国語+生活+こころの話―。
「塩と梅かければ何でも整(ととの)うんだよ!」的な話ではありません。
何かが他とバランス良くまとまること、「調和(ちょうわ)」*1と、
「ほどよく調和する」などの意味も持つ語、
「塩梅(あんばい)」や「塩梅(えんばい)」の話を。
前置き。
まず「調和(ちょうわ)」とは、何かが他の物とバランス良くまとまっていることですね。
例えば内閣府(ないかくふ)のサイト様では、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」という表記がありました。
仕事(ワーク)と生活(ライフ)が調和している(バランスがいい)って感じですかね。
また「調和」は他にも、美術や音楽など、幅広い分野で使われる言葉でもあります。
そんな訳で、調和とはバランスが良い「状態(じょうたい)」の話であり、
ある特定の物や、特定の「食べ物(たべもの)」などではなさそうですが。
(これと同様の入りは、過去記事でも書きましたが)
にも関わらず、一部の方は「調和」と聞くと、
食べ物系の「塩(しお)」と「梅(うめ)」(梅干し)が思い浮かぶかも知れません。
というのも、調和に関して「塩梅(あんばい、えんばい)」という語があるからですね。
まず「塩梅(あんばい)」についてですが、
これは国語辞典によれば、「物事(ものごと)の具合(ぐあい)」を指す語のようです。
なんでも「えんばい(調味料に使う塩と梅酢)」というものと、
「按排(あんばい)」という語が混じって出来た語のようですね。
さらに漢和辞典も見てみますと、
こちらでは「塩梅」という表記に、「えんばい」と「あんばい」読み&説明がありまして。
それぞれの意味は、
「塩梅(えんばい)」…「味をかげん(加減)する」、「ほどよく調和する」、「うめぼし(梅干し)」
「塩梅(あんばい)」…「ほどよく調和する」、「ぐあい」、「健康状態」
…という感じでした。
(※わかりやすさのため、一部ひらがな表記に漢字表記をつけさせて頂いております)
上記の説明では、「ほどよく調和する」という意味が、
「塩梅(えんばい)」と「塩梅(あんばい)」の両方に入っているのが興味深いですね。
そう考えると、「塩梅(あんばい、えんばい)」という語をよく使う人にとっては、
「『調和(塩梅))』といえば『塩』と『梅』!」という感じかもですね。
…なんか「調和」というと「概念(がいねん)」って感じですが、
「塩と梅」というとすごく身近な感じがしますね。
※
まあ、今「塩梅(あんばい)」というと、ちょっと古い響きかもですが。
でも似たような言葉は、今でも料理(の感想)でよく使われる感じもします。
例えばカタカナだと「ハーモニー」、「マッチ」、「マリアージュ」といった感じでしょうか?
なので、あなたが今度何かの料理を食べて、
「この料理、材料がよく『調和』してる!」と思った時には。
「塩」や「梅」が使われているかにかかわらず、
「いい『塩梅(調和)』ですね…」と思ってみるのも、面白いかも?
まあそんな感じで~。
*1:「調和(ちょうわ)」については 3/24 社+フラ他:「調和(ちょうわ)」は「空(そら)」を飛(と)びますか? ~飛行機の「コンコルド(Concorde)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。