歴史+ゲームの話ー。
多分必ず助けてくれるというわけではないので、ご容赦を。
ヒンドゥー教の女神(めがみ)*1の「ラクシュミー」と、
彼女が仏教(ぶっきょう)*2に取り入れられた存在「吉祥天(きっしょうてん/きちじょうてん)」の話です。
(※本記事中、人名・神名等敬称略)
前置き。
ネットを見ていたら、ゲーム『Fate/Grand Order』で「ラクシュミー・バーイー」*3というキャラクターが出てきたことを知ったのですが、
過去記事で少しだけ触れていたので、今回はヒンドゥー教の「ラクシュミー」の方の話を。
「ラクシュミ―」とはヒンドゥー教、あるいはインド神話の女神の一柱の名前ですね。
Wikipediaによれば美と富と豊穣と幸運を司るそうです。
ヒンドゥー教の最高神の1人「ヴィシュヌ」の奥さんでもあるようですね。
(※ヒンドゥー教には最高神が複数います)
で、ここまで読んで、「いきなりヒンドゥー教の話をされても関係ないよ…」と思うかもしれませんが、
実は、日本でも「ラクシュミー」さんに出会う機会はあったりします。
何故なら女神「ラクシュミー」の存在は、「吉祥天(きっしょうてん/きちじょうてん)」という名前で仏教に取り入れられているからですね。
吉祥天(きっしょうてん)は仏教の守護神*4、またやはり幸運の女神とされてるようです。
そのため彼女に関わる絵画などもあり、
その中の「薬師寺吉祥天像(やくしじきちじょうてんぞう)」は日本史の資料集にも載っていたりします。奈良時代のものですね。
なので、実は学校でちらりとラクシュミーさん(的な吉祥天さん)に出会っているかもしれませんね。
日本史でも特に「奈良時代」*5や「平安時代」は上記のような仏教の単語が多く出てくるわけですが、
そんな時に「薬師寺吉祥天像」という漢字7文字用語をそのまま覚えるだけでなく、
「これは元は女神ラクシュミーだった、吉祥天の像なんだー」というのがわかっていると、
ちょっと覚えやすくなるかもしれません。
すると女神ラクシュミーの存在が、あなたのテスト*6点にも幸運を運んでくれるかも?
まあそんな感じで~。
関連用語:「四天王(してんのう)」*7
関連記事:『神を表す外国語セブン』*8
追記
ちなみにこのように仏教や、日本に取り入れられたインドの神様はたくさんいます。
例えば「七福神(しちふくじん)」の「弁財天(べんざいてん)」という女神さまは、
元はインドの「サラスヴァティー」という女神だとされています。
ちなみにヒンドゥー教の神様はゲームによく出てくるので、このイメージを利用して記憶しやすくすることもできますね。
◆用語集
・ラクシュミー:
ちなみに「アラクシュミー(Alakshmi)」という女神が姉であるという話もある。
また愛の神「カーマ」の母であるという説もある。
ちなみにゲームに出ていることも多い。例えば『女神転生』シリーズや、『ファイナルファンタジー』、『パズル&ドラゴンズ』など。
・アラクシュミー(Alakshmi):
ヒンドゥー教の神の一柱で、貧困と不幸を司る女神。
Wikipediaによればラクシュミーは、ヴィシュヌの妻*9になる際に「私があなたの妻になる条件として姉にも配偶者を付けるように」とヴィシュヌに請願したとのこと。
これは日本神話の「木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)」*10と「イワナガヒメ」の話に似ている気もする。
・吉祥天(きっしょうてん/きちじょうてん):
Wikipediaによれば、仏教の守護神である「天部(てんぶ)」の1つ。
ヒンドゥー教の女神ラクシュミーが、仏教に取り入れられたもの。
仏教においては、父は「徳叉迦(とくさか)」、母は「鬼子母神(きしもじん)」*11であり、夫は「毘沙門天(びしゃもんてん)」。妹に「黒闇天」がいるらしい 。
ちなみにWikipediaによれば、「天河大弁財天社の創建に関わった天武天皇(てんむてんのう)*12は天河の上空での天女=吉祥天の舞いを吉祥のしるしととらえ、役行者(えんのぎょうじゃ)とともに、伊勢神宮内宮に祀られる女神([天照坐皇大御神荒御魂瀬織津姫*13)を天の安河の日輪弁財天として祀った。この時、吉祥天が五回振袖を振ったのが、『五節の舞(ごせちのまい)』として、現在にいたるまで、宮中の慶事の度に催されている」…とのことらしい。筆者が当初思った以上に日本史にがっつり関わっている。
・薬師寺吉祥天像(やくしじきちじょうてんぞう):
関連用語:「薬師寺(やくしじ)」*14、「麻布(あさぬの)」*15
・ヴィシュヌ:
ヒンドゥー教の最高神の一柱。
上記の女神ラクシュミーの旦那さん。
数多くの化身(アヴァターラ*16)を使い分け、地上に現れるとされている。
有名なものでは『マハーバーラタ』*17の「クリシュナ」や『ラーマーヤナ』の「ラーマ」など。
また化身の中には「ジャガーノート」という存在もあったりする。
関連用語:「アバター」
関連名称:「ニャルラトホテプ」*18
関連自作ゲーム:『ディクショナリー・ゲーム』*19
・七福神(しちふくじん):
福の神として日本で信仰される、7柱の神様。
メンバーは一般的に「恵比寿(えびす)」、「大黒天(だいこくてん)」*20、「福禄寿(ふくろくじゅ)」、「毘沙門天(びしゃもんてん)」、「布袋(ほてい)」、「寿老人(じゅろうじん)」、「弁財天(べんざいてん)」とされる。
