英語+理科の話ー。
目*1の近くにある「涙腺(るいせん)」、
そしてその英訳である「lachrymal gland(ラクリマル・グランド)」についての話です。
簡単に。
前置き。
筆者が英和辞典で調べものをしていると、
「涙腺(るいせん)」という言葉の英訳が「lachrymal gland(ラクリマル・グランド)」というものになっていました。
なんだかすごく強そうですね…。
ちなみに「涙腺(るいせん)」とは目にある…というか眼球(がんきゅう)の近くにある、涙(なみだ)*2を出すところみたいな感じです。
(目の周りの皮の部分にあるとか、下まぶたの一部とか、そんな感じ)
ちょっと難しい話になるのですが、
「腺(せん)/gland」というのが、生物の中で「分泌(ぶんぴつ)」*3…つまり何かを出す器官(きかん)、もの・場所のことであり、
つまり「涙腺」とは「涙を出す器官」ということですね。ざっくり言うと。
で、ネットで調べてみると、
ラテン語の「lachrymae(ラクリマ)」という言葉が、「涙」を意味する言葉のようです。
なのでおそらくこれが「涙腺」こと「lachrymal gland」という呼び名に関係していると思われます。
英語でも「lacrima」は「涙」という意味を持っているようですが、
「tear(ティアー)/涙」という単語の方が有名なので、あんまり聞かない衣装ですね。
でも、「涙が涙腺からこぼれる」ものだとすれば
「涙腺からlacrima(ラクリマ/涙)がこぼれる」と言うこともできるかもしれません。
すごい…すごいカッコつけてる感じだ…(恐れおののく筆者)。
まあ、普段の生活ではあまり使わない言葉かもですが、
いい映画などを見て泣いてしまい、それを隠したい時などは
「ちょっと、俺の『lachrymal gland(涙腺)』からラクリマ(涙)がね…?」なんてことを言ってみてもいいかもしれませんね。
よほど自信がないとネタ感がすごいかもですが
まあそんな感じで~。
追記
同じように、「涙腺」に関してはよく
「年を取ると涙腺がもろくなって…」とか「涙腺崩壊(るいせんほうかい)」という言い回しもありますが、
「年を取るとlachrymal glandがもろくなって…」とか「lachrymal gland崩壊」っていうとやっぱすごそうですね。
言葉の意味は変わっていないはずなのに、すごい感じです。
追記2
ちなみに日本の有名なヴィジュアル系バンドに、
「La'cryma Christi(ラクリマ・クリスティー)」というグループがあったりします。
これは「キリスト*4の涙」という意味らしいので、上の「lachryma」などの言葉にも関連しているようですね。
ちなみに同名(あるいはほぼ同じ名前の)のワインもあるようです。
またゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ!』には『待ちぼうけのLacrima』という楽曲が、
音楽ゲーム『SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS』には『Lachryma《Re:Queen’M》』という楽曲があるようです。
追記3
ちなみに生物学者に「ルイセンコ」という方がいらっしゃいますが、今回のネタに特に関係はありません。
◆用語集
・涙腺(るいせん):
Wikipediaによれば「外眼角(がいがんかく)に存在する眼球付属腺(がんきゅうふぞくせん)の1つ」。…難しい。
まあすごいざっくり言うと「涙を出すところ」。
英語では「lachrymal gland(ラクリマル・グランド)」。
関連用語:「悲しみ」*5、「そばかす」*6、「まぶた(瞼)」*7
・La'cryma Christi(ラクリマ・クリスティー):
日本のヴィジュアル系ロックバンド。1991年に結成された。
Wikipediaによれば「プログレッシブ・ロック」*8の要素を感じることが多いとされるが、当人たちは狙ってやっているわけではないようだ。
・腺(せん):
Wikipediaによれば、動物の体の器官のうち分泌活動を行う細胞*9の集まり。
英語では「gland(グランド)」。ちなみに「grand/偉大な」とはスペルが違うので要注意。
また「線(せん)」という字とも似ている。が「腺」の方は体に関わる「にくづき(月)」が漢字の左側に入っているので、そこで見分けるとよいと思われる。ちなみにこの「腺」という漢字を作ったのは「宇田川玄真(うだがわ・げんしん)」という人物らしい。
Wikipediaによれば「腺」に当たるものは多いようだ。
例えば「唾液腺(だえきせん)」、「汗腺(かんせん)」、「皮脂腺(ひしせん)」など。
他にも「リンパ腺(リンパせん)」*10、「扁桃腺(へんとうせん)」といった言葉もあるが、これらは「分泌」を行っているわけではないため、また関係は複雑らしい。
関連用語:「体(からだ)」、「生体物質(せいたいぶっしつ)」*11、「胃(い)」*12
・汗腺(かんせん):
汗を分泌する外分泌腺(がいぶんぴつせん)。
英語では「sweat gland(スウェット・グランド)」など。
「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があるようだ。
