歴史の話ー。
昔のペルシャであった「王の耳」「王の目」と呼ばれる役職、
またそれを始めたとされる「ダレイオス1世」についての話です。
昔の物語には「王様の耳はロバの耳」というものがありますが。
世界史の用語集を読んでいたら「王の耳」という用語を見つけました。
具体的には、昔のアケメネス朝ペルシャ王国では「王の耳」と「王の目」という役職があったそうで。
それを始めたのはアケメネス朝の「ダレイオス1世」という王様*1です。
自分の委任した「サトラップ」という知事(ちじ)・総督(そうとく)を見はったり
地方の様子を知るために、人を派遣したそうで。
その役職が「王の耳」とか「王の目」という名前だったそうです。
Wikipediaを読む限り、「王の耳」はなんか「密偵(みってい)」*2、つまりスパイらしいので
日本では「忍者」*3を派遣するみたいな感じですかね。
日本でも豪族とか、守護・地頭でも放っておくと悪いことしだす人はいたみたいなので、
見張っておくのは何となくいいように思えますね。
(もちろん独裁(どくさい)*4や恐怖政治(きょうふせいじ)もあり得るので、いいことばかりとは限りませんが)
あとWikipedia読む限り、
ダレイオス1世は征服地では割と「寛容主義(かんようしゅぎ)」を取っていたり、
「王の道」と呼ばれる道*5も整備したおかげで交通の便が良くなったともいいます。
『世界史B用語集』によれば「王の道」は、軍事だけでなく経済と治安維持にも役立ったそうです。すごい。
「王の耳」、「王の目」、「王の道」…と「王」シリーズがすごいですが。
もし当時のペルシャに住んでいて、民がこれらに守られてることを実感したら、
「王様の耳はロバの耳ー!」ならぬ
「『王の耳』って超すごいんだぜー!」みたいなことを言う人もいた…かもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
このダレイオス1世は「ペルシア戦争」を起こした人物でもあり、
以前紹介した「レオニダス一世」*6が死亡した「テルモピュライの戦い」に攻め込んできた方でもあります。
なので過去記事とかから「レオニダス1世」側(スパルタ)に感情移入していると、ついダレイオス1世側(ペルシャ)は悪者に見えやすいかもしれませんが…
物事にはいろんな側面がある、ということですかね。
◆用語集
・『王様の耳はロバの耳』
関連人名:「ミダス王」*7
・王の耳、王の目:
ちなみに女性向けライトノベル『首の姫と首なし騎士』にはこれに関する名前のものが登場する。
ペルシャのそれと比べてみても面白いかもしれない。
・ダレイオス1世:前550年頃 - 前486年。
(ペルシャ王国)アケメネス朝の王。名前は「ダリウス1世」とされることもある。
ちなみにゲーム『Fate/Grand Order』には「ダレイオス三世」が出演していたりする。
関連人名:「セミラミス」*8
・ダレイオス三世:紀元前336年 - 紀元前330年。
アレクサンダー大王*9との戦いに敗れ、逃走中に部下に暗殺された。
・ダレイオス三世(Fate):
上記のダレイオス三世をモデルにした、ゲーム『Fate』でのキャラクター。
巨大な体でしかも真っ黒というすごい外見。
クラスが「バーサーカー」*10であるため、「狂化」というスキルがついており、ぶっちゃけほとんどなに言っているかわからない。
スキルがついていても喋れるキャラもいるのだが…。
しかも『Fate/Grand Order』OPの「色彩」のMVでは思いっきり口から火を吹いている。すげえ。
ちょっと格闘ゲーム『ストリートファイター』のダルシムを思わせる
担当声優は「安井邦彦(やすい・くにひこ)」さん。
・知事(ちじ):
ある場所・区画を管理する長。
英語では「governor(ガヴァナー)」。
日本では都道府県のトップをいう。
関連用語:「関所(せきしょ)」*11、「公務員(こうむいん)/government worker(ガバメント・ワーカー)など」*12、「govern(ガヴァーン)」*13、「ガヴァネス(governess)」、「腹芸(はらげい)」*14
・総督(そうとく):
やはりある範囲を治める役職。
英語では「governor‐general(ガヴァナー・ジェネラル)」。
日本では色んな海外の役職にこの言葉が当てられいるが、その中身は多様。
・王の道:
「宿駅(しゅくえき)」や「駅伝制(えきでんせい)」が整備されていたらしい。
つまり「ある程度行ったら町があり」、「馬を取り換えられることを保証されている」ということである。
昔の時代にこれはなかなかすごい安心感。
関連用語:「駅伝競走(えきでんきょうそう)」*15、「駅(えき)」*16、「飛脚(ひきゃく)」*17
・ペルシア戦争:紀元前499年-紀元前449年。
アケメネス朝ペルシャがギリシャ地方へ侵攻した戦い。
関連地名:「アテナイ」*18
・安井邦彦(やすい・くにひこ):
日本の男性声優さん。
上記の「ダレイオス三世」の他には『Fate/Grand Order』の「ヘクトール」*19などなどの声を担当しておられる。