関連用語:「福神漬(ふくじんづけ)」*21、「めでたい」*22
・弁財天(べんざいてん):
Wikipediaによれば、仏教の守護神である天部の一つ。
ヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー(Sarasvatī)が、仏教に取り込まれた呼び名。またその後「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」によって神道にも取り入れられたらしい。
七福神の一柱ともされる。
手には楽器の琵琶(びわ)*23を持っているとされる。
・サラスヴァティー(Sarasvatī):
ヒンドゥー教の女神。
Wikipediaによれば芸術・学問などの知を司るらしい。
また4本の腕を持ち、2本の腕には数珠(じゅず)*24とヴェーダ、もう1組の腕に「ヴィーナ」と呼ばれる琵琶に似た弦楽器を持ち、白鳥(はくちょう)またはクジャクの上、あるいは白い蓮華(れんげ)の上に座る姿として描かれる、とのこと。
ちなみにヒンドゥー教には名前の似た「パールヴァティー」という女神もおられたりする。
ちなみにゲーム『Fate/EXTRA-CCC』や『Fate/Grand Order』には、この女神に関係するキャラクターが出てきたりする。
関連用語:「アルターエゴ」*25
・カーマデーヴァ/カーマ:
ヒンドゥー教の愛の神。
上記ではラクシュミーの子であるという説を書いたが、Wikipediaではさらにダルマ(正義)とシュラッダー(信仰)の息子であるというはなしや、ブラフマーの息子であるという話もあった。
ちなみにゲーム『Fate/Grand Order』の中に登場していたりもする。
・パールヴァティー:
ヒンドゥー教の女神の名前。
Wikipediaによればその名は「山の娘」を意味するらしい。
最高神の一柱「シヴァ」の奥さん。
Wikipediaによれば、ヒマラヤ山脈の山神「ヒマヴァット」の娘で、ガンジス川の女神である「ガンガー」の姉に当たる。
また軍神スカンダ*26や、学問の神ガネーシャの母。シヴァの最初の妻サティーの転生でもあるらしい。
また女神「ドゥルガー」や「カーリー」とも同一視されるとのこと。
ちなみにゲームにも出演している。例えば『女神転生』シリーズ、『パズル&ドラゴンズ』、『Fate/Grand Order』など。
あと昔の漫画『3×3 EYES』という作品にも出ていたりした。
・ガネーシャ:
ヒンドゥー教の神。色々あって象(ぞう)の頭。
Wikipediaによれば富をもたらす神様とされ、商人に人気があるらしい。
仏教に取り入れられた時の名前は「歓喜天(かんぎてん)」。
ちなみにゲーム『Fate/Grand Order』の中に登場してもいるようだ。
ちなみに現代ホラー『クトゥルフ神話』*27には、この神様をモデルにしたのではないかと思われる邪神「チャウグナル・ファウグン」という存在がいたりする。
・チャウグナル・ファウグン/チャウグナー・フォーン/Chaugnar Faugn :
『クトゥルフ神話』の邪神。
象の石像に見えるが、夜中に動き出して人の血を吸ったりする。
*1:「女神(めがみ)」については 3/3 国語:運命(うんめい)、神(かみ)、そして社会(しゃかい) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「仏教(ぶっきょう)」については 12/17 社会:水(みず)と宗教(しゅうきょう)の話(ざっくり仮説) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「ラクシュミー・バーイー」については 3/22 歴史:戦いと勝利、そして反乱の女王! ~女王「ブーディカ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「守護神(しゅごしん)」については 9/28 国+英他:池(いけ)の「ヌシ」は「ガーディアン・スピリット」ですか? ~色んな「主(ぬし)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「奈良時代(ならじだい)」については 8/7 歴+ゲーム:ゲーム『茜さすセカイでキミと詠う』の話 ~聖徳太子に鑑真さん~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「テスト」については 5/24 学習:テストについてメモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:仏教の「四天王(してんのう)」については 1/23 歴+国:仏教の「四天王(してんのう)」についての話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:記事『神を表す外国語セブン』については 12/16 社+諸外他:「神(かみ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「妻(つま)」については 12/7 生+歴他:「湯たんぽ(ゆたんぽ)」は「妻(つま)」の代わりですか? ~「湯湯婆(ゆたんぽ)」と「湯婆(タンポー)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:日本神話の「木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)」と「イワナガヒメ」については 7/23 国+英:色んな「つみ」の話! ~将棋(しょうぎ)、花摘み(はなつみ)、あと『ツムツム』?