3/21 こころ＋国他：「心（こころ）」に「根拠（こんきょ）」はありますか？　～「拠り所（よりどころ）」と「根拠」の話～

　こころ＋国語＋生活の話―。
　「心の存在に根拠はない…心は存在しない！」的な話ではありません。

　「心（こころ）」や「生活（せいかつ）」など、
　何かを支（ささ）えるものを指す語、「拠り所（よりどころ）」と。
　それとよく同じとされるらしい語、「根拠（こんきょ）」*1の話を。

　前置き。

　昨日は、筆者の手元の辞典で「居場所（いばしょ）」*2を調べて、
　思ったより「心」に関する意味が見られなかったので。
　「では、似た語の『拠り所（よりどころ）』は…？」と調べてみた話です。

※

　まず「拠り所（よりどころ）」とは、何かを支（ささ）える物のことですね。
　例えば「彼は○○を拠り所とした」という風に使ったりします。

　そして「生活（せいかつ）の拠り所」というと、生活を支えるもので、
　「心（こころ）の拠り所」というと、心を支えるもの、という感じです。
　（国語辞典によれば、「拠る（よる）」は「頼る（たよる）」意味もあるらしいので、「誰かが頼る所・もの」→「拠り所」と考えてもいいかもですね）

　ちなみに「拠り所」には「所」という字が含まれていますが。
　別に「場所（ばしょ）」や（場所と関連した）「グループ」に限った話ではなく、
　人（ひと）や目標（もくひょう）が「拠り所」のこともあります。
　その意味では「支え（ささえ）」と似た語、と考えると分かりやすいかもですね。

　で、そんな感じで、主に「心の拠り所」をイメージしつつ、
　「拠り所」を調べていたのですが。
　その中で、ちょっと面白い語も見つかりました。
　というのも「根拠（こんきょ）」という語が出てきたからですね。

　「根拠（こんきょ）」とは、ある人の主張（しゅちょう）を支える証拠（しょうこ）みたいな感じですね。
　推理*3ドラマとか、議論（ぎろん）関係でよく聞く語の印象ですが…。

　ですが国語辞典等によれば、「拠り所」の意味の一つにこの「根拠」があったり、
　また逆に「根拠」の意味欄に「拠り所」があったりしました。
　そのため「この推理は、彼の話を『根拠』とする」という文は、
　「この推理は、彼の証言を『拠り所』とする」と言い換えられそうですね。

　なので、多くの場合で「拠り所≒根拠」みたいな感じなのかもですが…。

　でも「（あなたの）『心』に『拠り所』はありますか？」という質問を、
　「『心』に『根拠（こんきょ）』はありますか？」」と言い換えると、なかなかシュールな気もしますね。
　「心が存在するかどうか疑われている…！？」とか「哲学（てつがく）の話かな…？」と思われそうです。

※

　ちなみに、「拠り所≒根拠かな？」的な話を書いておいて難ですが。
　でも「根拠（こんきょ）」というと、「はっきり言葉で示さなきゃ」という印象なのに対し、
　心の「拠り所（よりどころ）」は、「自分でもうまく言葉にできない」ことがありそうですね。
　「何だかよくわからないけど、落ち着く…」とかありそうですし。

　例えば、議論ではうまく言葉にできないことは、
　「『根拠（こんきょ）』にならない！」と言われてしまうかもですが。
　一方で「うまく言葉にできないけど、いい感じだな」と思うことがあれば、
　それが自分の「拠り所（よりどころ）」かもと、大事にしてみてもいいかも？

　まあそんな感じで～。

追記
　ちなみに私事で恐縮ですが。
　筆者はマンガとかの「心／感情（かんじょう）を持たなかったキャラが、心に目覚める」とか、
　「何故かわからないけど、○○したくなる／したくなくなる」、
　「でもその理由を、自分では上手く説明できない…」、
　みたいな展開が好きだったりします。

◆用語集
・拠り所（よりどころ）：
　関連用語：「証拠（しょうこ）」、「理由（りゆう）」*4、「証明（しょうめい）」*5、「推理（すいり）」、「推理小説（すいりしょうせつ）」、「探偵（たんてい）」、「居場所（いばしょ）」、「居所（いどころ）」、「たまり場（たまりば）／溜まり場」*6、「はまる／ハマる」*7、「中毒（ちゅうどく）」*8

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