・汗(あせ):
英語では「sweat(スウェット)」。
関連用語:「肌(はだ)」、「サウナ」*13、「スウェット」*14【生地・服】、「トレーナー」【服】、「ボルダリング」*15、「クライミング」、「スポーツ・クライミング」、「chaud(ショー)/温かい、暑い」*16【フランス語】、「残暑(ざんしょ)」*17、「夕涼み(ゆうすずみ)」*18、「納涼(のうりょう)」*19、「酷暑(こくしょ)」*20
関連記事:『汗を表す外国語セブン』*21、『肌を表す外国語セブン』*22
・アポクリン腺:
関連人名等:「木曽あずき」
・宇田川玄真(うだがわ・げんしん):明和6年(1770年)- 天保5年(1835年)。
江戸時代後期の蘭方医(らんぽうい)。
つまり当時日本の西洋医学のお医者さん。
Wikipediaによれば「杉田玄白(すぎた・げんぱく)」*23やその弟子「大槻玄沢(おおつき・げんたく)」の私塾で学んだらしい。
自身にも門弟(もんてい)…つまり弟子がいっぱいいるようだ。その中には「緒方洪庵(おがた・こうあん)」の名前もある。
ちなみにWikipediaによれば「膵臓(すいぞう)」の「膵」の字を考えだしたのも彼(宇田川)らしい。
あと日本初の蘭日辞書『ハルマ和解』の編纂に参加したり、訳書の中で「蜂蜜酒(はちみつしゅ)」とその製法を紹介したそうな。
関連用語:「蘭学(らんがく)」*24
・緒方洪庵(おがた・こうあん):文化7年(1810年) - 文久3年(1863年)。
江戸時代後期の武士(足守藩士)、医師、蘭学者。
大坂に「適塾(てきじゅく)」(「大阪大学」の前身)を開いて人材を育てたり、「天然痘(てんねんとう)」治療に貢献した。
「日本の近代医学の祖」といわれる人物のようだ。
個人的には昔のドラマ『JIN-仁- 』に出ていたのが印象深い。
・蜂蜜酒(はちみつしゅ):
蜂蜜(はちみつ)*25を原料とした醸造酒。
英語では「mead(ミード)」。
Wikipediaによれば「ハニー・ワイン」と呼ばれたりもするらしい、
ちなみに「北欧神話」には「詩の蜜酒」というものが出てくるらしい。
また現代ホラーの「クトゥルフ神話」*26では蜂蜜酒が重要な役割を果たすこともあったりする。
ちなみに、「ミード」に関連しそうな名前として、社会心理学者「ジョージ・ハーバート・ミード (George Herbert Mead)」や、文化人類学者「マーガレット・ミード(Margaret Mead)」といった方々もおられる。それぞれの名字の由来は不明だが、スペルは蜂蜜酒の「ミード(mead)」と同じもののようだ。
*1:「目(め)」や「体(からだ)」、「肌(はだ)」については 7/10 英+体:「体(からだ)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「涙(なみだ)」については 6/5 こころ+学:泣いて泣いて、強くなる!? ~悔しくて泣く(なく)ときの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「分泌(ぶんぴつ)」や、バーチャルYoutuber「木曽あずき」さんについては 9/23 理+生:「秋分(しゅうぶん)の日」と「やる気」の関係!? ~秋と日光量の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「イエス・キリスト」については 12/17 社会:水(みず)と宗教(しゅうきょう)の話(ざっくり仮説) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「悲しみ」については 5/14 国語:「優しさ(やさしさ)」と「優しみ(やさしみ)」の話! ~「さ」と「み」の間~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「そばかす」については 1/8 生+国他:「スズメ(雀)」は「ソバ」の一種ですか? ~「そばかす/雀斑/雀卵斑」と、「蕎麦殻(そばがら)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「まぶた(瞼)」については 1/11 生+英他:「まぶた」は「目(め)」にある「蓋(ふた)」ですか? ~「まぶた(瞼、目蓋)/eyelid(アイリッド)」と「lid(リッド)/蓋」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:音楽ジャンルの「プログレッシブ・ロック」については 6/1 英語:「ウェディング(wedding)」は何の「-ing」ですか? ~「動名詞(どうめいし)」と「進行形(しんこうけい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「細胞(さいぼう)」については 2/10 理科+こころ:細胞の入れ替わりと「私」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「リンパ腺」こと「リンパ節」については 1/18 