国語+生活+こころの話-。
すごい矛盾した感じのタイトルですが。
ある人のイメージに合う、的な言葉「眼鏡(めがね)にかなう」と、
顔にかける「眼鏡(めがね)」*1は、また違う言葉らしい…的な話です。
「目矩(めがね)」等の語を参考にしつつ。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
まず「眼鏡(めがね)にかなう」(眼鏡に適う*2)とは、
ある人の基準(きじゅん)に合う…みたいな意味の語ですね。
国語辞典では「その人が期待(きたい)したイメージにぴったり合う」と説明されていました。
なので例えば、
「この商品(しょうひん)は『眼鏡』にかないましたか?」*3と聞くことは、
「この商品はあなたのイメージに合いましたか?満足(まんぞく)頂(いただ)けましたが?」と、確認(かくにん)する感じになる訳ですね。
で、「眼鏡にかなう」には「眼鏡(めがね)」という語が入っているので、
(顔にかけて使う)「眼鏡」発明(はつめい)後の言葉か…?とも思ったのですが。
しかし調べた感じでは、
「眼鏡にかなう」の「眼鏡」は、かける「眼鏡」とはまた違う語かもしれません。
というのも国語辞典では、
「眼鏡にかなう」の「眼鏡」は「目矩(めがね)」の意、とも書いてあったからですね。
まず国語辞典によれば、
「眼鏡にかなう」で使われている、「目矩(めがね)」としての「眼鏡」は、
「物の形・性質・よしあしなどを見分ける尺度(しゃくど)としての目(め)」と説明されていました。
(「尺度(しゃくど)」とは「ものさし」*4(定規(じょうぎ))のことや、何かの「基準」のことですね)
つまりこの場合の「眼鏡(目矩)」は、ある人の「目(見る基準)」のことであり、
顔にかける「眼鏡」とは、また違う物を表しているわけですね。
そして「眼鏡にかなう」は、「眼鏡」をかけている人限定の語でもないですし、
その意味で「『眼鏡(目矩)』と(かける)『眼鏡』は違う!」と言えるかもですが。
…文としては「何を言っているんだ…」?と思われそうな感じですね。
※
ちなみに「眼鏡にかなう」という言葉は、
上記のように、「ある商品がイメージに合う」時に使えたりするわけですが。
すると、顔にかける「眼鏡」選びの時にも、使えると思われます。
なので眼鏡屋さんとかでは、
「この『眼鏡』は『眼鏡』にかないましたか?」とか、
「あの『眼鏡』は『眼鏡』にかないませんでしたか…」というセリフが出て来るかもなのですが。
…我ながら、なかなかシュールな感じですね。
まあややこしいですし、他の表現を使えば良いのですが。
でも、もし今度あなたが「眼鏡(めがね)」を選ぶことがあれば、
「『眼鏡(目矩)』にかなう『眼鏡』を選ぶぜ!」
なんてこっそり思ってみても、面白いかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに、手元の国語辞典・漢和辞典では、
他にこの「目矩(めがね)」という語自体を確認できなかったのですが。
ただ漢和辞典によれば、「矩(く)」という字は、
「直角(ちょっかく)に曲がったものさし」や「法則(ほうそく)」などを意味するようです。
(「ものさし」は「定規(じょうぎ)」、「法則(ほうそく)」は「ルール」などのことですね)
なので「目矩(めがね)」(目+矩)という語は、
「(その人の)『目』の『ものさしやルール(矩)』」ということで、
本文でも書いた「(前略)尺度(しゃくど)としての目(め)」という意味につながっていそうですね。
◆用語集
・眼鏡(めがね)にかなう(適う):
関連用語:「合格(ごうかく)」*5、「不合格(ふごうかく)」、「合否(ごうひ)」
*1:顔にかけてつかう「眼鏡(めがね)」については 10/1 理+生、他:10月1日は「眼鏡(メガネ)」の日! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「適う(かなう)」については 5/20 国語:カナウ・カナワヌ・カナエール! ~適う・敵わぬ・叶えるの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:敬語表現としては「お眼鏡に~」とするべきかもですが、ここではわかりやすさ優先で「眼鏡に~」としています。
*4:「ものさし(物差し)」や「定規(じょうぎ)」については 1/18 算数+英:図形/「3+3=4」のフシギな計算! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「合格(ごうかく)」や「不合格(ふごうかく)」、「合否(ごうひ)」については 4/27 国+社:「合格(ごうかく)」の「逆(ぎゃく)」は何ですか? ~「不合格(ふごうかく)」と「合否(ごうひ)」、「不(ふ)」と「否(ひ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。