国語+生活の話―。
「右は優れた者の場所…そう決まってるんだ」的な話ではありません。
あることに関して、その人より優(すぐ)れた人はいない…的な意味の言葉、
「(○○の)右に出る者はいない」の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日「右(みぎ)」 を表す外国語を調べた後に、
ふと「右(みぎ)に出(で)る」とか、
「右に出る者はいない」という言葉を思い出しまして。
まず単に「右に出る」というと、「画面の右の方に出る~」とか、
単純な「方向(ほうこう)」や「場所(ばしょ)」の話になるのですが、
一方で否定形(ひていけい)にすると、またちょっと意味が違ったりもします。
というのも「○○の右に出る者はいない」というのは
「○○さんに敵(かな)う人はいない」とか、
「(□□に関して)○○さんより優れた人はいない」といった意味になるからですね。
で、筆者もこの「右に出る者はいない」という表現は知っていたので、
特に今まで何とも思わなかったのですが。
ふと「なんで『右』…?」などと思いまして。
手元の辞典などに詳細は載っていなかったので不明ですが。
でも仮説を考えるならば、昔の日本は「縦書き(たてがき)」…
上から下に縦に文字が、右からの左へ流れていく…というスタイルが多かったのが関係しているかもですね。
例えば、
2 1 期
位 位 末
テ
佐 山 ス
藤 田 ト
ノ の 順
ッ っ 位
ポ ぽ
…みたいに、「1位の人の名前が一番右に出る」のだったら、
確かに「○○の右に出るものはいない=○○より優れた人はいない」みたいな感じの意味になりそうですね。
(※あくまで筆者の仮説なので注意)
しかし、今の文章は「横書き(よこがき)」も多く見ます。
今まさにこの記事で書いているように、
「左から始まって右に行き、下がって行く」スタイルですね。
この場合、上に書いたような「期末テスト順位」は、
期末テスト順位
1位 山田のっぽ、2位 佐藤ノッポ
という風になるか、または
期末テスト順位
1位 山田のっぽ
2位 佐藤ノッポ
…みたいになる気もしますね。
つまりこの場合、優れた者(順位が高い人)は「右」ではなく、
むしろ「左」か、「上」に名前が出てくる感じですね。
そう考えると、「右に出るものはいない」という言葉は、
「優れた者が右に出る」こと(または書き方)が多い時代の言葉だったのかもですが。
でも上記のように、他の書き方(横書きなど)に慣れた人は、
「いや、『左』だよ!」、「『上』からだろ!」なんて思うかもですね。
※
まあそれらのことによって、
「右に出る者はいない」という言葉が使えなくなる訳ではないですが。
でも何となく知っていて当たり前っぽい言葉にも、
実は独特(どくとく)な背景(はいけい)・常識(じょうしき)があるかも…というのは面白いですね。
あなたが「右に出る者はいない」の語を使うことがあるかは、不明ですが。
でも今度、何かのランキングや順位(じゅんい)を見ることがあれば、
「一番優れた者…1位の名前は『どこ』に出てくるんだ…?」
「『右』?『左』?『上』か?…いや、あえて『下』か!?」
なんて興味深く見てみても、面白いかもですね。
まあそんな感じで~。