理+国他:「リンパ」を漢字で書けますか? ~「lympha(リムファ)」、「lymph(リンフ)」、「淋巴(りんぱ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「生体物質(せいたいぶっしつ)」については 12/22 理+英:理科の細胞(さいぼう)や「生殖(せいしょく)」に関わる単語英訳メモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「胃(い)」については 11/14 理+国:「植物(しょくぶつ)」は「証拠(しょうこ)」になりますか? ~植物の「ゲンノショウコ(現の証拠)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「サウナ」については 6/11 フィン+生:そういえば「サウナ(Sauna)」って何語ですか? ~フィンランドと蒸し風呂の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:生地や服を指す「スウェット」、また服の「トレーナー」については 5/30 生+英他:「トレーナー」は「トレーナー」を着てますか? ~「スウェット(sweat)」と「トレーナー(trainer)」と「汗(sweat)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:手の汗を吸わせるためにチョークを使ったりするらしい「ボルダリング」、また「クライミング」、「スポーツ・クライミング」については 8/19 体+英:そういえば「ボルダリング」って何ですか? ~「ボルダリング(bouldering)」と「boulder(ボルダー)/大きな岩」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:「温かい、暑い」などの意味を持つフランス語「chaud(ショー)」については 11/20 英+フラ:「ショー」はいつでも「温かい(あたたかい)」ですか? ~「show(ショー)/出し物」と「chaud(ショー)/温かい」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「残暑(ざんしょ)」については 9/5 国+英他:「残暑(ざんしょ)」は「居残り(いのこり)」してますか? ~「linger(リンガー)/居残る」と「残暑/the lingering summer heat(ザ・リンガリング・サマー・ヒート)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:「夕涼み(ゆうすずみ)」については 6/28 国+社他:「夕方(ゆうがた)」に「クーリング・オフ」してますか? ~「夕涼み(ゆうすずみ)」・「クーリング・オフ」・「cool off(クール・オフ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:「納涼(のうりょう)」については 6/29 国+こころ他:「涼しさ(すずしさ)」を「誰(だれ)」に「納め(おさめ)」ますか? ~「納涼(のうりょう)」・「納(のう)」・「納める」の意味の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:「酷暑(こくしょ)」については 8/1 生+英他:「酷暑(こくしょ)」は「情熱(じょうねつ)」になりませんか?(願望) ~「酷暑/intense heat」と「intense(インテンス)/情熱的な」等の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*21:記事『汗を表す外国語セブン』については 9/3 理+諸外他:「汗(あせ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*22:記事『肌を表す外国語セブン』については 1/13 生+諸外他:「肌(はだ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*23:「杉田玄白(すぎた・げんぱく)」については 11/9 国+英:「神経(しんけい)」は「神(かみ)」の「通り道(とおりみち)」ですか? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*24:「蘭学(らんがく)」については 5/31 歴+生他:「蛮(ばん)=蘭(らん)=洋(よう)」ですか? ~「蘭学(らんがく)」と、ちょっと「医学(いがく)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*25:「蜂蜜(はちみつ)」については 3/8 理+英:「ミツバチ」は生活を支えてる! ~ハチミツ、ハニカム、ローヤルゼリー~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*26:「クトゥルフ神話」については 8/3 学習:ゲーム/テストの点数がキャラを強くする!? ~点数反映ゲーム~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。