国語+社会+こころ+美術の話ー。
かなりややこしいタイトルでお送りしておりますが。
ある職業(しょくぎょう)っぽい性格を表す①「気質(かたぎ)」と、
ヤクザ等でない一般人などを表す②「堅気(かたぎ)」の話を。
後半で③「堅木(かたぎ)」や④「形木(かたぎ)」の話も添えて。
前置き。
まず①「かたぎ」は、時に性格(せいかく)を表す印象の語ですね。
例えば「職人(しょくにん)かたぎ」は、職人らしい(こだわる)性格、
「昔(むかし)かたぎ」は、昔の時代っぽい性格というイメージです。
でも、一方でヤクザ・裏社会(うらしゃかい)がテーマのマンガ等では、
時に②「カタギ」という言葉を聞いたりします。
こちらでは「ヤクザではない一般人(いっぱんじん)」的な意味で出てくることが多いので、上の①「かたぎ」とはまた違う意味の印象です。
では①「かたぎ」と②「カタギ」の関係は?と調べてみると。
どうやらそもそも別の語だったりするようです。
まず国語辞典によれば、
性格の「かたぎ」は①「気質(かたぎ)」と書くそうで。
「その職業(しょくぎょう)・階層(かいそう)の人たちに共通に見られる、思考の型(かた)や心理的傾向」…らしいので、
「○○(職業など)の人によくある性格パターン」って感じですかね。
一方の裏社会用語っぽい「カタギ」は②「堅気(かたぎ)」と書くようです。
これは国語辞典によれば、ざっくりいうとヤクザ(裏社会)系とかではなく、地道(じみち)な商売についていること、などを表すようです。
「堅(かた)い」→「しっかりした」→「地道な」って感じですかね。
なので字や意味の面から、
「①『かたぎ(気質)』と②『かたぎ(堅気)』は違う!」と言えそうですが。
…ひらがな等で書くと、どちらがどちらか分かりづらいですね。
※
ちなみに、他にも「かたぎ」という語はあるようで。
例えば、堅くて丈夫(じょうぶ)な木を表す③「堅木(かたぎ)」や、
染色(せんしょく)関係で使う板(いた)の④「形木(かたぎ)」という語があるようです。
これらも①・②の「かたぎ」とは違うので、
「①『かたぎ(気質)』と②『かたぎ(堅気)』と③『かたぎ(堅木)』と④『かたぎ(形木)』は違う!」とも言えそうですが。
…かなりややこしいですし、意味が分かりづらいですね。
まあこれはかなりジョークではありますが、
でも同じ音で違う語が色々ある、というのは面白いですね。
今度「かたぎ」という語をどこかで聞いたら、
「4つの『かたぎ』の内の、どれだ…?」なんて思ってみるのも、面白いかも?
まあそんな感じで~。
追記
本文では①「気質(かたぎ)」について書きましたが。
この字の別の読み方「気質(きしつ)」は、
「性格」などを表す語なので、そちらで想像しても分かりやすいかもです。
また和英辞典で②「堅気(かたぎ)」を調べると、
英訳に「honest(オネスト)」などの英語も出てきました。
英和辞典によれば「honest(オネスト)」には「正当(せいとう)に働いて得た」という意味があるので、その辺りが「裏社会でない一般人」を表す感じですかね。
追記2
これは思いつきですが、
「『職人らしい性格の』『ヤクザでない』職人が『堅い木』で『染色の板』を作った」という文は、
「①『職人かたぎ(気質)の』②『かたぎ(堅気)の』職人が③『かたぎ(堅木)』で④『かたぎ(形木)』を作った」なんて言い換えられるかもですね。
…かなりややこしい早口言葉っぽいですね。
◆用語集
・気質(かたぎ):
・堅気(かたぎ):
関連用語:「地味(じみ)」*1、「閻魔大王(えんまだいおう)」*2、「閻魔帳(えんまちょう)」
逆っぽい語:「悪銭身につかず(あくせんみにつかず)」*3、「悪銭(あくせん)」
・堅木(かたぎ):
・形木(かたぎ):
*1:「地味(じみ)」については 6/5 国+理他:「地味」はあった方が良いですか? ~見た目の「地味(じみ)」と、土地の「地味(ちみ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「閻魔大王(えんまだいおう)」、「閻魔帳(えんまちょう)」については 1/19 社+国他:「先生(せんせい)」は「地獄(じごく)」の「大王(だいおう)」ですか? ~「閻魔帳(えんまちょう)」と「教務手帳(きょうむてちょう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「悪銭身につかず(あくせんみにつかず)」や「悪銭(あくせん)」については 9/11 国+英他:「悪銭(あくせん)」は「イージー」な物ですか? ~「悪銭身につかず/Easy come、easy go」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。