*1:「王(おう)」については 5/25 国語:鉞(まさかり)/魔王とマサカリと金太郎! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「密偵(みってい)」や「スパイ」については 5/11 英語:人を助け、命を救う「盗み」!? ~「スパイ(spy)」についての話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「忍者(にんじゃ)」については 2/21 算数:鎧(よろい)を安く買って得をする!? ~セールとゲームと身近な算数~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「独裁(どくさい)」については 6/30 英+社他:auto/「独裁(どくさい)」への道は「自動(じどう)」ですか!? ~「auto」と「自動」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「道(みち)」については 7/27 英語:色んな「ロード」の話! ~road,load,lord,~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「レオニダス一世」については 1/25 歴+家:スパルタ王とチョコレートの関係!? ~「レオニダス1世」と「レオニダス」(店)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:耳をロバの耳に変えられた王様「ミダス王」については 11/20 社+生:「妊婦加算(にんぷかさん)」についての話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:アッシリアの女王「セミラミス」については 2/14 歴史:「空中庭園(くうちゅうていえん)」は浮いてますか? ~女王「セミラミス」と空中庭園~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「アレクサンダー大王」については 12/26 歴史:ここもあちらも「アレクサンドリア」!? ~「アレクサンダー大王の町」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「バーサーカー」については 5/25 ゲーム+歴:勇気(ゆうき)、元気(げんき)、狂気(きょうき)!? ~狂戦士(きょうせんし)の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「関所(せきしょ)」については 11/14 歴+英:「関所(せきしょ)」は何を「チェック」しますか? ~「barrier(バリア)」と「checkpoint(チェックポイント)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:英語では「government worker(ガバメント・ワーカー)」ともいう職業「公務員(こうむいん)」については 7/5 英+学:「職業(しょくぎょう)」に関わる英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「govern(ガヴァーン)」や「ガヴァネス(governess)」については 2/5 歴+英:「ガヴァネス(governess)」は「余った女」…じゃ、ない!? ~女性家庭教師の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「腹芸(はらげい)」については 12/13 国+こころ他:「政治家(せいじか)」に「腹踊り(はらおどり)」は必要ですか? ~色んな「腹芸(はらげい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:「駅伝競走(えきでんきょうそう)」については 1/3 国+歴:正月関係/「おせち」と「駅伝(えきでん)」についてのメモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:「駅(えき)」については 7/6 英語:駅の「ホーム」は「ホーム」じゃない!? ~「ホーム」と「フォーム」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:昔の配達人「飛脚(ひきゃく)」については 9/17 社+国他:「三度笠(さんどがさ)」は「シフト」を表してますか? ~「三度笠(さんどがさ)」と「三度飛脚(さんどびきゃく)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:「アテナイ」については 12/18 社+ギリ他:なんだか強そうなギリシャ料理の名前! ~ドルマダキア、スジュカキア、バクラヴァス~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:「ヘクトール」については 9/3 社+ゲーム:ゲームで見た歴史・神話的な名前メモ ~「オルクス」と「ヘクトール」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。