生活+英語+国語の話ー。
少しギャグっぽいタイトルですが、意外にギャグでもありません。
服(ふく)*1などの素材*2の一種「コーデュロイ(corduroy)」と、
その日本での呼び名らしい「コールテン(コール天)」の話です。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日「ゴールデンウィーク」は終わってしまいましたが、
偶然見つけた「コールテン」という語が面白かったので、その話を。
※
まず筆者が英和辞典で調べ物をしていると
途中で「corduroy(コーデュロイ)」という英語を見つけまして。
この「コーデュロイ」は、服などにもよく使われている素材ですね。
「うね」、または筋(すじ)がいっぱい通った、厚みのある素材って感じです。
例えば「コーデュロイのズボン」とか「〃のジャケット」など、
わりと秋や冬の服に使われているイメージもあります。
そんなそこそこ聞き馴染んだ印象の「コーデュロイ」ですが、
手元の英和辞典「corduroy(コーデュロイ)」については、
「コールテンの」という説明が書いてありました。
逆の「コーデュロイ」というカタカナ語は、説明に載っておりませんでした。
どういうことか?と思いさらに調べてみると。
Wikipediaによれば「コールテン」は「コール天」とも書き、
これは「cord(コード)」*3+「天鵞絨(てんがじゅう、ビロードの和名)」*4ということでした。
(「ビロード」はすべすべした織物や布のことです)
「コールテン」とカタカナで書くと外国語っぽいですが、この説によれば「和製英語」的な合体語な訳ですね。
ちなみにWikipediaによれば、
一般には「コールテン」と「コーデュロイ」は一緒らしいのですが、
テキスタイル業界(布や服の関係の業界)では、違う物とされたりもするようです。
なのでざっくりした感じでは、
「『コーデュロイ』は(昔で言う)『コールテン』で『コール天』!」となり、
ある業界では「『コーデュロイ』は『コールテン』でも『コール天』でもない!」となるようです。
…並べるとかなり矛盾した感じですね。
※
まあファッションなどに興味が無い方は、
「コーデュロイ」も「コールテン」も無関係…と思うかもですが。
実は学校などに通っている方は、知らず知らず関わっているかもです。
というのもWikipediaによれば、
コーデュロイを使ったものの中に、「黒板消し(こくばんけし)」*5もあるようで。
あの布のうねうねした部分が、「コーデュロイ」になっているようですね。
なのであなたが今度、黒板消しを見ることがあれば。
その下の布の部分に注目して、
「あれは『コーデュロイ』なのか『コールテン』なのか…」
なんて事を考えてみても、ちょっと面白いかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに筆者の手元にある辞典などは古いので、
今の辞典などだと、そもそも「コールテン」の方が載っていない可能性もあります。
追記2
ちなみに「corduroy(コーデュロイ)」という英語もあるのに、
日本で「コールテン(コール天)」と呼ばれた理由は、今回の調査では不明でした。
英語が入ってくる前に、違う外国から伝わったのかもですが、
その割に「コールテン」には「cord」という、英語っぽい単語を含んでますね。
またそもそも、Wikipediaによれば「corduroy」の由来にも複数の説があるようです。
いろいろ謎が多い感じですね。要追加調査です。
追記3
ちなみに手元の国語辞典では、
「コールテン」の英訳に「corded velveteen(コーデッド・ベルベティーン)」というものもありました。
が、ネット検索では「velveteen(ベルベティーン)」は「ベッチン」という、また似て異なる素材を表すようでした。
なので素材の区別の仕方によっても、使える言葉はまた変わってくるかもしれません。
◆用語集
・コーデュロイ(corduroy):
関連用語:「繊維(せんい)」*6、「錦(にしき)」*7、「縮緬(ちりめん)」*8、「キャラコ」*9、「トタン」*10、「段ボール」*11
関連記事:『服を表す外国語セブン』*12
・コールテン/コール天:
・ベッチン:
Wikipediaによれば、ヨコ糸パイルの比較的「毛足(けあし)」の短い「パイル織物」の一種、とのこと。
「綿ビロード」とも呼ばれるようだ。あと漢字では「別珍(べっちん)」とも書くらしい。
あとこれに「うね(畝)」があると上記のコーデュロイとなるようだ。
また「ベルベット」は縦パイルをカットしたものなので、また違うらしい、
*1:「服(ふく)」については 4/19 家+社:色んな「服(ふく)」と「重さ」の話! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「素材(そざい)」や「布(ぬの)」については 12/23 英語:ファンタジー/素材(material)の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:英語の「cord(コード)」については 11/2 英語:「紐(ひも)」は「コード」で、「暗号(あんごう)」も「コード」!? ~「cord」と「code」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「天鵞絨(てんがじゅう)」こと「ビロード/ベルベット」については 10/9 英+生:「ファスナー」は「ジッパー」で「チャック」ですか? ~あのジャーッってやる留め具の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「黒板消し(こくばんけし)」については 2/26 国語:身の周りの言葉を分解する! ~シャーペンと「鋭い筆(ふで)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「繊維(せんい)」については 7/17 理+英:「繊維(せんい)」は生活を支えてますか? ~食物繊維、合成繊維、光ファイバーの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「錦(にしき)」については 3/10 国+理他:「ニシキ」・「ニシキゴイ」・「ニシキヘビ」!? ~織物の「錦(にしき)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「縮緬(ちりめん)」については 3/7 国+英:「ちりめん(縮緬)」は「クレープ」ですか? ~織物(おりもの)と「crepe」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「キャラコ」については 5/29 歴史:海賊(かいぞく)/一つのナンパが歴史を動かす!? ~女海賊アンとメアリー~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:波打っている時は少し似ているかもしれない「トタン」については 4/25 理+英:この「鉄(てつ)」は「ガルバナイズ」されてますか? ~「トタン/galvanised iron(ガルバナイズド・アイアン)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:断面の波形が少しコーデュロイに似ているかもしれない「段ボール」については 4/26 生+英他:「段ボール(ダンボール)」は「まっすぐ」で「波形(なみがた)」ですか? ~「段ボール」と「corrugated(コルゲーテッド)/波形の」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:記事『服を表す外国語セブン』については 12/11 生+諸外:「服(ふく)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。