国語の話ー。
よく位置(いち)等を表すセットとして使われたりする語、
「上(じょう)・中(ちゅう)・下(げ)」と。
それと似ていながら特に関係が無いらしい、
「言上(ごんじょう)・言中(げんちゅう)・言下(げんか)」の話を。
前置き。
まず「上(じょう)・中(ちゅう)・下(げ)」とは、位置(いち)などを表す語ですね。
それぞれ「上(うえ)」、「中(なか)/真ん中(まんなか)」・「下(した)」にあるものを表す感じです。
例えば「上段(じょうだん)・中段(ちゅうだん)・下段(げだん)」とか、
「上級(じょうきょう)・中級(ちゅうきゅう)・下級(かきゅう)」なんて言葉もあります。
なので、この「上・中・下」は、「セット」的に使われることも多い印象ですね。
で、この流れで「『○上』・『○中』・『○下』」という言葉を見ると、
「あー、何かの『上・中・下』セットか」と見えるかもですが。
…しかし、そう思うのはちょっと早いかもしれません。
というのも「言上・言中・言下」などの語があるからですね。
漢和辞典によれば、それぞれの語の意味は、
「言上(ごんじょう、げんじょう)」…自分より高い地位(ちい)の人に対して申(もう)し上げる
「言中(げんちゅう)」…ことばのなか(言葉の中)
「言下(げんか、ごんか)」…一言(ひとこと)のもとに(※つまり「一言で言う」みたいな感じですね)
…という感じのようです。
つまり、この「言上・言中・言下」は、
「上・中・下」の語が入っていながら、実はお互いあまり関係が無い、ということですね。
そう考えると、
「『(言)上・(言)中・(言)下』はセット…でもない!」と言えるかもですが。
でも多くの所で「上・中・下」はよくセットになっているので、ちょっと「!?」って感じもしますね。
※
まあこれらの語は、まとめて使うことも多くなさそうなので、
ややこしくて困(こま)ることも、あまりなさそうですが。
しかし例えば、国語のテストなどで、
「『言上・言中・言下』は、それぞれ言葉の上品(じょうひん)さのランクを表す。『○』か『×』か」という問題があったら、
「上・中・下」の関係をイメージして、思わず「○」にしてしまいそうな気もしますね。
(上記の通り、正解は「×」ですが)
この「上(じょう)・中(ちゅう)・下(げ)」など「セット」になりやすい言葉は、
問題(もんだい)を解く時のヒントになってくれたりもしますが。
でもそれに頼り切らず、試しにそれぞれの意味を調べてみると、
「言上・言中・言下」等にも引っかからず、より成績(せいせき)が「上がったり」する…かも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・言上(ごんじょう、げんじょう):
自分より高い地位(ちい)の人に対して申(もう)し上げる、という意味の語。
・言中(げんちゅう):
ことばのなか(言葉の中)、という意味の語。
・言下(げんか、ごんか):
一言(ひとこと)のもとに、という意味の語。つまり「一言で言う」みたいな感じ。