国語+音楽(舞台系)+体育(相撲)の話―。
「上手」の中に「止手」が混じっている…的なクイズではありません。
①「上手(じょうず)」、②「上手(うわて)」、③「上手(かみて)」など、
色んな読みと意味がある、「上手」についての話を。
前置き。
色々調べていたら、
「上手」周りが面白かったので、その話を。
※
まず、普段「上手」という語を見ると、
①「上手(じょうず)」と読むことが多いのでは、と思います。
何かをするのがうまい(上手い)とか、クオリティが高い…みたいな感じの語ですね。
(例:「あの子はピアノを弾(ひ)くのが上手(じょうず)だ」など)
ところが国語辞典などによりますと、
同じ「上手」という表記でも、色々な言葉があるようです。
例えば②「上手(うわて)」というと、
ある人より誰かの方が優(すぐ)れていることなどを表すようです。
(例:「君より彼の方が、一枚上手(いちまいうわて)だったね」など)
そして③「上手(かみて)」というと、
川(かわ)の上流(じょうりゅう)の方とか、
舞台(ぶたい)の、観客席(かんきゃくせき)から見て右(みぎ)の方を表したりするようです。
(例:「彼女は舞台の上手(かみて)から表れた」など)
これら①~③の「上手」は、お互いに意味が重なったりすることもあるようですが。
(例:②「上手(うわて)」と読みつつ「川の上流/③上手(かみて)」の意味だったり)
しかし基本的には違う言葉として成立(せいりつ)している感じなので、
まとめると、
「①『上手(じょうず)』と②『上手(うわて)』と③『上手(かみて)』は違う!」と言えるかもですね。
…でもルビやカッコ等を無くすと「上手と上手と上手は違う」となるので、
「何を言っているんだ…?」と思われそうな文ですね。もっと「上手(うま)く」説明しろ!と言われそう
※
まあ普段見る「上手」は①「上手(じょうず)」の事が多そうですが。
でも意識しだすと、なかなかややこしいですし、
まして日本語に慣(な)れていない外国人の方には、より難しいかもしれません。
なので、「上手」という表記を前にして、悩んでいる方がおられたら。
①「上手(じょうず)」に教えてあげる…のは難しいかもですが、
「『上手』って書いて、3つくらい読みと意味があるんですよ…」
ということを、とりあえず解説(かいせつ)するのも良いかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに本文でチラッと書いたように、
「上手」を使った言葉には「上手い(うまい)」というものもあったりします。
なので広い意味では「上手」の読みには「うま(上手)・い」も含まれるのかもですが…、
ただ「上手」だけでは(おそらく)「うま」とは読まないため、本文では略させて頂きました。
追記2
ちなみに相撲(すもう)には「上手投げ(うわてなげ)」という技(わざ)があるようです。
なのでこの技が得意な人に関しては、
「『上手(じょうず)』な『上手投げ』」とか、「彼は君より『上手投げ』が『上手(うわて)』」なんて言葉が発生しうるのかもしれません。
…変なことは言ってないはずなののに、文の見た目が中々シュールですね。