 1/7 国+こころ:「7つ」は「個性(こせい)」があるものですか? ~「癖(くせ)」と「個性」と「なくて七癖(ななくせ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。