社会+英語+国語の話―。
「バトントワリングの発祥は、実は戦国時代で…」的な話ではありません。
昔の武将(ぶしょう)が、指示を出すために使った道具「采配(さいはい)」と、
その英訳の一つである「baton(バトン)」*1の話を。
現代でも使われる、「采配を振る(さいはいをふる)/指示を出す」の話も添えて。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
まず「采配(さいはい)」は、昔の日本の武将(ぶしょう)が使った道具ですね。
棒(ぼう)の先にふさふさした部分がついた…掃除道具で言うと「はたき」のような外見で、
武将はこれを使い、戦場(せんじょう)で軍(ぐん)や兵士(へいし)を指揮(しき)*2したりしたようです。
ちなみに現代では、普段「采配」そのものは見ませんが、
一方で「采配を振る(さいはいをふる)」という語は、使われたりする印象です。
これは国語辞典によれば、「てきぱきとさしず(指図)をして、おおぜい(大勢)の人を動かす」という意味の語らしいですね。
昔の武将が、多くの兵士を動かしていたイメージかと思います。
そんな訳で「采配」には、
昔の「戦場」のシリアスさ、または現代の「忙しい」イメージがあるかもですが。
しかし英語では、また少し違った感じに聞こえるかもです。
何故なら「バトン」という言葉が絡んでくるからですね。
和英辞典によれば、「采配」の英訳はまず「baton(バトン)」となっており、
その後に注釈の英文で「昔の日本で指揮官(武将)が使っていた」的なことが書かれていました。
(正確には「a baton (used by a commander on the battlefield in old Japan).」という感じです)
英和辞典によれば「baton(バトン)」は、
音楽の「指揮棒(しきぼう)」の他、「官杖(かんじょう)」…将軍などの位を示すための杖の意味があるようです。
なのでその辺りから、「采配」が「baton」と呼ばれたのかもしれません(※筆者の仮説なので注意)。
(ちなみに「官杖」については、Wikipediaだと「元帥杖(げんすいじょう)」のページを見ると分かりやすいかもです)
なので、実際に「采配」を使ったかは武将によるかもですが、
でも何人かの武将については、
「(この)『武将』は『バトン(采配)』を振っていた!」と言えるかもですね。
…なんか応援団(おうえんだん)とかチアリーディングっぽいですが。
※
ところで最近の日本は、一昔前(昭和とか平成?)と少し違い、
部下は上司にとにかく従う…という感じでもない気がします。
もちろん命令に逆らうかどうかは別ですが、
何かしら、「理由(りゆう)の説明」は昔より求められる気もしますね(※個人的感想)。
なのであなたが、誰かに指示を出す立場になった時。
もしかすると戦場の武将のように、
「ビシビシ『采配(baton)を振って(指示を出して)』みたいな~」と思うかもですが。
でもそのやり方だと、上手くいかないこともあるかも?
そんな時は、無理に従わせようとするのでなく、
「バトン(baton)」を使った応援やチアのように、
「明るく盛り上げつつ、協力してもらう」感じに、切り替えてもいいかもですね。
まあそんな感じで~。
追記(※人名・役職等、敬称略)
ちなみに「采配」のような指揮具として「軍配(ぐんばい)」などもあります。
こちらはまた形が違い、「うちわ(団扇)」のような形の道具ですね。
相撲(すもう)で行司(ぎょうじ)が持っていたりするので、好きな方はそちらでよく見ておられるかもです。
あと戦国武将の「武田信玄(たけだ・しんげん)」が持っているイメージもあります。
◆用語集
・采配(さいはい):
関連用語:「采(さい)/采配」*3、「喝采(かっさい)」
・軍配(ぐんばい)
*1:「baton(バトン)」や「指揮棒(しきぼう)」については 7/6 体+英他:「バトン(baton)」は「タクト」で「警棒(けいぼう)」ですか? ~「baton(バトン)」と「Taktstock(タクトストック)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「指揮(しき)」については 5/15 理+英:食物連鎖(しょくもつれんさ)/植物(しょくぶつ)さんはプロデューサーだった!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:采配のことを指すこともあるらしい字「采(さい)」、また「喝采(かっさい)」については 11/14 体+国他:「喝采(かっさい)」は「何(なに)」を「振る(ふる)」ことですか? ~「喝采」と、色々な「采(さい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。