3/11 国＋こころ：「おくそく（臆測）」を漢字で書けますか？　～「臆測（おくそく）／憶測／億測」の話～

　国語＋こころの話ー。
　クイズっぽいタイトルですが、サブタイでネタバレしています。

　いいかげんな推測（すいそく）である①「臆測（おくそく）」と、
　それと同じ意味の②「憶測（おくそく）」や、③「億測（おくそく）」の話を。

　※他にも「おくそく」という響きの語はありますが、今回は「臆測」周りの語のみテーマにしています。

　前置き。
　今日は３月１１日…１２年前に「東日本大震災」があった日ということで。
　「記憶（きおく）」*1周りの語を調べていたら、
　ふと「臆測（おくそく）」という語を見つけたので、その話を。

※

　まず①「臆測（おくそく）」とは、いいかげんな考えのことですね。
　国語辞典では「想像に基づく、いいかげんな推測（すいそく）」と書かれていました。
　あまりデータ*2とか、しっかりした根拠（こんきょ）*3がない考えって感じですね。

　例えばサスペンス*4とかホラー*5映画などでは、
　証拠（しょうこ）無しに「こいつが犯人だ！」と言う人もいたりしますが。
　その辺りは、分かりやすい「臆測」的な物と言えるかもしれません。

　さて、筆者はこの「臆測」の「臆（おく）」という字について、
　「『記憶（きおく）』の『憶（おく）』と似てるけど、違うから注意しなきゃ…」と思っていたのですが。

　しかし調べてみると、思っていたほどは違わないかもしれません。
　というのも、国語辞典・漢和辞典によれば、
　①億足と同じ意味の、②「憶測（おくそく）」という表記もあるらしいからですね。

　で、さらに他の似た字で「億（おく）」という物もありますが。
　（この「億」は数字の単位でよく目にしますね。例：「１億」など）
　漢和辞典には③「億測（おくそく）」という語もあり、
　これも①「臆測」と同じ意味、と載っていました。

　まとめると、①「臆測」＝②「憶測」＝③「億測」ということですね。

　それぞれ全然違う意味だとこうならないかと思うので、
　元となる「臆」と「憶」と「億」も、結構似ている所がある、と言えるかもです。
　（漢和辞典によれば、数字でよく見る「億」にも、「おしはかる（推し量る）」（考える）という意味があるようですし）

　で、仮に①「臆測」だけをイメージしつつ、
　「『おくそく（①臆測）』を漢字で書けますか？」とクイズを出したとしても。
　意味的に同じ②「憶測」と③「億測」も正解にしなきゃいけない…と考えると、ちょっと面白いですね。
　「知らないところから別の正解が飛んできた…！？」って感じです。

※

　さて、上では「臆測」を割とマイナスっぽく書きましたが。
　でも別に「臆測は全くしてはいけない」とか、
　「間違えるくらいなら、何も考えない方がいい…」と言いたい訳ではありません。
　最初から全てを知るとか、ミスしないというのは難しそうですし。

　ただデータが無い時の「臆測（とりあえずの考え）」を、
　「これが真実だ！こうに違いない！」と自分で思い込んだり、
　人に言ったりしてしまうと、困ったことになるかもです。
　その気は無くても、かなり「嘘（うそ）」に近くなってしまう訳ですし。

　なので、「今は何か考えても、『臆測』になっちゃうな～」という物があれば。
　それを自分で注意しつつ、新しい知識やデータを手に入れて、
　しっかりした、いい感じの「推測」にして行けたらいいかもですね。

　まあそんな感じで～。

追記
　現代は「フェイクニュース」などの語もあるように、
　「何が嘘か、本当か」とか、「何かしっかりした推測で、何が臆測か」などが、よく争われている気もします。
　世の中について、筆者が何かを言い切るのは難しいですが。
　でも、せめて自分の「臆測」とか「誤解（ごかい）」、「偏見（へんけん）」などは、
　気をつければ少しは減らせるかもですね。

◆用語集
・臆測（おくそく）／憶測／億測：
　関連用語：「消息（しょうそく）」*6、「消息を絶つ」、「意思疎通（いしそつう）」*7
　関連記事：『記憶を表す外国語セブン』*8

・臆（おく）：
　関連語は「臆（おく）する」、「臆病（おくびょう）」など。

・臆病（おくびょう）：
　関連用語：「恐怖（きょうふ）」*9、「ホラーゲーム」、「怪談（かいだん）」
　関連記事：『恐怖を表す外国語セブン』*10

・憶（おく）：
　関連語は「記憶（きおく）」、「追憶（ついおく）」など。

・億（おく）：
　関連語は「億万長者（おくまんちょうじゃ）」など。

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