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:仏教の「鬼子母神(きしもじん)」については 2/20 社会:悪→善チェンジ ~魔女ランダは白魔術を覚えた!~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:日本の第40代天皇「天武天皇(てんむてんのう)」については 11/20 歴史:まとめ/当ブログに出てきた人物と『刀剣乱舞』の刀の関係 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:日本神話の「瀬織津姫(せおりつひめ)」については 12/29 歴史:歴史関係で気になった言葉メモ(※かなり自分用) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「薬師寺(やくしじ)」については 4/25 歴史:「メキラ」、「アンテラ」、不思議な神名! ~十二神将(じゅうにしんしょう)の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:「麻布(あさぬの)」については 1/30 社+国他:あなたは「麻布」を読めますか? ~あざぶ、あさぬの、まふ、あさふ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:「アヴァターラ」や「アバター」については 12/15 学+ゲーム:まるでゲームみたいな学校生活!? ~「サイバー学習国」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:『マハーバーラタ』や「クリシュナ」については 2/8 歴史:兄弟にしてライバル関係!? ~インドの英雄、「カルナ」と「アルジュナ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:やはり数多くの化身を持つクトゥルフ神話の邪神「ニャルラトホテプ」については 9/23 ゲーム:簡単ゲームプレイメモ ~『クトゥルフ神話TRPG』風~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:筆者の自作ゲーム『ディクショナリー・ゲーム』については 8/22 国+英+ゲーム:辞書で面白い言葉を見つけるゲーム!? ~「ディクショナリー・ゲーム」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:「大黒天(だいこくてん)」やヒンドゥー教、インド神話の神「シヴァ」については 6/8 社+ゲーム:「七福神(しちふくじん)」には「破壊神(はかいしん)」がいる!? ~「大黒天(だいこくてん)」と「シヴァ」等の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*21:由来が七福神に関係あるという説もある漬物「福神漬(ふくじんづけ)」については 4/7 生+歴他:「福神漬(ふくじんづけ)」は「神(かみ)」の「漬物(つけもの)」ですか? ~「福神漬」と「七福神(しちふくじん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*22:「めでたい」については 2/2 国+社他:「めでたい」ことは「かわいい」ことですか? ~「愛でたい(めでたい)」や「愛でる(めでる)/かわいがる」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*23:楽器の「琵琶(びわ)」については 6/26 音+理他:この「ビワ」は「ビワ」製ですか? ~楽器の「琵琶(びわ)」と植物の「ビワ(枇杷)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*24:「数珠(じゅず)」については 4/20 社+英:「数珠(じゅず)」は「ビーズ」の「ロザリオ」ですか? ~「Buddhist rosary(ブディスト・ロザリー)」と「rosary(ロザリー)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*25:「アルターエゴ」については 6/2 社+英他:我(われ)思う、ゆえに「エゴサ」!? ~「エゴ(ego)」と「エゴサ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*26:ヒンドゥー教の神「スカンダ」や「韋駄天(いだてん)」については 7/3 英語:カルタ・ライトニング・イダテーン! ~雷光(らいこう)と速さ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*27:現代ホラー『クトゥルフ神話』については 8/3 学習:ゲーム/テストの点数がキャラを強くする!? ~点数反映ゲーム~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。