国語+こころの話ー。
「縫い目(ぬいめ)が解ける」、「つぼみ(蕾)が開き始める」など、
色々な意味を持つ語、「綻(ほころ)びる」の話を。
「顔(かお)が綻びる」や、「計画(けいかく)に綻び(ほころび)が生じる」などの語も参考にしつつ。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日は「破顔(はがん)」…ある人が笑顔になることについて書きましたが。
これに似た意味の言葉では、「顔(かお)が綻(ほころ)びる」なんて言葉もあったりします。
こちらも、緊張(きんちょう)がゆるんで笑顔になる…みたいな感じの語ですね。
ちなみに国語辞典によれば「綻(ほころ)びる」は、
①「縫い目(ぬいめ)が解(ほど)ける」とか、
②(花の)「つぼみ(蕾)が開き始める」という意味があるようです。
「顔が綻びる」がどちらに関係があるか、詳細は不明ですが。
でも例えば①「縫い目(ぬいめ)が解(ほど)ける」の場合だと
「(緊張で)固く『結ばれた』口元(くちもと)がゆるんで笑顔になる」、
そして ②「つぼみ(蕾)が開き始める」の場合なら、
「固く結ばれた花(はな)のつぼみが開くように、ゆるんで笑顔になる」という感じかもですね。
(※この辺りは筆者の仮説なので、ご注意を)
さて、こう書くと、「笑顔になる(顔が綻びる)」のイメージも強いので、
「綻びる」は「嬉(うれ)しい」感じの言葉に思えるかもですが。
しかしよく考えると、「綻びる」の①「縫い目が解ける」意味は
身の回りの服(ふく)などに起こると、あまり「嬉しくない」ことですね…。
また関連語の「綻び(ほころび)」に関しては、
例えば「計画(けいかく)に綻び(ほころび)が生(しょう)じる」なんて言い回しもありますが。
これは計画に思わぬトラブルが出てきてしまう…的な意味なので、こちらも「嬉しくはない」ですね。
なので仮に「『綻(ほころ)びる』ことは『嬉(うれ)しい』ですか?」という質問があったなら。
「笑顔」や「蕾」をイメージした人は「はい!」と答え、
「服」や「計画」をイメージした人は「いいえ…!」と答えるなど、反応が分かれたりするかもですね。
※
まあ、一口(ひとくち)に「綻びる」といっても色々あるわけですが。
しかし「顔」、「縫い目」、「(花の)つぼみ」、「計画」など、
これだけ色んな種類の物に、「綻びる」という語が使えるのもすごいですね。
なので、どこかで「服の縫い目がちょっと『解けてる(綻びてる)』」…とか、
「あの人の厳しい顔が、ゆるんで『笑顔になった(綻びた)』…」なんてことがあれば。
「これが『綻(ほころ)びる』ってことか~」と思ってみても、面白いかも?
まあそんな感じで~。