のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

9/20 歴史:土地をぐるぐる三段撃ちする!? ~三圃制(さんぽせい)と三段撃ち~

 歴史の話―。
 「土地(とち)の三段撃ちや―!」とか言うと芸人の「彦摩呂(ひこまろ)」さんみたいな感じですが。
 中世ヨーロッパの「三圃制(さんぽせい)」をメインにしつつ、
 「交代しながらやるとうまくいくこともあるよ」的な話です。


 『ファンタジー世界読本』を読んでいたのですが、
 中世ヨーロッパの農業の方法で「三圃制(さんぽせい)」ってものが載ってました。
 (あるいは「三圃式農業(さんぽしきのうぎょう)/three field system」)
 「三つの土地を交代させながら(休ませながら)使う」ってスタイルですね。

 過去記事でも書きましたが、同じ土地で同じ作物を育て続けていると
 土地の栄養が(特にある栄養素だけが)減っていってしまいます。
 土地が痩せていたヨーロッパでは特に。

 なので「冬麦(ふゆむぎ)」しかない時期のヨーロッパでは
 1年目「冬麦」→2年目「休耕(きゅうこう)/お休み」→3年目「冬麦」……
 と言うのを繰り返していたそうです。

 ですが「夏麦(なつむぎ)」というちょっと違う麦が登場すると
 冬麦→夏麦と連続で育てても大丈夫になったため、
 「冬麦→夏麦→休耕」くらいで済むそうになったそうです。
 なので以下のように3つの土地を使いながらやっていたそうです。
 (システムが複雑なので、wikiによれば領主権力*1の増大にもつながったそうです)

     土地1 土地2 土地3
 1年目:夏麦  冬麦  休耕
 2年目:休耕  夏麦  冬麦
 3年目:冬麦  休耕  夏麦


 で、これはちょうど日本の「織田信長*2の戦術「三段撃ち(さんだんうち)」に似てますね。
 当時の鉄砲「火縄銃(ひなわじゅう)」*3は一発撃つのに時間がかかるのですが、
 信長は兵隊を3列に並べることで、これを連続で撃てるようにしたと言います*4

 ①弾を込める→②火をつけて構える→③撃つ(撃って下がる)

 まあ、三段撃ちは実際には無かったという説もあるのですが、
 合理的で見事なシステムですね。


 あなたの身の回りにも、交代させながらやるとうまくいくことが意外とあるかも?



 まあそんな感じで~。


関連人名:「橋本一巴(はしもと・いっぱ)」*5



◆参考文献
・幻想世界史研究会編,2013,『ゲーム・映画・マンガがもっと楽しくなる ファンタジー世界読本』,実業之日本社


◆用語集(人物名は敬称略)
・三圃制(さんぽせい):
 詳細は本文参照。
 「三圃式農業(さんぽしきのうぎょう)」ともいう。
 「圃」という漢字が難しく見えるが、実は英語にすると「three field system」(三つの畑のシステム)でめっちゃわかりやすい。
 ちなみに「field(フィールド)」は「畑(はたけ)」という意味があり、あと「野原」「地面」などという意味がある。


・フィールド(field):
 「畑(はたけ、)」「野原(のはら)」「領域(りょういき)」などを表す言葉、
 スポーツでの「フィールド」や、ゲームで野外にいる時の「フィールド画面」はここから来ている。
 カードゲーム*6遊戯王*7では「フィールドにモンスターを召喚!」というセリフをよく言うが、それは別に畑にモンスターを召喚しているわけではない。ご注意を。
 でも強そうなモンスターが畑の手伝いをしてくれたら便利である。あと見た目凶悪なモンスターが黙々と手伝いをしてくれたら超和む。
 またfieldには「世界」「空間」というような意味もあり、「磁界(じかい)」*8「電界(でんかい)」の英語はそれぞれ「magnetic field(マグネティック・フィールド)」、「electric field(エレクトリック・フィールド)」だったりする。
 関連用語:「内野(ないや)/infield」*9、「外野(がいや)/outfield」


彦摩呂(ひこまろ):
 芸人さん。
 グルメ*10リポートでの「味の宝石箱やー!」などのキャッチフレーズで知られる。
 ちなみに昔はまたイメージの違う、シャープな感じのイケメンだったようだ。興味がある方はネットを参照あれ。


・火縄銃(ひなわじゅう):
 火縄(ひなわ)を使って発射する銃。
 「火縄(ひなわ)」とは「火をつけた縄」のこと。
 前から銃身(じゅうしん)*11に弾を詰めて、火薬「火薬(かやく)」*12を入れて、横の部分から火縄で火薬を爆発させて発射する。
 英語で言うと「Matchlock gun(マッチロック・ガン)」もしく「Arquebus(アルケビューズ)」。
 よく1543年に日本に伝来した(種子島(たねがしま)に)と考えられているが、wikipediaには、それ以前から中国経由で伝わっていた説がかかれている。
 でもとりあえず当時火縄銃は「種子島(たねがしま)」と呼ばれていたという様子。
 関連用語:「硝石(しょうせき)」*13、「アークゥイバス」*14、「火蓋(ひぶた)」*15
 関連人名:「雑賀孫市(さいか・まごいち)」*16



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*1:「権力(けんりょく)」については4/30 社+こころの話:許すこと・気分の良さ・権力(けんりょく) ~よい、儂が許す~ - のっぽさんの勉強メモを参照。

*2:織田信長(おだのぶなが)」については 2/4 社会:魔王軍経営ゲーム/指示をください、魔王さま! - のっぽさんの勉強メモ参照。

*3:「銃」以前の遠距離攻撃道具である「弓(ゆみ)」については1/17 歴史:弓(ゆみ)に関するあれこれ - のっぽさんの勉強メモ参照。

*4:一人で銃を撃つことと、集団で交代しながら撃つことは大きな違いがあります。これに関しては8/26 歴+学:戦力の数と戦術 ~色んな戦い方~ - のっぽさんの勉強メモも参照。

*5:織田信長の銃の師匠とされる人物「橋本一巴(はしもと・いっぱ)」については 1/12 歴史:彼は「魔王(まおう)」の銃の師匠!? ~信長の師匠、「橋本一巴(はしもと・いっぱ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:「カードゲーム」については4/4 数学:メモ/数学とカードゲーム - のっぽさんの勉強メモを参照。

*7:遊戯王(ゆうぎおう)』については 1/25 音楽:音楽が試験の助けになる!?…かもしれない - のっぽさんの勉強メモ参照。

*8:「磁界(じかい)」「電界(でんかい)」については 12/23 理→英:電気(でんき)関係の用語→英語 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:「内野(ないや)」や「外野(がいや)」については 7/18 国+体他:スポーツの「内野(ないや)」という言葉についてのメモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:「グルメ」については 9/14 フラ+国他:「食いしん坊」と「グルメ」は違いますか? ~「gourmand(グルマン)」と「gourmet(グルメ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*11:「銃身(じゅうしん)」については 7/22 国+英:「筒(つつ)」に関する話メモ ~「pipe(パイプ)」、「tube(チューブ)」、「cylinder(シリンダー)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*12:「火薬(かやく)」については 1/24 社+理他:「爆竹(ばくちく)」は「妖怪(ようかい)」への「対策(たいさく)」ですか? ~「爆竹」と、妖怪「山魈(さんしょう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*13:「硝石(しょうせき)」については 12/25 理科:元素記号1~18 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*14:火縄銃の呼び方の一つ「アークゥイバス」や「アルケビューズ」については 11/7 国+生:「秋茄子(あきなす)」を「嫁(よめ)」に食べさせますか? ~食べ物の「性質(せいしつ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*15:火縄銃(ひなわじゅう)の部品の一つ「火蓋(ひぶた)」については 1/12 国+社:「蓋(ふた)」は「切って」使うものですか? ~「火蓋(ひぶた)を切る」と「始まりの合図(あいず)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*16:雑賀孫市(さいか・まごいち)」については 1/4 歴史:「雑賀孫市(さいか・まごいち)」はいっぱいいますか? ~記録の混乱と、「襲名(しゅうめい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。